建設業許可|業種の知識

電気工事業とは?必要な資格と許可要件|建設業許可

今回は、電気工事業について解説します。

この記事を読むことで、電気工事ってどんな工事?、電気工事業の許可を取るにはどんな資格や要件が必要?などの疑問を解消することができます。

また、資格や要件の証明に、どんな書類が必要かが分かります。

 

もし、間違った業種を選択してしまうと、手間と時間と費用が余分にかかることになります。

また、無許可営業で処分される可能性が高くなってしまいます。

ですから、業種の選択はとにかく慎重に行いましょう。

もし、不安があるようでしたら、信頼できる専門家に相談するのがよいでしょう。

 

電気工事業とは

建設業許可における「電気工事」は、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事をいいます。

 

電気工事ならではの注意点

「電気工事業」の許可があれば、税込500万円以上電気工事が請け負えるようになります。

しかし、建設業許可を受けただけでは自社で電気工事を施工することはできません。

「???」ですよね。

理由は2つです。

 

理由1)電気工事業者の登録が必要

「電気工事業を営もうとする者は、電気工事業者の登録、通知又は届出をしなければならない」と「電気工事業法」で決められているからです。

登録を受けずに電気工事業を営んだ場合、「1年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金、又はこれを併科」などの罰則を受けることがあります。

500万円未満の軽微な工事のみを行う場合は、都道府県知事や経済産業大臣の「登録」を受けることが必要です。

※「電気工事業」の許可業者には「届出」によって”みなし登録電気工事業者”となることが義務付けられています。

 

軽微な工事はこちらで確認を

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

理由2)電気工事には資格(電気工事士)が必要

また、電気工事士法によって「電気工事士」でなければ、一定の電気工事に直接従事することができません。

つまり、例外を除いて「電気工事士」にしか電気工事はできないことになってます。

こちらも無資格で電気工事を行うと、「3か月以下の懲役または3万円以下の罰金」が科せられます。

 

というわけで、電気工事を施工するには「許可」以外に業者の「登録」と「資格」が必要となります。

 

例示

具体的にはこんな工事が該当します。

  • 発電設備工事
  • 送配電線工事
  • 引込線工事
  • 変電設備工事
  • 構内電気設備工事(非常用電気設備を含む)
  • 照明設備工事
  • 電車線工事
  • 信号設備工事
  • ネオン装置工事

 

業種区分を間違えやすい工事

※「太陽光発電設備工事」における業種区分の考え方

・「屋根工事」・・・屋根一体型の太陽光パネル設置工事は「屋根工事」に該当します。

・「電気工事」・・・太陽光発電設備の設置工事は「電気工事」に該当し、太陽光発電パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事も含まれます。

 

※「電気通信工事」との違い

扱う電力の大きさが違います。電気工事を”強電”、電気通信工事を”弱電”と呼んだりします。

・「電気通信工事」・・・電話・テレビ、インターネット・放送設備など情報通信設備の工事。

 

※「エアコン取付工事」は電気工事?

いいえ、「管工事」です。

 

※「機械器具設置工事」における業種区分の考え方

機械器具の種類によっては「電気工事」「管工事」「電気通信工事」などの専門工事に区分します。

これらに該当しない機械器具や複合的な機械器具の設置には「機械器具設置工事業」の許可が必要です。

 

電気工事業の許可を取るには

建設業の許可要件は、「経管(けいかん)」「誠実性」「欠格要件」「専任技術者」「財産的基礎」の5つです。

では、電気工事業の許可を取るために必要な5つの要件の攻略方法を確認しましょう。

 

経営業務の管理責任者(経管)

申請するのが法人であれば役員の1人が、個人であれば事業主本人か支配人が、次に該当することが要件です。

①電気工事業を営む会社の役員として5年以上の経営経験がある

②電気工事業を個人事業主(支配人)として5年以上経営した経験がある

 

③電気工事業以外の業種を営む会社の役員として6年以上の経営経験がある

④電気工事業以外の業種を個人事業主(支配人)として6年以上経営した経験がある

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可通知書のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

 

誠実性

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)が対象となります。

請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが要件です。

くわしくはこちらをご覧ください

👉誠実性の要件について|建設業許可

 

欠格要件

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)、さらに5%以上の持分をもつ株主なども対象となります。

これらに該当すると許可されません。

・成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者

・不正に許可を受けたこと、または営業停止処分に違反したことにより許可取消後5年を経過しない者

・禁錮以上の刑または建設業法等の法令違反で罰金刑以上に処せられて5年を経過しない者

・暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

くわしくはこちらをご覧ください

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

 

専任技術者・財産的基礎

専任技術者と財産的基礎については、一般建設業と特定建設業のどちらを選ぶかによって要件が違ってきます。

一般建設業から確認しましょう。

なお、一般建設業と特定建設業の違いについてはこちらをご覧ください

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

一般建設業の要件:電気工事業

専任技術者(一般建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①から④のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

  • 1級電気工事施工管理技士
  • 2級電気工事施工管理技士
  • 技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)
  • 技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
  • 技術士法(技術士試験):電気電子・総合技術監理(電気電子)
  • 1級電気工事士:電気工事士法(免状)
  • 2級電気工事士:電気工事士法(免状/資格取得後3年間の実務経験が必要))
  • 電気主任技術者(1種~3種):電気事業法(免状/資格取得後5年間の実務経験が必要)
  • 建築設備士(資格取得後1年間の実務経験が必要)
  • 1級計装士(資格取得後1年間の実務経験が必要)
  • 登録基幹技能者:「登録電気工事基幹技能者」

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②指定学科の卒業+電気工事業での実務経験

高校の指定学科を卒業したときは5年以上、大学・高専の指定学科を卒業したときは3年以上の実務経験が必要

※指定学科・・・電気工学又は電気通信工学に関する学科

👉「卒業証明書」と実務経験の確認資料で証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

 

④電気工事業での実務経験が10年以上

電気工事業で10年以上の実務経験が必要です。

※電気工事は一部の例外を除いて「電気工事士」でなければ工事を施工できません。

「電気工事士」の資格を持たずに行った工事は、電気工事の実務経験と認められないことがありますのでご注意を。

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可申請書及び決算変更届のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(一般建設業)

次の①②のどちらかに該当することが要件です。

①自己資本(純資産合計)が500万円以上である

②500万円以上の資金調達能力がある

👉②は「500万円以上の金融機関の残高証明書」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

特定建設業の要件:電気工事業

専任技術者(特定建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①②のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

  • 1級電気工事施工管理技士
  • 技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)
  • 技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
  • 技術士法(技術士試験):電気電子・総合技術監理(電気電子)

※電気工事業は、指定工事業7業種の1つです。

特定建設業で専任技術者になれるのは、上記の国家資格者だけです。

指導監督的実務経験では、電気工事業の特定建設業の専任技術者とはなれません。

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(特定建設業)

次のすべてに該当することが要件です。

①欠損の額が資本金の20%を超えないこと

②流動比率が75%以上であること

③資本金が2,000万円以上あること

④自己資本(純資産合計)が4,000万円以上あること

くわしくはこちらをご覧ください

👉誠実性の要件について|建設業許可