建設業許可|取るための知識

営業所調査と準備すべき確認資料|建設業許可

建設業許可申請には営業所調査があります。

営業所調査と聞くと役所から人が来ていろいろ調べられるんだろう。

それでまずいところがあると許可されないのだろうか?

このように心配される方は多いと思います。

また、役所から来られても、どう対応していいかわからない。

不安だ、という方もいらっしゃるでしょう。

 

実際のところ、営業所調査がどのように行われるのか。

そもそも営業所とはどんなものをいうのか。

営業所調査に必要な資料にはどんなものがあるのか。

これらについて解説してまいります。

 

営業所調査って来るの?来ないの?

営業所調査って役所の担当官が実際に来るのでしょうか、来ないのでしょうか。

答えは・・・

どちらも正解です。

「なんだよ、それ」って感じですが、こういうことです。

 

知事許可の場合、申請先の都道府県によって対応が違っています。

東京都などでは、営業所調査は基本的に書類審査だけで終わります。

営業所に来ることはほぼありません。

一方、岡山県や福岡県の場合、実際に担当官が営業所に来て調査が行われます。

ですが、調査によってまずいところを指摘されて、許可されないということはほとんどありません。

営業所として使える状態かを確認し、あとは経管などの資料の原本を確認するだけです。

それほど恐れることはありません。

 

また、大臣許可の場合ですが、こちらは書類審査のみです。

実際に来ることはまずありません。

 

書類審査だけの場合、逆に書類だけで判断されてしまいます。

営業所として機能することをしっかりと証明するようにしましょう。

後で追加資料の提出を求められることになります。

また書類だけではほとんどわからないとなれば、立入検査が行われます。

ご注意ください。

 

営業所の要件

営業所とは、本店又は支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。

請負契約の見積り、入札、協議など請負契約の締結を実際に行う事務所です。

つまり営業所とは、常時請負契約を交わす事務所をいいます

言いかえれば、契約書にハンコをつく場所のことです。

このような事務所を、建設業法上の営業所と呼びます。

営業所は許可の申請時に届け出たものだけが認められます。

そして500万円以上の工事は、営業所でなければ受注できません。

本店や支店であっても、契約書に関係しなければ営業所ではありません。

 

では営業所として備えておくべき要件について確認します。

7つあります。

①外部から来客を迎え入れ、建設工事の請負契約締結などを実際に行っていること。

②電話、机、各種事務台帳等を備えていること。

その場所で契約を行っていることが営業所の要件です。

また、営業所としての機能が備わっており、工事台帳などが作成されていることが必要です。

したがって、単なる登記上の本店、工事事務所、作業所などは建設業法上の営業所に該当しません。

③契約締結ができるスペースがあること。

かつ、居住部分や他法人又は他の事業とは間仕切りで明確に区分され、独立性が保たれていること

一般的には応接セットやイスとテーブルがあればいいでしょう。

注意が必要なのは、同じ空間を複数の事業者などが共同で使用する場合です。

建設業者のスペースはここです、とはっきり区別できるよう間仕切りなどが必要です。

居住スペースとの共用も同様です。

④営業用事務所としての使用権原を有していること

(自己所有の建物か、賃貸借契約等を結んでいること)

特に賃貸の場合、自宅兼事務所は要注意です。

賃貸借契約書では単に居住用として契約されている場合です。

この場合、貸主から「使用承諾書」をもらうようにして下さい。

後ろに書式をアップしています。

⑤看板、標識等を掲げていること。

(外部から建設業の営業所であることが分かるように表示してある)

標識は室内に掲示しますので、外部に看板が必要です。

⑥経営業務の管理責任者又は令3条の使用人が常勤していること。

(建設工事の請負契約締結等の権限を付与された者)

⑦ 専任技術者が常勤していること。

この2つの要件は重要です。

営業所を複数持つ場合に大きく影響を受けます。

主たる事務所には、経管(けいかん)と専技(せんぎ)とも常勤が必要です。

従たる営業所には、令3条の使用人と専技の常勤が必要です。

こちらでくわしく解説しています。

ぜひ、合わせてお読みください。

知事許可と大臣許可はどう違うのか|建設業許可

 

営業所調査

営業所調査は、書類審査か、立入検査かでその目的が違ってきます。

書類審査の場合は、営業所に関する調査だけという意味になります。

一方、立入検査の場合、営業所の調査という意味が1つ。

もう1つは、経管や専技などの確認資料の原本をチェックするという意味を持つのです。

まずは、書類審査の場合を解説いたします。

 

営業所調査(書類審査の場合)

東京都の例で説明します。

次の4つの書類が必要となります。

①営業所の電話番号確認資料(例:名刺、封筒の写し等)提示のみ

②営業所の所在地付近の案内図

岡山県:建設業許可の手引より

③営業所の写真(外観、営業所内)

 

