建設業許可|業種の知識

建築工事業(建築一式工事)とは?必要な資格と許可要件|建設業許可

今回は、建築工事業(建築一式工事)について解説いたします。

この記事を読むことで、建築一式工事とはどんな工事?、建築工事業の許可を取るにはどんな資格や要件が必要?などの疑問が解消します。

また、資格や要件を証明するために、どんな書類が必要なのかも分かります。

 

もし、間違った業種を選択してしまうと、手間と時間と費用が余分にかかることになります。

また、無許可営業で処分される可能性が高くなってしまいます。

ですから、業種の選択はとにかく慎重に行いましょう。

もし、不安があるようでしたら、信頼できる専門家に相談するのがよいでしょう。

 

一式工事は、主に「元請業者の立場で」工事をマネジメントする場合を想定した業種です。

このことを頭の片隅に置いて、まずは一読ください。

 

建築工事業(建築一式工事)とは

建設業許可における「建築一式工事」(許可の種類は「建築工事業」です。)は、元請として大規模、複雑な工事をマネジメントする業種といえます。

「総合的な企画、指導、調整をもとに建築物を建設する工事」であって、複数の下請業者により施工される大規模かつ複雑な工事のことを言います。

 

「建築一式の許可がありゃあ、建築系の工事は何でもできるんじゃろ」

👆👆都市(大都会?)伝説です。引っかからないようにしましょう。

 

建築工事業の許可があっても、税込500万円以上の大工工事や内装工事などの専門工事のみを請け負うことはできないので注意してください。

くわしくはこちらを参考にしてください

👉一式工事の許可があればどんな工事でも受注できる?|建設業許可

 

また、建築一式工事で許可が必要となるのは、軽微な工事に該当しない次のケースです。

①請負金額が税込1,500万円以上の工事

②延べ面積が150㎡以上の木造住宅の工事

①②に当てはまらない規模の小さな工事は、建築工事業の許可がなくても受注できることになります。

軽微な工事はこちらを参考にしてください。

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

例示

具体的にはこんな工事が「建築一式工事」に該当します。

・(建築確認を必要とする)建物の新築工事、増改築工事、総合的な改修工事

・高層ビルやショッピングモールなどの解体工事

・建物の建替え工事を一体で請け負う場合(建替えの場合の解体工事も建築一式工事となる)

※岡山県の場合(岡山県『建設業許可の手引』を参照)

・建物の躯体(柱、梁などの建物本体の構造を支える部分)に変更を加える工事

・税込500万円以上の軽微ではない専門工事を2つ以上有機的に組み合わせた建築工事

例)700万円の電気工事+800万円の内装仕上工事

=1,500万円の1件のリフォーム工事・・・建築一式工事に該当

 

※各自治体で「建築確認が必要な工事」や「建築一式工事」についての考え方が異なります。

役所や専門家に確認しましょう。

 

業種区分を間違えやすい工事

・ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は「消防施設工事」ではなく、建築物の躯体の一部の工事として「建築一式工事」または「鋼構造物工事」に該当します。

・「リフォーム工事には建築一式の許可が必要なのでは?」と考える方が多いと思います。

しかし、リフォーム工事は、たいていの場合専門工事となり、建築一式工事には該当しません。

「建物の躯体に変更が加えられる工事」かどうかが一つの目安となります。

クロスの張替工事であれば「内装仕上工事」に、浴室の改修工事なら「管工事」になります。

なお、建築確認が必要な増改築工事については、「建築一式工事」となります。

 

建築工事業(建築一式工事)の許可を取るには

建設業の許可要件は、「経管(けいかん)」「誠実性」「欠格要件」「専任技術者」「財産的基礎」の5つです。

まずは、建築工事業(建築一式工事)を取るために必要な5つの要件を攻略する方法を確認しましょう。

 

経営業務の管理責任者(経管)

建築一式工事の経営経験は、原則「元請業者」での経験しか認められません。

1,500万円未満の建築一式工事または150㎡未満の木造住宅の工事など「軽微な工事」での経験は、通常、経管の経験としてカウントされませんので注意が必要です。

申請するのが法人であれば役員の1人が、個人であれば事業主本人か支配人が、次に該当することが要件です。

①建築工事業を営む会社の役員として5年以上の経営経験がある

 

②建築工事業を個人事業主(支配人)として5年以上経営した経験がある

 

③建築工事業以外の業種を営む会社の役員として6年以上の経営経験がある

 

④建築工事業以外の業種を個人事業主(支配人)として6年以上経営した経験がある

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可通知書のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明すします

くわしくはこちらをご覧ください

経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ👉

 

誠実性

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支社長、支店長や営業所長)が対象です。

請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが要件です。

くわしくはこちらをご覧ください

👉誠実性の要件について|建設業許可

 

欠格要件

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)、さらに5%以上の持分をもつ株主なども対象となります。

これらに該当すると許可されません。

・成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者

・不正に許可を受けたこと、または営業停止処分に違反したことにより許可取消後5年を経過しない者

・禁錮以上の刑または建設業法等の法令違反で罰金刑以上に処せられて5年を経過しない者

・暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

くわしくはこちらをご覧ください

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

 

専任技術者・財産的基礎

専任技術者と財産的基礎については、一般建設業と特定建設業のどちらであるかによって要件がかなり違ってきます。

まずは一般建設業から確認します。

なお、一般建設業と特定建設業についてはこちらで確認してください。

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

一般建設業の要件:建築工事業

専任技術者(一般建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①から④のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

・1級建築施工管理技士

・2級建築施工管理技士(建築)

・1級建築士

・2級建築士

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②指定学科の卒業+建築一式工事での実務経験

高校の指定学科を卒業したときは5年以上、大学・高専の指定学科を卒業したときは3年以上の実務経験が必要

※指定学科・・・建築学、都市工学に関する学科

👉「卒業証明書」と実務経験の確認資料で証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

 

④建築一式工事での実務経験が10年以上

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可申請書及び決算変更届のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎・金銭的信用(一般建設業)

次の①②のどちらかに該当することが要件です。

①自己資本(純資産合計)が500万円以上である

②500万円以上の資金調達能力がある

👉②は「500万円以上の金融機関の残高証明書」で証明します。

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

特定建設業の要件:建築工事業

専任技術者(特定建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①②のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている(この2つだけです)

・1級建築施工管理技士

・1級建築士

※建築工事業は、指定工事業7業種の1つです。

特定建設業で専任技術者になれるのは、上記の国家資格者だけです。

指導監督的実務経験では、建築工事業の特定建設業の専任技術者とはなれません。

 

②国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎・金銭的信用(特定建設業)

次のすべてに該当することが要件です。

①欠損の額が資本金の20%を超えないこと

②流動比率が75%以上であること

③資本金が2,000万円以上あること

④自己資本(純資産合計)が4,000万円以上あること

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可