建設業許可|業種の知識

解体工事業とは?必要な資格と許可要件|建設業許可

今回は、解体工事業について解説します。

この記事を読むことで、解体工事ってどんな工事?、解体工事業の許可を取るにはどんな資格や要件が必要?などの疑問を解消することができます。

また、資格や要件の証明に、どんな書類が必要かが分かります。

 

もし、間違った業種を選択してしまうと、手間と時間と費用が余分にかかることになります。

また、無許可営業で処分される可能性が高くなってしまいます。

ですから、業種の選択はとにかく慎重に行いましょう。

もし、不安があるようでしたら、信頼できる専門家に相談するのがよいでしょう。

 

解体工事業とは

建設業許可における「解体工事」は、工作物の解体を行う工事とされます。

しかし、「解体工事業」の許可を持てば、どんな解体工事でも請け負うことができる・・・わけではないのです。

「えっ???」となりますよね。

 

「解体工事業」の業種区分は、平成28年6月に新たに設けられました。

このときに、「解体工事」に関する考え方が明確に示されました。

解体工事の内容によって、必要な許可の業種区分が違ってきます。

勘違いで「無許可営業」となってしまうリスクが高いので注意してください。

 

①「土木一式工事」「建築一式工事」に該当する解体工事

ア 元請業者が新設工事を行うための解体工事

例)既存の一戸建て住宅を壊して新築住宅を建てる場合は、一式工事の許可が必要です。

 

イ 大規模な工作物の解体工事

総合的な企画、指導、調整のもとに行う解体工事は、一式工事の許可が必要です。

 

②各専門工事で作ったものの解体工事

例えば、「信号機を解体して更地にする」「新しい電柱を設置するため元あったものを撤去する」場合には、「電気工事業」許可が必要です。

 

では、「解体工事業」の許可で請け負える工事とはどんな工事でしょうか。

③「解体工事業」許可で請け負える解体工事

ア 工作物の解体工事(一式工事に該当しないもの)

例)一戸建て住宅を壊して更地にする場合

※建て替えであっても、下請業者が受注した解体工事は「解体工事業」の許可で行うことができます。

 

イ 2つ以上の専門工事が組み合わされた解体工事

くわしくはこちらを確認ください。

👉解体工事業の許可で解体工事ができない?

 

※③の場合、軽微な工事以外の解体工事を請け負う場合、必ず解体工事業の許可が必要です。

また、解体工事の場合、軽微な工事であっても「解体工事業登録」を受けなければ工事を受注できません。

ただし、「土木工事業」「建築工事業」「解体工事業」の許可業者は、あらためて「解体工事業登録」をする必要はありません。

軽微な工事はこちらで確認を

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

「解体工事業登録」についてはこちらを確認ください。

👉「解体工事業登録」手続き完全ガイド(建設業許可との違い)

 

解体工事業の許可を取るには

建設業の許可要件は、「経管(けいかん)」「誠実性」「欠格要件」「専任技術者」「財産的基礎」の5つです。

では、解体工事業の許可を取るために必要な5つの要件の攻略方法を確認しましょう。

※平成28年6月1日時点で、「とび・土工工事業」の許可を受けて解体工事業を営んでいる建設業者が、解体工事業の許可を受けずに解体工事を施工できる経過措置の期間は、令和元年5月末で終了しました。

 

経営業務の管理責任者(経管)

申請するのが法人であれば役員の1人が、個人であれば事業主本人か支配人が、次に該当することが要件です。

①解体工事業を営む会社の役員として5年以上の経営経験がある

②解体工事業を個人事業主(支配人)として5年以上経営した経験がある

③平成28年5月31日以前のとび・土工工事業を営む会社の役員(または個人事業主等)として5年以上の経営経験がある

④解体工事業と平成28年5月31日以前のとび・土工工事業を合算して、5年以上の経営経験がある

⑤解体工事業以外の業種を営む会社の役員として6年以上の経営経験がある

⑥解体工事業以外の業種を個人事業主(支配人)として6年以上経営した経験がある

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可通知書のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

 

誠実性

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)が対象となります。

請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが要件です。

くわしくはこちらをご覧ください

👉誠実性の要件について|建設業許可

 

欠格要件

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)、さらに5%以上の持分をもつ株主なども対象となります。

これらに該当すると許可されません。

・成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者

・不正に許可を受けたこと、または営業停止処分に違反したことにより許可取消後5年を経過しない者

・禁錮以上の刑または建設業法等の法令違反で罰金刑以上に処せられて5年を経過しない者

・暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 

くわしくはこちらをご覧ください

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

 

