建設業許可|業種の知識

「解体工事業登録」手続き完全ガイド(建設業許可との違い)

解体工事を請け負う場合、税込500万円未満の軽微な工事であっても「解体工事業登録」が必要となります。

「それは知ってる」という方が多いですよね。

軽微な工事をこちらでチェック

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

ではこれはどうでしょう。

税込500万円以上の解体工事を許可なく請け負うと、監督処分や罰則を受けることがあります。

「それも知ってる。」

ですよね。

でもひょっとして、「登録」を受けずに工事をしても大したことにはならないんじゃないか、と思ってませんか?

「解体工事業登録」を受けずに工事を受注した場合、最悪、懲役や罰金を受けることがあります。

じつはコワいことになります。

 

今回は、解体工事についてしっかり掘り下げてみました。

これを読めば解体工事業の許可と「解体工事業登録」の違いが分かります。

さらに「解体工事業登録」の手続きが自分でできる完全ガイド付きです。

ご自分で登録の手続きをしたいという方もぜひ一読ください。

なお、岡山県で解体工事業登録する場合を中心に説明しています。

 

こちらで建設業許可についても解説しています。

合わせてお読みください。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

👉建設業許可の29業種をわかりやすく解説

 

解体工事業者登録と建設業許可の違い

まずは解体工事業登録と建設業許可との違いを確認しておきましょう。

 

解体工事業登録

根拠法 建設リサイクル法
申請先 工事を施工する場所の都道府県
工事が施工できる地域 登録を受けた都道府県のみ
工事金額 500万円未満(税込み)
取得の難易度 建設業許可より取得しやすい
業者の規模 比較的小規模な企業が解体専門として工事を請負う

 

建設業許可

根拠法 建設業法
申請先 営業所が所在する都道府県(大臣許可の場合は地方整備局)
工事が施工できる地域 全国どこでも可能
工事金額 工事金額に制限はない
取得の難易度 解体工事業者登録に比べハードルが高い
業者の規模 中規模以上の企業で、解体以外の工事を請負う場合が多い

 

解体工事業登録について

もともと500万円未満の解体工事は、許可なく請け負うことができていました。

しかし、不法投棄やミンチ解体(分別せずに処分)など解体工事を取り巻く問題が多く、平成13年から解体工事業が登録制となったのです。

 

解体工事業登録の特徴は次のとおりです。

・営業所の有無にかかわらず、解体工事を施工する場所の都道府県ごとに登録が必要とされています。

※例えば、岡山県と兵庫県で解体工事を施工するのであれば、両県での登録が必要となります。

 

・建築、土木、解体工事業の許可を持っている許可業者は、解体工事業の登録は必要ありません。

※登録後に許可を取得した場合、登録の効力を失うので「建設業許可取得通知書」を提出します。

 

・500万円未満の解体工事を自社で施工する場合は、登録が必要です。

※解体工事を下請けに出す場合でも、解体工事を請負う場合は登録が必要となります。

 

・登録を受けずに営業した場合、1年以上の懲役または50万円以下の罰金が科されることがあります。

500万円未満の工事だけを請ける場合であっても、必ず登録を受けるようにしましょう。

 

 解体工事業登録のための要件

解体工事業の登録をするためには、大きく2つの要件があります。

①技術管理者の選任

②登録の拒否事由に該当しないこと

 

①技術管理者の選任

解体工事業の登録を受けるには、工事現場に解体工事の技術のプロを置かなければなりません。

これが1つ目の要件です。

解体工事の技術のプロのことを「技術管理者」と呼びます。

解体工事に関して”資格”か”経験”を持つ人のことを意味します。

 

有資格者の場合

つぎの資格を持つ人は、技術管理者になることができます。

・1級建設機械施工技士

・2級建設機械施工技士(1種と2種のみ)

・1級土木施工管理技士

・2級土木施工管理技士(土木)

・1級建築施工管理技士

・2級建築施工管理技士(建築・躯体)

・技術士(建設部門)

・1級建築士

・2級建築士

・1級とび・とび工技能士

・2級とび技能士+実務経験1年以上

・2級とび工技能士+実務経験1年以上

・解体工事施工技士試験合格者

※中でも「建設機械施工技士」と「とび技能士」が狙い目かと思います。

 

実務経験を持つ場合

(学歴がある場合)

学歴 解体工事の実務経験年数
通常 講習を受講した者
一定の学科を履修した大学または高専を卒業した者 2年以上 1年以上
一定の学科を履修した高校を卒業した者 4年以上 3年以上

※一定の学科・・・土木工学、建築学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科

※講習・・・全国解体工事団体連合会が実施する解体工事施工技術講習

(実務経験がある場合)

実務経験・・・8年以上(講習を受講した者は7年以上)

 

