建設業許可|取るための知識

欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

この記事の要約と結論

 

1.欠格要件に該当すると不許可や許可取消となる

 

2.対象者は取締役だけでなく「顧問」や「相談役」「(5%以上の持分を持つ)株主」も含まれる

 

3.許可取消を受けた原因の2トップは、「傷害・暴行事件で罰金刑」と「自動車事故で懲役刑」

 

4.ブラックリストに載っていても「免責」が下りた後は許可の申請ができる

 

5.欠格要件に気づかず申請してしまうと虚偽記載となり、最悪廃業の可能性が・・・

 

この記事では、建設業の「許可取消」に深く関係する「欠格要件」の全体像を徹底解説します。

落とし穴にはまらないように、「欠格要件」の知識と「許可取消」の事例を知っておいてください。

ぜひ最後まで一読ください。

 

 

許可の取り消しと欠格要件

最近、建設業では何が原因で「許可取消」となっているのでしょうか。

こちらで調べています。

👉「建設業者の不正行為等に関する情報交換コラボレーションシステム:国土交通省

「営業所が確認できない」場合が多いのですが、これを除くと、ずばり「欠格要件」に該当したときが最も多くなっています。

ただ「欠格要件」と言われてもピンとこないですよね。

なので、まずはどんな場合に「許可取消」となったのかをざっくり見てみましょう。

 

許可取消の原因

建設業法違反などで罰金刑を受けた場合

許可取消で一番多いのは「一定の法令に違反して『罰金の刑』に処せられ・・・5年を経過しない者」という欠格要件に該当したときです。

一定の法令とは次のものをいいます。

 

これらの法令違反で「罰金刑」を受けた場合は許可取消となります。

 

  • 建設業法
  • 刑法(傷害、暴行、脅迫、背任、現場助勢、凶器準備集合)
  • 建築基準法
  • 宅地造成等規制法
  • 都市計画法
  • 景観法
  • 労働基準法
  • 労働者派遣法
  • 職業安定法
  • 暴力団対策法など

特に、傷害、暴行、脅迫事件で「罰金刑」を受けた場合が多いですね。

 

次に多いのが建設業法違反で「罰金刑」を受けた場合です。

建設業法違反の事例として次のようなものがあります。

  • 許可更新のとき専任技術者証明書などに虚偽記載をし、罰金50万円の略式命令を受け刑が確定

 

  • 虚偽の財務諸表(貸借対照表)を県に提出し、会社と代表取締役がそれぞれ罰金30万円の略式命令を受け刑が確定

 

他に、暴力団対策法違反に該当するケースもありました。

 

そして気を付けていただきたいのが労働者派遣法・職業安定法違反です。

いわゆる「偽装請負」で罰金刑を受ける場合です。

建設業では昔から「人工出し」と呼ばれる労働者の貸し借りがありますが、今では法令で禁止されています。

 

略式裁判で受けた罰金をすぐに払ったような場合、時間が経つとその事実をうっかり忘れることがあるのも事実です。

ですが、放っておくと許可の更新など何らかの手続きのときに発覚し、許可取消となることが多いです。

できるだけ早いタイミングで対策することが大事ではないかと・・・。

役員から外し従業員とすることで許可取消を回避できる場合もあります。

 

禁錮以上の刑が確定した場合

禁固以上の刑(禁錮・懲役・死刑)が確定した場合も欠格要件となり許可取消です。

 

こちらは「道路交通法違反」が最も多くなっています。

自動車による人身事故などで執行猶予付きの懲役刑を受けた場合が代表的です。

執行猶予がついていても欠格要件に該当します。

 

次に多いのが「法人税法違反・所得税法違反・消費税法違反等」の脱税などで懲役を受けた場合です。

 

そして最近多くなっているのが「覚せい剤や大麻取締法違反」ですね。

初犯であれば執行猶予がつくのでしょうが、欠格要件に該当します。

 

そのほかでは「窃盗」や「詐欺」で懲役を受けた場合もあります。

 

あと注意していただきたいのが「廃棄物処理法違反」です。

2011年の改正で元請業者が建設廃棄物の最終処分まで責任を負うことになってます。

「廃棄物処理法違反」は厳罰化されてますし、今の時代、建設廃棄物を甘く見てはいけませんね。

 

欠格要件の対象者は?

では、欠格要件の対象となるのはどんな人でしょうか?

