建設業許可|業種の知識

大工工事業とは?必要な資格と許可要件|建設業許可

今回は、大工工事業について解説いたします。

この記事を読むことで、大工工事ってどんな工事?、大工工事業の許可を取るにはどんな資格や要件が必要?など疑問を解消することができます。

また、資格や要件の証明に、どんな書類が必要かが分かります。

 

もし、間違った業種を選択してしまうと、手間と時間と費用が余分にかかることになります。

また、無許可営業で処分される可能性が高くなってしまいます。

ですから、業種の選択はとにかく慎重に行いましょう。

もし、不安があるようでしたら、信頼できる専門家に相談するのがよいでしょう。

 

大工工事業とは

建設業許可における「大工工事」は、木材の加工または取付けにより工作物を築造し、または工作物に木製設備を取り付ける工事をいいます。

基本的には「軸組工事」や「木工事」としてイメージされる工事です。

柱・梁・壁などを組む木造の躯体工事や造作工事などが中心です。

※税込500万円未満の軽微な工事を請け負う場合、大工工事業の許可は必要ありません。

 

例示

具体的にはこんな工事が該当します。

・大工工事

・型枠工事

・造作工事

この場合の「型枠工事」は、木製の型枠を使用する工事ですね。

コンパネを組んで、コンクリートを流し込む型枠を作ります。

ただしコンクリートを流し込む工事は、「とび・土工・コンクリート工事」に分類されます。

ちなみに金属製の型枠を現場で加工して設置する工事は「鋼構造物工事」になります。

既成品の金属製型枠を設置する工事や型枠支保工などは「とび・土工・コンクリート工事」になると考えられます。

 

造作工事は、柱や梁などの構造部分以外の建物内部の工事を指します。

天井・床・棚・階段・敷居や鴨居などの室内装飾となる仕上げや下地を組み立てる工事です。

 

業種区分を間違えやすい工事

リフォーム工事は多くの場合、内装やインテリア工事となるので「内装仕上工事」に該当するものが多くなります。

しかし、間取りを変更するようなリフォームとなると、柱や界壁などを改修する躯体工事や造作工事が必要です。

これらの工事では、「内装仕上工事」ではなく「大工工事業」の許可が必要となります。

「リフォームも手掛ける!」のであれば、「内装仕上工事業」と「大工工事業」の両方の許可を持つのもアリです。

どちらがメインの工事でも請け負えることになり、仕事の幅が広がります。

 

大工工事業の許可を取るには

建設業の許可要件は、「経管(けいかん)」「誠実性」「欠格要件」「専任技術者」「財産的基礎」の5つです。

では、大工工事業の許可を取るために必要な5つの要件の攻略方法を確認しましょう。

 

経営業務の管理責任者(経管)

申請するのが法人であれば役員の1人が、個人であれば事業主本人か支配人が、次に該当することが要件です。

①大工工事業を営む会社の役員として5年以上の経営経験がある

②大工工事業を個人事業主(支配人)として5年以上経営した経験がある

③大工工事業以外の業種を営む会社の役員として6年以上の経営経験がある

④大工工事業以外の業種を個人事業主(支配人)として6年以上経営した経験がある

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可通知書のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

 

誠実性

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)が対象となります。

請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこととされます。

くわしくはこちらをご覧ください

👉誠実性の要件について|建設業許可

 

欠格要件

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)、さらに5%以上の持分をもつ株主なども対象となります。

次のものに該当すると許可されません。

・成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者

・不正に許可を受けたこと、または営業停止処分に違反したことにより許可取消後5年を経過しない者

・禁錮以上の刑または建設業法等の法令違反で罰金刑以上に処せられて5年を経過しない者

・暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 

くわしくはこちらをご覧ください

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

 

専任技術者・財産的基礎

専任技術者と財産的基礎については、一般建設業と特定建設業のどちらを選ぶかによって要件が違ってきます。

一般建設業から確認しましょう。

なお、一般建設業と特定建設業についてはこちらをご覧ください

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

一般建設業の要件:大工工事業

専任技術者(一般建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①から④のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格などを持っている

・1級建築施工管理技士

・2級建築施工管理技士(躯体又は仕上げ)

・1級建築士

・2級建築士

・木造建築士

・技能検定:「建築大工」技能士(2級は合格後3年以上の実務経験が必要)

・技能検定:「型枠施工」技能士(2級は合格後3年以上の実務経験が必要)

・登録基幹技能者:「登録型枠基幹技能者」「登録建築大工基幹技能者」

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②指定学科の卒業+大工工事業での実務経験

高校の指定学科を卒業したときは5年以上、大学・高専の指定学科を卒業したときは3年以上の実務経験が必要

※指定学科・・・建築学、都市工学に関する学科

👉「卒業証明書」と実務経験の確認資料で証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

 

④大工工事業での実務経験が10年以上

大工工事業で10年以上の実務経験が必要です。

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可申請書及び決算変更届のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

 

財産的基礎(一般建設業)

次の①②のどちらかに該当することが要件です。

①自己資本(純資産合計)が500万円以上である

②500万円以上の資金調達能力がある

👉②は「500万円以上の金融機関の残高証明書」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

特定建設業の要件:大工工事業

専任技術者(特定建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①~③のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

・1級建築施工管理技士

・1級建築士

 

②2年以上の指導監督的実務経験を持っている

一般建設業の専任技術者(大臣特認を除く)に該当する人で、4,500万円以上の元請工事に関して2年以上の指導監督的実務経験を持っていること。

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」及び「施工体系図」など指導監督的な地位にあったことがわかる確認資料と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(特定建設業)

次のすべてに該当することが要件です。

①欠損の額が資本金の20%を超えないこと

②流動比率が75%以上であること

③資本金が2,000万円以上あること

④自己資本(純資産合計)が4,000万円以上あること

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可