建設業許可|取るための知識

附帯工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

建設工事を請け負う場合、原則として許可が必要となります。

無許可で工事を受注してしまうと違反となり処分や罰則を受けることがあります。

「500万円までの工事なら許可はいらんのじゃろ」

その通りです。

「軽微な工事」といいますが、500万円未満の工事は許可なく受注できます。

※軽微な工事をこちらで解説しています。

あわせてお読みください。

軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

じつは建設業にはもう1つ、許可の要らない工事があります。

これを「附帯(付帯)工事」といいます。

付帯工事を上手く使えば、少ない許可で大きな仕事を請けられる可能性が広がります。

ぜひ付帯工事の知識を身につけて、仕事の幅を拡げてください。

それでは解説いたします。

 

付帯工事とは

なぜ付帯工事には許可が要らないのか

建物の周囲に防水工事を施工する場合、建物の周囲全体に足場を組みます。

このケースでのメインの工事は、もちろん防水工事です。

しかし、防水工事を行うためには足場を組む必要があります。

この場合、メイン工事の防水工事を行うための足場の仮設工事を「付帯工事」と呼びます。

この付帯工事には、建設業の許可が要らないのです。

なぜでしょう。

もし、許可のある工事しかできないとなると、とてもやりにくくなります。

「うちには防水工事の許可しかないので、足場は施主さんの方でお願いします。」

こんな業者いやですよね。

逆に防水工事の業者としても「足場もうちでやらせてよ」と思うでしょう。

そこで許可業者が請け負う工事に付帯する工事については、許可なく工事ができることとしているのです。

この付帯工事は、許可が必要である500万円以上の工事の場合にだけ関係してきます。

そもそも500万円未満であれば、軽微な工事として許可は不要です。

メイン工事以外に500万円以上の工事があっても、付帯工事であれば許可が要らないわけです。

 

付帯工事の判断基準

付帯工事かどうかの判断は、どんな基準によって行われるのでしょうか。

判断のポイントは3つです。

①注文者の利便や工事の慣習などの観点から、一連の工事または一体の工事として必要か総合的に判断する。

②付帯工事の工事金額は、メイン工事の金額より高くなることはない

③一式工事が他の工事の付帯工事になることはない

とくに①の後半部分が大事です。

要は、1つの連なる工事であるとか全体で1つになるような工事であるかどうかです。

これを、注文者に不便にならないように、総合的に判断することになっています。

 

付帯工事の2つのカタチ

付帯工事には2つのカタチがあります。

・メインの工事をするために必要となる工事

・メインの工事をしたことで必要となった工事

それぞれ次のようなケースをいいます。

 

メインの工事をするために必要となる工事

メインの工事を行うため、その前後に行われる工事のことです。

電気配線の改修や照明器具の取替えをメインとする建物の改修工事の場合。

電気工事を行うために、内装仕上工事が必要となります。

他には、金属製サッシの取付け(建具工事)工事の場合。

サッシ取り付け後にコンクリート工事や左官工事が必要となります。

また、先ほどの防水工事のための仮設足場工事(どび土工)などもこのケースです。

メイン工事のために、施工が余儀なくされる工事のことですね。

 

メインの工事をしたことで必要となった工事

こちらはメインの工事を施工したことで、事後的に必要となる工事です。

空調設備設置工事を請ける場合。

管工事として施工しますが、配管に施工する熱絶縁工事がこのケースに該当します。

また、屋根の改修工事の場合。

屋根工事に続き施工する、塗装工事がこれに該当します。

メイン工事の機能を保全し、十分な能力を発揮するために必要を生じた工事をいいます。

 

付帯工事のデメリット

経営業務の管理責任者に必要な経営経験や専任技術者の実務経験として、工事の実績が必要となります。

付帯工事となる業種については、これらの工事の実績になりません。

これらの経験として付帯工事の工事の実績は使用することができません。

あくまでもメイン工事の実績としてしか使えませんのでご注意ください。

 

経管や専技の要件をこちらで解説しています。

経営業務の管理責任者要件|建設業許可で最大のヤマ

専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

付帯工事の注意点

付帯工事の施工に必要な技術者

付帯工事を施工する場合は、次の2通りになります。

・自社で施工する

・他の許可業者に下請け工事を発注する

自社で施工する場合には、技術者を置くことが義務付けられます。

専任技術者となる資格や経験がある者を、”専門技術者”として配置しなければなりません。

(ややこしいですが、専任と専門はまったく別ものです。

くわしくは 専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ を読んでみてください。)

電気工事にともなって、内装仕上工事を付帯工事として行う場合を考えます。

この内装仕上工事を自社でやろうとすると、内装仕上工事の専門技術者の配置が必要です。

この点は十分注意してください。

ただし、メイン工事の主任技術者や監理技術者がこの資格を持っていれば兼任は可能です。

 

登録などが必要な付帯工事

自社で施工する工事が電気工事の場合には、電気工事業者の登録等が必要です。

また、電気工事や消防施設工事を行うには次の資格が必要です。

・電気工事・・・電気工事士

・消防施設工事・・・消防設備士

 

丸投げに注意

専門技術者が置けない場合や自社で施工しない場合は、許可業者に下請けさせることができます。

このとき、下請けに出す工事が丸投げとならないよう注意が必要です。

工事の丸投げとは、請けた工事の全部や本体工事を下請けに出すことをいいます。

メイン工事と付帯工事の分け方に無理があれば、丸投げといわれかねません。

処分対象となりますので、付帯工事の判断は厳格に行ってください。

 

付帯工事の具体例

それでは、金額的なところも含めて具体例で確認しておきましょう。

 

屋根工事をメイン工事とします。

これに足場の仮設工事(とび土工)と塗装工事を行うこととします。

 

屋根工事が300万円、塗装工事が200万円、足場工事が100万円とします。

工事金額は合計で600万円となり500万円以上です。

ですから、メインの屋根工事の許可が必要です。

一方、塗装と足場工事はもちろん許可不要です。

 

では、次の場合はどうなるでしょうか?

屋根工事が1,000万円、塗装工事が600万円、足場工事300万円だとします。

付帯工事である塗装工事が500万円以上となっています。

しかし、この場合も屋根工事の許可があれば工事を請けることができます。

塗装工事ととび・土工工事の許可は必要ありません。

ただ、自社で施工する場合、付帯工事が500万円以上のときには専門技術者が必要となります。

ご注意ください。

 

まとめ

建設業の付帯工事についてご理解いただけたかと思います。

 

冒頭で、付帯工事を上手く使えば、少ない許可で大きな仕事を請ける可能性が広がるといいました。

軽微な工事の場合は、500万円未満のものしか許可なく受注できません。

しかし、この付帯工事であれば、500万円以上の工事であっても許可なく受注できます。

付帯工事に該当する場合は、積極的に利用してより大きな工事を受注しましょう。

上手く活用してください。

 

ただし、注意点が2つあります。

・自社施工の場合は、付帯工事に専門技術者を置くこと。

・工事の丸投げにならないようにすること

くれぐれも気を付けてください。

 

また、付帯工事に該当するかどうかは、非常に重要なポイントとなります。

自分の判断を過信するのはやめましょう。

必ず、役所や行政書士に確認することをおすすめします。

 

建設業許可の全体像をこちらでくわしく解説しております。

ぜひご覧ください。

岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド