建設業許可|業種の知識

解体工事業の許可で解体工事ができない?

いきなりですが、質問です。

「解体工事業の許可があれば、どんな解体工事でも受注できる、〇か✕か?」

正解は「✕」です。

「どういうこと???」ってなりますよね。

実は、「解体工事業」の許可を持ってしても、受注できない解体工事があるのです。

また、税込500万円未満の軽微な工事であっても、解体工事の場合、都道府県の「解体工事業登録」を受けていなければ工事を受注できないのです。

「解体工事業登録」はこちらで確認ください

👉解体工事業登録ガイド(建設業許可との違い)

 

この記事では、どんな解体工事にどんな許可が必要なのかを徹底解説しています。

正しく理解していないと「無許可営業」で処分の可能性も・・・。

ぜひ最後まで一読ください。

解体工事業の許可で解体工事ができない?

解体工事業の許可は、平成28年6月に新たに設けられました。

・高度成長期以降に集中的に整備された公共建造物の老朽化により、解体工事が増えることが予想されたこと。

・解体工事において重大な災害の発生や不法投棄などの問題が起きていること。

・解体工事の質を向上させる必要があったこと。

これらに対応するため、40年ぶりに許可区分が変更され、「解体工事業」の許可がつくられました。

 

このタイミングで、解体工事についての考え方が明確化されました。

解体工事の内容によって必要な許可が次の3つに分かれます。

①”一式工事”の許可が必要な解体工事

②各”専門工事”の許可が必要な解体工事

③”解体工事業”の許可が必要な解体工事

ここまで読んでも「???」な方がけっこういるのではないでしょうか。

「解体工事業の許可持っとったら、解体工事は何でもできんとおかしいじゃろ」

お気持ちはよくわかります。

しかし、間違った解釈で解体工事を行っていると「無許可営業」の危険が付きまとってしまいます。

ぜひ、正しい知識を身につけてください。

 

①一式工事の解体工事

建築工事業や土木工事業などの一式工事の許可が必要となる解体工事は、次の2つです。

ただし、軽微な工事の場合、許可は必要ありません。(「解体工事業登録」は必要」)

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

ア 新設工事のための解体工事

1つは、元請が行う建て替えなどの解体を伴う新設工事を行う場合です。

たとえば、元請が一戸建て住宅を解体して、新築の住宅を建てる場合です。

 

あるいは、元請が行う公道下の下水管の更新工事(古い配管を撤去し、新しい配管を埋設する工事)の場合です。

これらの場合、建築一式工事や土木一式工事の許可がなければ、解体工事を受注することができません。

※下請業者が元請の行う建て替え工事のうち解体工事のみ請け負う場合は、一式工事の許可は必要ありません。

イ 大規模な工作物の解体工事

一式工事の許可が必要なもう1つのものが、大規模な工作物の解体工事です。

橋、ダム、マンション、ビルなど大規模な工作物の解体工事の場合です。

 

こちらも元請の立場で工事を行う能力が求められます。

元請として総合的な企画、指導、調整のもとに行う工事とされています。

一式工事(総合的な企画、指導、調整のもとに行う工事)はこちらで解説しています。

👉一式工事の許可があればどんな工事でも受注できる?|建設業許可

 

②各専門工事の解体工事

次は各専門工事の許可が必要となる解体工事についてです。

ア 解体のみの場合

たとえば、信号機を解体して更地にする場合です。

 

この場合、解体工事業の許可ではなく、電気工事業の許可が必要となります。

イ 解体して同じモノを作る場合

たとえば、電柱を撤去したあと、新しい電柱を設置する場合です。

この場合も電気工事業の許可が必要となります。

※これらの場合、解体工事業の許可では工事を請負うことができません。

ただし、軽微な工事の場合、許可は必要ありません。(「解体工事業登録」は必要」)

 

③解体工事業の許可で受注できる解体工事

では、解体工事業の許可で受注できる工事とはどんなものでしょうか。

こちらも2つに分かれます。

ア 工作物の解体工事

小規模な工作物や家屋の解体などが該当します。

・たとえば、下請業者が元請の受注した住宅の建て替え工事のうち、解体工事だけを受注する場合

 

・一般的な家屋の解体工事のみを元請として受注する場合

 

※ただし総合的な企画、指導、調整が必要ないものに限ります。

イ 複数の専門工事からなる解体工事

たとえば、風呂場や台所(内装仕上工事と管工事)などの解体工事を受注する場合です。

 

「解体工事業」の許可で受注できる解体工事はこの2つです。

思いのほか解体工事の幅が狭いことを理解していただけたかと思います。

 

解体工事業の許可を取得するメリットは?

では、受注できる幅が狭い「解体工事業」の許可を取るメリットはどこにあるんでしょうか?

もちろん「解体工事」に特化して営業する場合は大きなメリットがありますが、それ以外にも次のメリットが考えられます。

先ほどの「①”一式工事”の解体工事」であっても「②”専門工事”の解体工事」であっても、軽微な工事(500万円未満)の場合、建設業許可は不要です。

 

でもそもそも①や②の解体工事は、軽微な工事(500万円未満)の場合が多いのではないでしょうか。

軽微な工事であれば許可は要りませんが、都道府県の「解体工事業登録」が必要です。

しかし、「建築工事業・土木工事業・解体工事業」の許可業者はこの登録が不要であるため、これらの工事も受注できるのです。

これが「解体工事業」の許可を持つメリットです。

可能であれば「解体工事業」許可を取り、適法にいろんな解体工事を受注する方がいいですよね。

 

まとめ

「解体工事業の許可があるからといってどんな解体工事でも受注できるわけではない」ということはご理解いただけたと思います。

どのタイプの解体工事にどんな許可が必要かをしっかり押さえ、無許可営業とならないよう注意してください。

また、解体工事の場合、軽微な工事であっても「建築・土木・解体工事業」の許可か、都道府県の「解体工事業登録」を受けなければ工事を受注できません。

必要であれば「解体工事業登録」も検討してみてください。

👉解体工事業登録ガイド(建設業許可との違い)

「解体工事業」の許可を取りたい方は、ぜひこちらも一読ください。

👉解体工事業とは?必要な資格と許可要件|建設業許可

 

解体工事に関して少しでも不安があるという方は、信頼のおける行政書士に相談することをおすすめします。

 

建設業許可について、くわしく解説しています。

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