建設業許可|取った後の手続き

業種追加と許可の一本化|建設業許可

許可業者の方は、どんなタイミングで許可業種を増やしたいと考えるのでしょうか。

許可のある仕事にからんで、許可を持たない周辺の仕事の引き合いが増えてきたとき。

中途で採用した従業員さんが国家資格を持っていることが判明したとき。

元請からこんな工事をやってくれないかと打診を受けたとき。

こんなタイミングでしょうか。

 

善は急げです。

ビジネスチャンスを逃さないためにもすぐに着手しましょう。

また、今後に備えて情報収集している方にも、ぜひ知っておいていただきたい内容です。

 

業種追加についての確かな知識を身につけてください。

そして、仕事の幅を拡げることにより、ぜひ企業の成長につなげてください。

では解説を始めます。

 

業種追加とは

業種追加とは、すでにある業種の許可を持つ建設業者が、別の業種の許可を受けることをいいます。

 

業種追加について1つ大事なことをお伝えします。

一般建設業と特定建設業という許可の種類があることをご存じだと思います。

それでは問題です。

”一般”の防水工事の許可を持っている業者は、”特定”の防水工事の許可を追加で取得できるでしょうか?

答えは”NO”ですよね。

1つの業者が持てるのは、1つの業種(防水工事)については一般か特定のどちらかだけです。

同じ業種で一般と特定の両方は持てません。

 

ですから、業種の追加というのは、次の2つのパターンとなります。

①”一般”の防水工事の許可業者が、”一般”の塗装工事の許可を追加で取る場合

②”特定”の内装仕上工事の許可業者が、”特定”の管工事の許可を追加で取る場合

なお、一般から特定に変更するには「般・特新規」という申請が必要です。

※ちなみに、1つの業者が、”一般”の防水工事と”特定”の塗装工事の許可を持つことは可能です。

一般建設業と特定建設業については、こちらでくわしく解説しています。

ぜひ、合わせてお読みください。

一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

業種追加の審査事項

業種追加で行われる審査は、すでに許可の更新を受けたかどうかでちがってきます。

1回も更新を受けていない場合(新規申請から5年経っていない場合)

・・・この場合、建設業許可の5つの要件すべてが審査されます。

ほぼほぼ新規申請の場合と変わりがありません。

場合によっては、ぼう大な申請書類と確認資料が必要となります。

また、更新を受けた場合でも、財産的基礎の審査が省略されるだけです。

やはり申請はなかなか大変です。

心してかかりましょう。

 

業種追加で特に重要な2つの要件

業種追加を検討する場合、特に2つの要件に注意を向けてください。

経営業務の管理責任者と専任技術者の要件です。

この2つがクリアできなければ、業種追加にはたどりつけません。

くわしく知りたい方は、ぜひ、こちらをご覧ください。

経営業務の管理責任者要件|建設業許可で最大のヤマ

専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

経営業務の管理責任者と業種追加

建設業許可での経管(けいかん)の要件をクリアするには、大きく2つあります。

ア 許可を受けようとする業種に関し、5年以上の役員としての経営経験を持つ者

・・・許可を受けようとする1業種のみ許可される

イ 許可業種以外の業種に関し、6年以上の役員としての経営経験を持つ者

・・・すべての業種の許可を取得することができる

業種追加の場合、やはり6年以上の経営経験で経管の要件をクリアすべきです。

新規申請のときには経営経験が5年しかなく、1業種しか許可が取れなかったとしても大丈夫です。

1年我慢すれば、他の業種追加も可能となります。

こんなやり方もアリかと思います。

 

専任技術者と業種追加

専技(せんぎ)の要件は以下の方法でクリアできます。

・国家資格の取得

・10年以上の実務経験

・指定学科の卒業+実務経験(3年or5年)

・国家資格+実務経験

お分かりかと思いますが、国家資格のみで専技をクリアするのが理想です。

その中でも最強なのが”建築施工管理技士”です。

1級の場合、建築一式・大工・左官・とび土工・石・屋根・タイルれんがプロック・鋼構造物・鉄筋・板金・ガラス・塗装・防水・内装仕上・熱絶縁・建具・解体の許可取得が可能です。

