建設業法の知識

現場代理人と主任(監理)技術者との違い|建設業法

現場代理人と主任(監理)技術者とのちがいをわかりやすく丁寧に解説します。

なお、主任(監理)技術者については、こちらでくわしく解説しています。

先にこちらをご覧いただいたうえで、読み進めていただくとわかりやすいと思います。

👉主任技術者と監理技術者の違い|建設業許可

 

現場代理人と技術者との違いを、

①その役割

②資格は必要かどうか

③必ず配置が必要か

などの視点から検討します。

また、現場代理人が兼務できるもの、できないものについても確認します。

それでは、さっそく始めましょう。

 

建設業許可について、こちらでくわしく解説しています。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉建設業法の処分・罰則を理解する完全ガイド

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

現場代理人とは

現場代理人は、工事現場に配置される請負人(受注者)の代理人のことです。

ですから、現場代理人は、担当した工事の請負契約について、企業を代表して仕事をする存在であると言えます。

かなり重要なポジションです。

一方、主任(監理)技術者は、建設工事の適正な施工の確保の観点から、建設業法で設置が義務付けられたものです。

 

現場代理人の役割(職務)

現場代理人は、請負契約が的確に履行をされるために置かれます。

具体的には、次のような役割(職務)を持っています。

ア 工事現場に常駐し、工事の運営や取締りを行う

 

イ 工事の施工に関する一切の事項(工事金額の変更や契約の解除などを除く)

 

ウ 請負契約事務の処理に関する一切の事項

 

一方、主任(監理)技術者は、工事を適正に実施するため、技術上の管理や作業者の指導監督を行います。

具体的には、次のような役割(職務)を果たすことが求められます。

・工事の施工計画の作成・・・工程・安全・品質管理計画、施工体制、発注者との協議など

 

・工程の管理・・・工事全体の把握(手順・段取りの調整、指導、工程変更があったときの適切な対応)

 

・品質管理・・・建築物・工作物の品質を確保、仮設物、工事用の資材や機械などの管理

 

・安全管理・・・通行人などへの公衆災害や労働災害(労災)の防止

 

・労務管理など・・・労働者・下請業者などの工事現場への入退場の管理、近隣住民への対応など

 

※現場代理人のイ(工事の施工に関する一切の事項)に該当する役割です。

 

現場代理人に資格は必要か

現場代理人になるためには、主任技術者のような特別な資格はありません。

ただし、請負契約において企業を代表する存在ですので、誰でもいいというわけにはいきません。

一般的には、主任(管理)技術者と兼任する場合が多いようです。

 

公共工事の場合

公共工事の場合、現場代理人には一般的には次のような要件が求められます。

・工事現場に常駐できること

※常駐・・・その工事のみを担当し、工事期間中、常に工事現場に滞在していることをいいます。

 

・正社員であること

※現場代理人には、請負人との直接的かつ恒常的な雇用関係が必要です。

 

・複数の工事現場の現場代理人を同時に務めることはできません。しかし、業務(役割)に支障がないと発注者が認めれば兼務できます。

※工事現場の運営や取締りに支障がなく、連絡体制が確保できて、発注者が承諾すれば常駐の必要はありません。

 

主任技術者の資格要件

主任技術者の資格要件は、一般建設業の場合に営業所におく専任技術者と同じです。

ⅰ)高校、専修学校の指定学科卒業+実務経験5年以上

ⅱ)大学、高専の指定学科卒業+実務経験3年以上

ⅲ)実務経験10年以上

ⅳ)1級、2級の国家資格(一部の資格には実務経験が必要です)

ⅴ)大臣の特認(海外での学歴や実務経験)

※監理技術者になるためには、さらに厳しい要件が定められています。

くわしくはこちらをご覧ください。

👉主任技術者と監理技術者の違い|建設業許可

 

現場代理人はかならず必要か

現場代理人はかならず設置されるものではありません。

発注者との請負契約のなかで定めることにより設置されます。

ただし、公共工事では、現場代理人の設置が求められます。

民間工事では、比較的大規模な工事で置かれることが多いようです。

 

一方、主任(管理)技術者は、建設業法により現場への配置が義務付けられています。

 

主任技術者の配置義務

建設業の許可業者は、工事金額の多少や元請か下請かにかかわらず建設工事の現場に主任技術者を置く必要があります。

 

許可の有無にかかわらずすべての工事において、税込500万円以下の軽微な工事であっても主任技術者を配置しなければなりません。

 

監理技術者の配置義務

特定建設業者が元請として税込4,000万円(建築一式は6,000万円)以上の工事を下請けさせる場合には、監理技術者を配置しなければなりません。

 

このような工事の場合、元請からは監理技術者を、下請からもそれぞれ主任技術者を配置する必要があります。

 

現場代理人の変更

現場代理人を変更する場合は、発注者の承諾を必要とします。

特に公共工事の場合は、発注者から事前の承諾を得た上で、現場代理人等変更通知書を提出します。

 

現場代理人の兼務について

現場代理人の兼務について見ておきましょう。

兼務できる場合とできない場合があります。

 

現場代理人と兼務できる場合

(主任技術者・監理技術者)

同一の工事の場合には、現場代理人と主任(監理)技術者とを兼務することができます。

 

現場代理人と兼務できない場合

(他の工事現場の現場代理人)

現場代理人は、特別な場合を除いて他の工事と重ねて現場代理人になれません。

 

(営業所の専任技術者)

現場代理人は、工事現場に常駐するため、営業所の専任技術者との兼務はできません。

 

(経営業務の管理責任者)

現場代理人は、工事現場に常駐するため、経営業務の管理責任者との兼務はできません。

 

まとめ

現場代理人は、請負契約について請負人(受注者)の企業を代表する重要な存在です。

また、適正な工事の施工を確保する上で、現場代理人と主任(監理)技術者との緊密な連携が欠かせません。

そのため、主任技術者や監理技術者の資格保有者が、兼務(兼任)することも多いようです。

 

技術者の人員が不足する状態で、積極的に公共工事を取りにいく場合、技術者の配置には注意が必要です。

主任(監理)技術者と現場代理人が適切に、また適法に配置されるようにしましょう。

くれぐれも、現場代理人や専任の技術者を、工期が重なる複数の現場に配置することのないようにしてください。

入札に参加できなくなったり、監督処分を受けたりということが起きてしまいます。

十分にご注意ください。

 

ほかにも建設業許可についてくわしく解説しています。

ぜひ、ご覧ください。

👉決算変更届(決算報告)とは|建設業許可

👉役員を変更した場合の手続き|建設業許可

👉許可の有効期限と更新申請について|建設業許可

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可