建設業許可|業種の知識

土木工事業(土木一式工事)とは?必要な資格と許可要件|建設業許可

今回は、土木工事業(土木一式工事)について徹底解説いたします。

この記事を読むことで、土木一式工事とはどんな工事なのか、土木工事業の許可を取るにはどんな資格や要件をクリアすればいいのかが分かります。

また、資格や要件を証明するためにどんな書類が必要かについても解説してます。

 

もし、業種を間違って取得すると、無許可営業で処分される可能性が高くなってしまいます。

これだけは避けなければならないですね。

そのため、業種を選ぶ際は慎重に検討することをおすすめします。

もし、少しでも不安があるようでしたら、信頼できる専門家に相談するのがよいでしょう。

 

土木工事業(土木一式工事)とは

建設業許可における「土木一式工事」(許可の種類は「土木工事業」)は、主に元請の立場で工事をマネジメントすることを想定した業種です。

「総合的な企画、指導、調整のもと土木工作物を建設する工事」であって、複数の下請により施工される大規模かつ複雑な工事のことを言います。

また、単一の専門工事であっても、工事の規模や複雑性からみて個別の専門工事として施工が難しい場合も含まれます。

 

単なる盛土、掘削、締固めなどの土工事のみを行う場合は、「とび・土工・コンクリート工事」となります。

「土木一式の許可があったら、土木系は何の工事でもできるんじゃろ」

👆👆都市伝説です。乗っからないようにしましょう。

土木工事業の許可があっても、税込500万円以上の単なる土工事のような専門工事は受注できないので注意してください。

くわしくはこちらを参考にしてください

👉一式工事の許可があればどんな工事でも受注できる?|建設業許可

 

例示

具体的にはこんな工事が「土木一式工事」に該当します。

道路工事

河川工事、海岸工事

ダム建設工事(砂防ダム工事、貯水池ダム工事など)

トンネル工事

コンクリート構造物工事(橋梁工事、高さ5m以上の擁壁工事など)

空港建設工事

土地区画整理工事や土地造成工事

公道下等の下水道工事(上水道を含まない)

農業土木工事(ほ場整備工事、農道工事、農業用水道工事など)

地すべり防止工事

森林土木工事(治山工事や林道工事など)

 

業種区分を間違えやすい工事

「土木一式工事」になるのかならないのか、迷いがちな工事を集めました。

・盛土工事、掘削工事・・・「とび・土工工事業」

・ガードレール、標識などの道路付属物設置工事・・・「とび・土工工事業」

・コンクリートくい打ち工事・・・「どび・土工工事業」

・コンクリート打設・圧送工事、コンクリートブロック据付工事・・・「とび・土工工事業」

・コンクリート積み(張り)工事・・・「石工事業」または「タイル・れんが・ブロック工事業」

・橋梁などの土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事・・・「土木一式工事」

 

(上下水道に関する施設の建設工事)

・公道下等の下水道の配管工事、下水処理場自体の敷地造成工事・・・「土木一式工事」

・農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事・・・「土木一式工事」

・家屋その他の施設の敷地内の配管工事、上水道等の配水小管の設置工事・・・「管工事」

・上水道の取水、上水、配水等の施設、下水道処理場内の処理設備設置工事・・・「水道施設工事」

※単一の専門工事であっても規模や複雑さからみて「土木一式工事」とされるものがあります。

トンネル、橋梁、ダム、護岸、道路、下水道(本管埋設)、農業用水道などの場合は、特に注意が必要です。

 

土木工事業(土木一式工事)の資格と許可要件

建設業の許可要件は、「経管(けいかん)」「誠実性」「欠格要件」「専任技術者」「財産的基礎」の5つです。

まずは、土木工事業(土木一式工事)を取るために必要な5つの要件を攻略する方法を確認しましょう。

 

経営業務の管理責任者(経管)

土木一式工事での経営経験は、原則「元請業者」での経験しか認められません。

500万円未満の軽微な工事での経験は、通常カウントされませんのでご注意ください。

申請するのが法人であれば役員の1人が、個人であれば事業主本人か支配人が、次に該当することが要件です。

①土木工事業を営む会社の役員として5年以上の経営経験がある

 

②土木工事業を個人事業主(支配人)として5年以上経営した経験がある

 

③土木工事業以外の業種を営む会社の役員として6年以上の経営経験がある

 

④土木工事業以外の業種を個人事業主(支配人)として6年以上経営した経験がある

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可通知書のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明する

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)5年以上の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明する

くわしくはこちらをご覧ください

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

 

誠実性

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)が対象となります。

請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこととされています。

くわしくはこちらをご覧ください

👉誠実性の要件について|建設業許可

 

欠格要件

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)、さらに5%以上の持分を持つ株主なども対象となります。

・成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者

・不正に許可を受けたこと、または営業停止処分に違反したことにより許可取消後5年を経過しない者

・禁錮以上の刑または建設業法等の法令違反で罰金刑以上に処せられて5年を経過しない者

・暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者など

くわしくはこちらをご覧ください

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

 

専任技術者・財産的基礎

専任技術者と財産的基礎については、一般建設業と特定建設業のどちらを選ぶかによって要件が違ってきます。

一般建設業から確認しましょう。

なお、一般建設業と特定建設業についてはこちらをご覧ください

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

一般建設業の要件:土木工事業

専任技術者(一般建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①から③のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①【次の国家資格等を持っている】

・1級建設機械施工技士

・2級建設機械施工技士(第1種~第6種)

・1級土木施工管理技士

・2級土木施工管理技士(土木)

・技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)

・技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)

・技術士法(技術士試験):農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)

・技術士法(技術士試験):水産土木「水産土木」・総合技術監理(水産土木「水産土木」)

・技術士法(技術士試験):森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)

👉「合格証明書」や「免状」で証明する

 

②【指定学科の卒業+土木工事業での実務経験〕

※指定学科・・・土木工学、都市工学、衛生工学、交通工学

高校の指定学科を卒業したときは5年以上、大学・高専の指定学科を卒業したときは3年以上の実務経験が必要

👉「卒業証明書」と実務経験を証明する資料で証明する

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

 

④【土木工事業での実務経験が10年以上】

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可申請書及び決算変更届のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明する

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)5年以上の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明する

くわしくはこちらをご覧ください

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(一般建設業)

次の①②のどちらかに該当することが要件です。

①自己資本(純資産合計)が500万円以上である

②500万円以上の資金調達能力がある

👉②は「500万円以上の金融機関の残高証明書」で証明する

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

特定建設業の要件:土木工事業

専任技術者(特定建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次に該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①【次の国家資格等を持っている】

・1級建設機械施工技士

・1級土木施工管理技士

・技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)

・技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)

・技術士法(技術士試験):農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)

・技術士法(技術士試験):水産土木「水産土木」・総合技術監理(水産土木「水産土木」)

・技術士法(技術士試験):森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)

※土木工事業は、指定工事業7業種の1つです。

特定建設業で専任技術者となれるのは、上記の国家資格者だけです。

指導監督的実務経験では、土木工事業の特定建設業許可における専任技術者にはなれません。

くわしくはこちらをご覧ください

 

②国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(特定建設業)

次のすべてに該当することが要件です。

①欠損の額が資本金の20%を超えないこと

②流動比率が75%以上であること

③資本金が2,000万円以上あること

④自己資本(純資産合計)が4,000万円以上あること

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可