専任技術者・財産的基礎

専任技術者と財産的基礎については、一般建設業と特定建設業のどちらを選ぶかによって要件が違ってきます。

一般建設業から確認しましょう。

なお、一般建設業と特定建設業の違いについてはこちらをご覧ください

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

一般建設業の要件:解体工事業

専任技術者(一般建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①から④のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(建築/躯体)
  • 技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)
  • 技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)

※上記の資格の平成27年までの合格者は、資格取得後1年以上の実務経験、又は登録解体工事講習の受講が必要です。

登録解体工事講習の実施機関は次の2つです。

👉公益社団法人 全国解体工事業団体連合会

👉一般財団法人 全国建設研修センター

  • 技能検定:「とび」技能士(2級は資格取得後3年以上の実務経験が必要)
  • 技能検定(旧職種):「とび工」技能士
  • 解体工事施工技士(国土交通大臣登録試験)

※経過措置:下記の資格者で平成28年6月1日時点でとび・土工工事業の専任技術者に該当する人は、令和3年3月31日まで、解体工事の技術者とみなされます。

令和3年4月以降は、解体工事の専任技術者となることはできません。

  • 1級建設機械施工技士
  • 2級建設機械施工技士(第1種~第6種)
  • 2級土木施工管理技士(薬液注入)
  • 技術士法(技術士試験):農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)
  • 技術士法(技術士試験):水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
  • 技術士法(技術士試験):森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
  • 技能検定:「型枠施工」技能士
  • 技能検定:「コンクリート圧送施工」技能士
  • 技能検定:「ウェルポイント施工」技能士
  • 地すべり防止工事士

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②指定学科の卒業+解体工事業での実務経験

高校の指定学科を卒業したときは5年以上、大学・高専の指定学科を卒業したときは3年以上の実務経験が必要

※指定学科・・・土木工学又は建築学に関する学科

※令和3年3月31日までは、指定学科の卒業+とび・土工工事業での実務経験も経過措置として認められます。

👉「卒業証明書」と実務経験の確認資料で証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

 

④解体工事業での実務経験が10年以上

ア (原則)解体工事業で10年以上の実務経験が必要です。

※令和3年3月31日までは、とび・土工工事業での10年以上の実務経験も経過措置として認められます。

 

イ (特例)次の3つの場合も実務経験として認められます。

・「土木工事業」と「解体工事業」を通算して12年以上実務経験があり、そのうち「解体工事業」で8年を超える経験があるとき

・「建築工事業」と「解体工事業」を通算して12年以上実務経験があり、そのうち「解体工事業」で9年を超える経験があるとき

・「とび・土工工事業」と「解体工事業」を通算して12年以上実務経験があり、そのうち「解体工事業」で10年を超える経験があるとき

※解体工事については、税込500万円未満の軽微な工事の場合、許可は不要ですが「解体工事業者登録」が必要です。

「解体工事業者登録」を受けずに行った工事は、解体工事の実務経験とは認められませんのでご注意ください。

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可申請書及び決算変更届のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(一般建設業)

次の①②のどちらかに該当することが要件です。

①自己資本(純資産合計)が500万円以上である

②500万円以上の資金調達能力がある

👉②は「500万円以上の金融機関の残高証明書」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

特定建設業の要件:解体工事業

専任技術者(特定建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①~③のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

  • 1級土木施工管理技士
  • 1級建築施工管理技士
  • 技術士法(技術士試験):建設・総合技術監理(建設)
  • 技術士法(技術士試験):建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)

※上記の資格の平成27年までの合格者は、資格取得後1年以上の実務経験、又は登録解体工事講習の受講が必要です。

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②2年以上の指導監督的実務経験を持っている

一般建設業の専任技術者(大臣特認を除く)に該当する人で、4,500万円以上の元請工事に関して2年以上の指導監督的実務経験を持っていること。

※経過措置対象者は、令和3年4月以降は解体工事業(特定)の専任技術者となることはできません。

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」及び「施工体系図」など指導監督的な地位にあったことがわかる確認資料と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(特定建設業)

次のすべてに該当することが要件です。

①欠損の額が資本金の20%を超えないこと

②流動比率が75%以上であること

③資本金が2,000万円以上あること

④自己資本(純資産合計)が4,000万円以上あること

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可