2級(仕上げ)の場合、建築一式・とび土工・鋼構造物・鉄筋・解体の5つが対象外となるだけで12業種の許可が可能です。

学科と実地試験で、合格率が30%前後です。

ぜひ、ご検討ください。

 

なぜかと言いますと、こういうことです。

実務経験だけでも専技の要件をクリアすることは可能です。

しかし、1つの許可業種を取ろうとするだけで、10年の実務経験が必要となります。

2業種だと、20年の実務経験です。

 

ですから、まずは国家資格だけで専技をクリアすることを目指しましょう。

または、国家資格と実務経験の合わせ技でクリアすることを検討しましょう。

くわしくはこちらをチェックしてください。

専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

 

専技の実務経験の証明

専技の実務経験は、すべて書類で確認され判断されます。

逆に言えば、その経験が書類のどこかに表現されてなければ認められません。

自社で役員や従業員に実務経験を積ませ、この経験で専技の要件をクリアする場合注意が必要です。

業種追加を検討するタイミングでは、その業種の軽微な工事(500万円未満の工事)を受注しているはずです。

この追加を検討する業種の工事を、どの書類にどのように表現するかです。

建設業者は毎年、決算変更届の提出が求められます。

ここがポイントです。

変更届の中に「工事経歴書」と「直前3年の各事業年度における工事施工金額」があります。

これらの書類に追加業種の工事実績を”その他工事”として必ず記載しておくことが重要です。

完全なる実務経験の証明となります。

経管と専技の要件をクリアすることは至上命題です。

これらをクリアすれば、業種追加はもう目の前です。

 

業種追加における注意点

業種追加に限らず、更新や般・特新規の場合もこの点にご注意ください。

これらの申請前に、変更届や決算変更届の提出漏れがないかどうかです。

変更前の情報で許可を受けた場合、監督処分の対象となることがあります。

十分ご注意ください。

 

許可の一本化

業種追加をすると困ったことが起こります。

許可番号が複数できてしまうのです。

(般-25)と(般-30)という感じでできてしまいます。

それで何が困るかというと、5年ごとの更新申請です。

この更新の申請を、許可番号ごとに行わなければならないのです。

更新申請の度に5万円が必要です。

また、許可の更新を忘れたり手続きもれの原因となります。

許可が失効されてしまうリスクが付きまとってしまいます。

建設業許可の制度には、こうしたリスクを回避する方法が用意されています。

それが許可の一本化(許可の有効期間の調整)と呼ばれる方法です。

業種追加を行う際、既存の許可を一緒に更新することで、許可の一本化を図ることができます。

許可を失ってしまうリスクは潰しておく必要があります。

ぜひご検討ください。

 

まとめ

業種追加をするかどうか迷われている方には、早く実行することをおすすめします。

なぜかというと、こういう場合仕事を拡げるチャンスが迫っていることが多いからです。

受注のチャンスは突然やってきます。

前髪をしっかりつかむためにも準備が重要です。

要件を満たしているのであれば、多少の出費は覚悟して許可業種を増やすべきです。

私はそう考えます。

 

業種追加には、経管や専技を含め許可要件をクリアすることが求められます。

特に専技をどうクリアするかがネックとなります。

ぜひ、資格取得をご検討ください。

 

最後にもう1つだけ注意点です。

許可業種が増えるということは、工事数が単純に増えることを意味すると思います。

そこでみなさん苦労されるのが、主任技術者(監理技術者)の問題です。

業種追加を決断する際、技術者の数は足りているのかをよくよくご検討ください。

下手をすると監督処分を受けてしまいます。

十分ご注意ください。

 

建設業における処分や罰則、そのほかも解説しております。

ぜひご覧ください。

建設業法の処分・罰則を理解する完全ガイド

欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

附帯工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

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