建設業法の知識

建設業者のための新型コロナ対策(融資編)

※2020年5月2日時点での情報を掲載しております。新しい情報が発表されましたら、随時内容を更新いたします。

また、記事の内容には万全を期しておりますが、万一、この記事により損害等が生じた場合にも当事務所では責任を負いかねますので、予めご了承ください。

 

新型コロナウイルスの感染拡大により、国民生活に大きな影響が出ております。

われわれ建設業界にもさまざまな影響が出ているようです。

特効薬やワクチンの開発が待たれる中、この混乱が長引くことも予想されております。

 

これに対して、政府からは緊急経済対策としてさまざまな支援策が発表されています。

この記事では、建設業者が使える新型コロナウイルス支援策をご紹介します。

ぜひ活用していただき、この困難を共に乗り越えましょう。

 

まずは、当面の資金をしっかり確保することがなにより重要です。

今回は、支援策の中の資金繰り対策について確認します。

 

他の新型コロナ対策・支援策についてはこちらをご覧ください。

👉建設業者のための新型コロナ対策(会社の対応編)

👉建設業者のための新型コロナ対策(雇用調整助成金編)

👉建設業者のための新型コロナ対策(持続化給付金編)

 

2つの資金繰り支援策

それでは、資金繰り支援策を確認します。

大きく2つに分かれます。

①融資制度

②リスケ(条件変更)

まずは、①融資制度を確認しましょう。

 

融資制度

今回の資金繰り支援策のうち融資制度については、4つの大きなメリットがあります。

ⅰ)最長で5年間元本の返済が不要

ⅱ)金利負担が実質ゼロに(当初の3年間)

ⅲ)担保なしでの借り入れが可能

ⅳ)状況に応じて、複数回の利用が可能

※制度によっては対象とならないケースがあります。

どれも平常時には考えられない条件です。

ぜひ上手く活用してください。

 

融資制度の一覧表です。

経済産業省ホームページより引用

相談や申請の窓口ごとに分けて確認します。

赤わく・・・窓口が政府系金融機関のもの

(日本政策金融公庫・商工中金 )

青わく・・・窓口が民間金融機関(信用保証協会が保証)のもの

 

この中でも特に利用しやすい制度は、次の3つでしょうか。

・②新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)

・⑨セーフティネット4号(民間金融機関/信用保証協会)

・①セーフティネット5号(民間金融機関/信用保証協会)

順番に確認します。

 

新型コロナウイルス感染症特別貸付

融資の概要

こちらは、新型コロナの影響で、売上高が5%以上減少した場合に利用することができます。

ハードルが低いので条件に合う方が多いと思います。

おそらく一番利用される制度ですので、申込書類についても解説します。

 

融資の概要は以下のようになっています。

なお、公庫の融資は小規模企業向けの「国民生活事業」と、それ以外の「中小企業事業」に分かれています。

今回は、「国民生活事業」での解説としています。

日本政策金融公庫ホームページより引用

すでに公庫での借り入れがある場合でも、別枠で融資が受けられます。

運転資金であっても返済期間が15年、5年間は返済不要、無担保で3年間の利子補給があります。

危機の対応にふさわしい優れた条件がそろっております。

ぜひ検討されることをおすすめします。

融資の実行もスピード感をもってやってくれているようです。

※現在の時点では、令和2年度補正予算が国会を通過しておりません。特別利子補給制度については、国会審議の結果、内容が変更される場合があります。

利用条件の中に、「最近1か月の売上高」というのがあります。

たとえば、基準となる確認日が4月24日の場合、①3月1日から31日までのの1か月の売上か、②3月24日から4月23日までの売上合計のどちらでも大丈夫です。

また、この数か月間に公庫から融資を受けている場合でも、再度融資を受けることができるようです。

ぜひ、お近くの公庫でご相談ください。

👉新型コロナウイルス感染症特別貸付等に関するQ&A:日本政策金融公庫

👉店舗案内:日本政策金融公庫

 

申込手続き

申込手続きは、現在基本的には郵送となっています。

インターネットでの申込もできます。👉事業資金 お申込受付(新型コロナウイルス感染症特別貸付専用)

申込後、公庫での面談があり、融資の決定という流れになります。

①申込

②公庫での面談

③融資の決定

次に申込時に提出する書類を確認しましょう。

通常の場合とくらべると、かなり簡素化されています。

①借入申込書

 

融資の希望額である「お申込金額」には、余裕を持った金額を記入しておいてください。

コロナ終息まで長い戦いが予想されます。

まずは資金の確保が重要です。

 

②売上減少の申告書

こちらも今年と去年の売上の数字を記入するだけです。

面談時に帳簿などの確認を求められますので、数字が一致するように記入します。

 

⑤ご商売の概要(お客さまの自己申告書)

こちらの書類は、可能な限りくわしく記入しましょう。

特に、「3 お借入の状況」にはもれなく記入するようにしてください。

 

他に必要な書類は次の通りです。

③直近2期分の確定申告書・決算書・勘定科目内訳書のコピー

④登記事項証明書(履歴事項全部証明書)

⑥代表者の運転免許証のコピー

⑦建設業許可通知書のコピー

※設備資金の場合は、見積書などの添付が必要です。

詳細はこちらをご覧ください。👉新型コロナウイルス感染症特別貸付

 

セーフティーネット保証4号・5号

次にセーフティネット保証をご紹介します。

この制度も、すでに受けている保証協会の一般保証枠での融資とは別枠(セーフティネット保証枠)の扱いとなります。

こちらの制度は、民間金融機関が窓口となり、保証協会が保証することで行われます。

つまり取引のある銀行、信金、信組に相談して融資を受けることになります。

ですから、融資の手続きは担当者の方にお願いすることになります。

その際、市区町村から認定を受けて認定申請書を添付することになります。

 

セーフティネット保証には、4号と5号があります。

売上が前年同月比で20%以上減少の場合は、セーフティネット保証4号が使えます。

全都道府県が対象で、100%保証協会が保証してくれます。

要件を満たせば、保証料と金利(当初3年間)がゼロになります。

一方、セーフティネット保証5号は、売上が前年同月比で5%以上減少した場合に利用できます。

こちらの制度は、指定された業種のみが対象です。

※(5/2追記)5号保証は、対象が全業種に拡大されました。

建設業者もすべての事業者が対象となっています。

 

保証協会が80%、窓口の金融機関が20%保証することになります。

 

その他の融資制度

建設業者が使えるその他の融資制度としては、次のものがあります。

<政府系金融機関>

ⅰ)新型コロナウイルス対策マル経融資

ⅱ)商工中金による危機対応融資

 

<民間金融機関/保証協会>

ⅲ)危機関連保証

 

新型コロナウイルス対策マル経融資

マル経融資は、窓口が地域の商工会議所、商工会、都道府県商工会連合会となります。

商工会議所などの経営指導を6か月程度受けることが必要です。

ですから、すでにマル経融資を受けている方が、別枠として利用することが想定されます。

売上が5%以上減少した場合に利用できます。

運転資金は7年以内、返済据え置き期間が3年、無担保で金利ゼロが3年間となっています。

詳細はこちらをご覧ください。👉新型コロナウイルス対策マル経融資

 

商工中金による危機対応融資

こちらは、普段から商工中金の利用がある方の別枠(危機関連保証枠)という位置付けになると思います。

売上が前年同月比で15%以上減少した場合に利用できます。

設備20年、運転15年、うち据え置きが5年以内、金利ゼロ(3年間)となっています。

 

くわしくはこちらをご覧ください。👉商工中金:新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口

 

危機関連保証

こちらは。保証協会による保証で、セーフティネット保証枠とは別枠(危機関連保証枠)で確保されます。

取引のある金融機関が窓口となります。

売上が前年同月比で15%以上減少した場合に利用できます。

 

リスケ(条件変更)

新型コロナ特例リスケジュール

ここまでは融資制度について確認してきました。

最後に、緊急対策としてのリスケジュール(特例リスケ)について解説します。

 

まずは、上記の融資制度を利用して、できるだけ資金を確保してください。

それでも返済がむずかしい場合に、この特例リスケをご検討ください。

 

すでに受けた融資について、返済が難しい場合には、返済の猶予などの条件変更を受けることができます。

中小企業再生支援協議会(国の機関)が中心となり、各金融機関との調整を行ってくれます。

その上で、1年間の返済猶予を受けることが可能となります。

希望すれば、特例リスケ後も再生支援を受けることができます。

 

※(5/2追記)民間金融機関の無利子・無担保を開始

民間金融機関での実質無利子・無担保・据置最大5年・保証料減免の融資の開始

補正予算が成立したことを受け、5月1日より、各都道府県等にて順次本制度が開始されます。

 

資金繰り支援をさらに徹底するため、

①実質無利子・無担保・据置最大5年の融資について、民間金融機関にも対象が拡大されます。

②あわせて、信用保証料が半額又はゼロとなります。

③また、民間金融機関の信用保証付きの既に受けている債務について、実質無利子融資への借換えが可能となるようです。

これにより事業者の金利負担や返済負担を軽減するとのことです。

これらの支援策については、金融機関を窓口としてワンストップで行われます。

効率的、迅速に各種手続きを行うことで、迅速な融資実行を推進するとのことです。

ゴールデンウイーク期間中も相談できるそうですので、ぜひ金融機関にご相談ください。

 

では、制度の概要を確認しておきます。

 

対象者の要件

以下の売上減少の要件を満たし、セーフティネット保証4号・5号または危機関連保証のいずれかの認定を受けていること

売上高▲5% 売上高▲15%
個人事業主(フリーランスを含む、小規模のみ) 保証料・金利ゼロ
小・中規模事業者(上記を除く) 保証料1/2 保証料・金利ゼロ

※セーフティネット保証5号の業種については、5月1日をもって全業種を指定

 

その他の要件

据置期間・・・最大5年・無担保(経営者保証は原則求められません)

融資上限額・・・3,000万円

補助期間・・・保証料は全融資期間、利子補給は当初3年間

 

セーフティネット保証・危機関連保証における認定書の有効期限延長

令和2年1月29日から7月31日までに市町村の認定を取得した事業者は、認定書の有効期限が令和2年8月31日まで延長されます。

このあたりは、窓口である民間金融機関が代行してやることになっています。

今回窓口とした金融機関にご相談、ご確認ください。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染症に対する緊急経済対策のうち、資金繰りに関して確認しました。

 

起業が立ち行かなくなる最大の原因は、お金が枯渇することです。

儲けているかどうかが直接の原因になることはありません。

売上金というお金が入ってこなくなるのでどうしようもなくなるのです。

黒字倒産というのは、まさにそのことを意味しています。

 

ですから、まずは潤沢に資金を確保することです。

多少借りすぎていても問題ありません。

というよりも、このタイミングではそのぐらいの資金を確保することが大事です。

 

政府もそのための支援策を打ち出してくれています。

手遅れにならないようできるだけ早く対策することをおすすめします。

そして、この難局をみんなで乗り越えましょう。

 

他の新型コロナ対策・支援策はこちらをご覧ください。

👉建設業者のための新型コロナ対策(会社の対応編)

👉建設業者のための新型コロナ対策(雇用調整助成金編)

👉建設業者のための新型コロナ対策(持続化給付金編)

 

建設業許可について解説しています。

ぜひご覧ください。

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