①個人の場合

・事業主本人/支配人/令3条の使用人(支店長・営業所長など)

 

②会社の場合

・社長や専務などの取締役/顧問、相談役、株主(議決権が5%以上)/令3条の使用人(支店長・営業所長など)

※監査役や執行役員は対象外です。

 

代表者だけでなく他の取締役や支社長・営業所長などが欠格要件に該当すると許可取消となるので注意が必要です。

また、取締役からは外れたけど「顧問・相談役」の肩書きで社内に残っていたり、「株主」として会社の株を5%以上持っている場合も要注意です。

 

欠格要件に該当すると5年間許可申請できない

上記の理由で欠格要件に該当すると、違反した本人はその後5年間は許可の取得ができなくなります。

 

建設業法には次のように書かれています。

「・・・の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」に該当するときは許可してはならない。

 

それでは、これについていくつかポイントを解説します。

 

ポイント①:5年間はいつから始まる?

これは違反をした時ではなく、刑の執行が終わった日、つまり、刑期を終えた日から始まります。

ですから、仮に懲役3年を満期出所すると、3年プラス5年で8年間は許可の申請ができません。

 

ポイント②:仮釈放されたら短くなる?

仮釈放された場合も当初の刑期は変わらないので、満期出所と同じで8年間は許可申請できません。

 

ポイント③:執行猶予がついたらどうなる?

執行猶予がついた場合、執行猶予期間が満了すれば刑の言渡しが無かったことになります。

この場合は、執行猶予期間の満了の次の日から許可の申請を行うことができます。

 

ポイント④:罰金を受けた場合はいつから5年間?

罰金を納めたときから5年間です。

 

ブラックリストに載ると許可取消?

結論から言うと、ブラックリストに載ったことをもって許可取消とはなりません。

破産してブラックリストに載っても、裁判所から「免責」を受けていれば許可申請できます。

つまり、「免責」を受ける前の破産手続き中は欠格要件に該当するので注意が必要です。

 

もっとも怖い許可取消の欠格要件とは

欠格要件に許可の拒否事由と呼ばれるものがあります。

「許可申請書または添付書類中の重要な事項について、虚偽の記載または重要な事実の記載が欠けている場合」は許可を受けることができません。

 

つまり、許可申請書にウソを書いたり重要な事実を書かなかったりした場合は、「不許可」「許可取消」となります。

 

たとえば、A取締役が傷害事件を起こし略式で罰金を払ったのですが、数年が過ぎそのことも忘れていました。

そんな時に許可更新のタイミングとなり、申請書の「誓約書」や「略歴書」に欠格要件には該当しない旨を書いて提出しました。

しかし、これが虚偽記載といってウソの申請をしたと判断され、許可取消となってしまいます。

この場合、会社とその時のすべての取締役がその後5年間許可を取得できなくなります。

最も怖い許可取消です。

虚偽記載にならないよう十分注意してください。

 

<どうしておけば良かったのか・・・>

 

A取締役を取締役から外して申請しておけば問題ありませんでした。

 

A取締役は会社を辞める必要はなく、もし資格があれば専任技術者になることも可能です。

 

ぜひ、欠格要件の対象となる方に「欠格要件」に該当してないか確認を怠らないようにしましょう。

 

欠格要件にはどんなものがあるのか

それでは拒否事由以外の「欠格要件」にはどんなものがあるのか確認しておきましょう。

①成年被後見人および被保佐人または破産者で復権を得ない者

 

②不正に許可を受けたこと、または営業停止に違反して許可が取り消されて5年を経過しない者(許可の取り消しを免れるために廃業届を出したもの)

 

③許可の取消を免れるため廃業届を提出してから5年を経過しない者

 

④営業停止期間が満了しない者、営業禁止期間中の者

 

⑤禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から年を経過しない者

 

⑥建設業法または一定の法令違反で罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

 

⑦暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 

⑧暴力団員等がその事業活動を支配する者

なお、⑤~⑧までについては、許可申請のときに監督官庁が「地方検察庁・県警・市町村」に照会を行っています。

ご注意ください。

 

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

取締役などの対象者のうち1人でも欠格要件の該当者がいると、許可取消になってしまいます。

特に、新規や更新、業種追加、役員を追加する変更届などの手続きをするときには、対象者全員への確認が重要です。

欠格要件に該当する者がいるのに“いない”と書いてしまう(虚偽記載)と、会社とその時のすべての取締役がその後5年間許可申請できなくなります。

深刻な事態を招くことになりますので十分に注意してください。

もし少しでも不安があるのであれば、専門家である行政書士にぜひご相談ください。

 

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