※営業所内の写真は次の点に注意して撮影しましょう。

・入口のドアから事務所までの通路の状況

・部屋の全体がわかるように中心から四隅、四隅から中心の状況

・電話、パソコン、机の配置、契約のスペースなどの配置状況

④営業用事務所としての使用権原を有していることを証する書類

 

※法人・・・登記上の所在地以外の場所に営業所がある場合のみ必要

※個人・・・住民票上の住所以外の場所に営業所がある場合のみ必要

ア 自社所有の場合は、次のうちいずれか一つを提出

・建物の登記簿謄本(発行後3か月以内)

・建物の固定資産物件証明書又は固定資産評価証明書(発行後3か月以内)

イ 賃借の場合は、建物の賃貸借契約書の写し

(使用目的が事務所用又は店舗用であること)

※住居用の場合は、貸主の承諾書を添付する

最後の④ですが補足しておきます。

法人の場合、本店所在地を営業所とする場合、必要書類はありません。

また個人の場合も、住民票の住所が営業所であれば、必要書類はありません。

これが異なる場合に書類が必要です。

自己所有か賃貸かで必要な書類が違ってきます。

ですが、どれか1つの書類が準備できればOKです。

 

営業所調査(立入検査の場合)

岡山県の事例で解説します。

許可申請が受理されてから半月程度で、調査の日程について連絡があります。

調査内容は、大きく3つに分かれます。

①営業所の確認に必要なもの

②経管・専技に関する確認資料

③財務内容の確認のためのもの

それでは、調査当日に準備すべき書類について解説します。

 

なお、次の点に十分ご注意ください。

調査で確認できない書類などがあれば、許可を受けることができません。

漏れがないようにしっかり準備しましょう。

 

①営業所の確認に必要なもの

賃貸の場合のみ賃貸借契約書の原本が必要となります。

貸主から使用承諾書をもらっている場合は、原本を準備しましょう。

 

②経管・専技に関する確認資料

さらに3つに分かれます。

ア 経管の過去の経営経験を確認するための書類

イ 専技の資格などを確認するための書類

ウ 経管・専技の現在の常勤性を確認するための書類

ア 経管の過去の経営経験を確認するための書類

経営を経験したすべての期間の書類が確認されます。

【法人の役員の場合】

・登記事項証明書

・社会保険関係書類(加入履歴など)

※厚生年金被保険者記録照会回答票など

・出勤簿・賃金台帳など

【個人事業主の場合】

・確定申告書の控え(税務署の収受印があるもの)

・所得証明など

【請負工事の実績】

・工事請負契約書(原本)

・注文書(原本)と請書(写し)

・請求書(控え)と入金が確認できる書類(通帳など)

 

イ 専技の資格などを確認するための書類

【国家資格の場合】

・合格証明書、免状、免許証など(原本)

【指定学科を卒業の場合】

・卒業証明書など(原本)

【実務経験の場合】

・工事請負契約書(原本)

・注文書(原本)と請書(写し)

・請求書(控え)と入金が確認できる書類(通帳など)

 

ウ 経管・専技の現在の常勤性を確認するための書類

【法人の場合】

・健康保険証(原本)

※標準報酬決定通知書や被保険者資格取得確認通知書の原本でもOK

・賃金台帳、出勤簿など

【個人の場合】

・健康保険証(原本)

※標準報酬決定通知書や被保険者資格取得確認通知書の原本でもOK

・雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(原本)

※雇用保険被保険者証(原本)でもOK

・賃金台帳など

 

③財務内容の確認のためのもの

申請書に記載した財務諸表の内容を確認します。

・確定申告書の控え

・決算書(原本)

 

以上が立入検査のときに必要な書類たちです。

「こんなにいるのか」と思われるかもしれません。

確かに、経管と専技ともに実務経験の証明が必要な場合は、書類は膨大となります。

しかし、専技の場合、資格だけで証明できるときは紙1枚で終わります。

ケースバイケースです。

また、申請書類作成の段階でしっかり準備できていれば問題ありません。

あまり恐れる必要はないと考えます。

 

経管や専技に必要な確認資料を知りたい方は、こちらもご覧ください。

経営業務の管理責任者に必要な確認資料|建設業許可

専任技術者に必要な確認資料|建設業許可の要件

実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

 

まとめ

いかがでしたか?

営業所調査には2通りのパターンがありました。

書類審査だけの場合と、立入調査が実施される場合です。

大臣許可の場合は、書類審査となります。

知事許可の場合は、申請先の都道府県によって対応が異なります。

申請先の窓口などで確認してください。

 

書類審査であっても、立入検査であっても確認される資料がそれほど違うわけではありません。

書類審査の場合は、申請時に経管や専技の確認資料を窓口で確認します。

立入検査の場合は、それが営業所調査の時になるというだけです。

 

とにかく申請に向けて、書類をしっかり準備しておけば大丈夫です。

建設業の許可申請の全体像を知りたい方はこちらもどうぞ。

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