実務経験が必要となる人は、上記の講習の受講で期間が短縮されます。

該当する場合は、ぜひご検討ください。

 

②登録の拒否事由に該当しないこと

解体工事業の登録を受けようとする業者は、次の拒否事由に該当しないことが必要です。

1 解体工事業の登録を取り消され、その処分のあった日から2年を経過しない者

2 解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分のあった日前30日以内にその解体工事業者の役員であった者でその処分のあった日から2年を経過しないもの

3 解体工事業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

4 法又は法に基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者

5 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者

6 解体工事業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法人である場合にあっては、当該法人及びその役員)が1~5又は7のいずれかに該当するもの

7 法人でその役員のうちに1~5までのいずれかに該当する者があるもの

8 技術管理者を選任していない者

9 暴力団員等がその事業活動を支配する者

※役員・・・取締役、業務執行社員のほか、相談役、顧問、株主(5%以上の議決権を有する)が含まれます。

兵庫県:解体工事業の登録等の手引きより引用

このほかに、申請書などについて、重要事項に虚偽記載や記載漏れがあると登録を受けられません。

ご注意下さい。

 

解体工事業の登録には、①技術管理者の選任と②登録の拒否事由に該当しないことが必要です。

要件が整ったら、いよいよ申請手続きを行います。

 

登録申請の手続き

登録申請手数料

解体工事業の登録申請には、手数料が必要です。

新規申請の場合、兵庫県では33,000円、岡山県では33,050円が必要です。

ちなみに更新申請時には、兵庫県では26,000円、岡山県では27,030円が必要です。

手数料は収入証紙にて納めます。

 

登録の手続き

解体工事業の登録を受ける場合、次の申請書や書類を知事に提出することになります。

なお、審査には約1か月程度かかります。

1 解体工事業登録申請書

2 誓約書

3 登録申請者の調書

4 技術管理者に関する書面(ア~エで該当するもの及びオ)

ア 資格者・・・資格証の写し

イ 指定学科卒業・・・卒業証明書

ウ 実務経験・・・実務経験証明書

エ 登録講習受講者・・・講習修了書

オ 住民票抄本(3か月以内に発行されたもの)

5 登記事項証明書(法人の場合)

6 住民票抄本(個人:本人、法人:役員、3か月以内に発行されたもの)

7 営業所所在地略図

※都道府県によって異なるので、申請先にご確認ください。

 

登録の有効期間

解体工事業の登録の有効期間は5年です。

5年ごとの更新が必要です。

更新の場合、登録の有効期間が満了する日の30日前までに申請を行います。

 

登録後に行うこと

解体工事業の登録を受けた後、次の4つのことを実施します。

 

技術管理者による監督

解体工事業者は、解体工事を施工するときは、技術管理者に他の従事者の監督をさせなければなりません。

 

標識の設置

営業所とすべての解体工事現場に、標識を公衆の見やすい場所に掲示しなければなりません。

帳簿の備付け

請け負った解体工事1件ごとに帳簿を作成して、営業所に備えておきます。

各事業年度終了の日から5年間保存します。

なお、すぐに印刷できるのであれば、パソコン上で管理しても大丈夫です。

 

建設リサイクル法に基づく届出

元請業者などに、建設資材・建設廃棄物の分別解体やリサイクルを義務付けています。

対象工事を着手する7日前までに「建設リサイクル法に基づく分別解体等の届出」が必要です。

・建築物の解体工事(床面積80㎡以上)

・建築物の新築・増築工事(床面積500㎡以上)

・建築物のリフォーム等(請負代金1億円以上)

・土木工作物の工事(請負代金500万円以上)

※くわしくは都道府県または特定行政庁にご確認ください。

岡山県での届出書はこちらでご確認ください。

岡山県:建設リサイクル法各種様式-届出関係(民間工事の場合)

 

まとめ

解体工事について、許可と登録の関係をおわかりいただけたと思います。

税込みで500万円以上の解体工事は、建築、土木、解体工事業の許可が必要となります。

一方、500万円未満の工事には、施工場所の都道府県の登録が必要です。

なお、登録を受けずに工事を受注すると、懲役や罰金などを受けることがあります。

十分ご注意ください。

 

解体工事業の登録の手続きは、建設業許可を考えれば手続きは簡単です。

時間に余裕のある方はチャレンジしてみてください。

ただし、貴重な時間を使ってしまいますので、進退できる行政書士に依頼するのも手かと思います。

 

空き家対策としての解体工事に補助金が出るのをご存じでしょうか?

各市町村が「空き家対策総合支援事業」という名で補助金事業を行っています。

空き家の放置が社会問題となっていて、今後も空き家は増え続けると予想されています。

補助金を利用した空き家の解体工事には、今後も一定のニーズがあると考えられます。

 

こちらの記事もぜひお読みください。

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