建設業許可|取るための知識

建設業許可とは?その全体像をすごくわかりやすく解説

ひょっとするとあなたは、建設業許可について、つい最近調べ始めたばかりではないでしょうか?

それとも、一通り調べてみたけどもう一度全体像を確認しておきたいと考えているのかもしれません。

いずれにしても、「自分は建設業許可を取ることができるのか?」がハッキリしない状況だと思います。

 

この記事では、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすく丁寧に建設業許可の全体像について説明しています。

初心者の方でもさらさら読めることを目標に書いてみました。

内容は、建設業許可のメリットから始まり、許可の種類や業種、6つの許可要件、さらに、許可後の手続きにも触れています。

この記事を読めば「あなたが建設業許可を取れるのか?」という疑問に対する1つの答えが出るはずです。

 

ただし、「無理!」となった場合でもあきらめないでください。

裏技でもないですが、許可にたどり着くための様々なテクニックが実際にあります。

許可を断念する前に、一度は専門家である行政書士にぜひ相談してみてください。

許可取得につながる可能性は十分にあるはずです。

※2020年(令和2年)10月の法改正にバッチリ対応しています。

 

建設業許可が必要となる場合

建設業許可が必要となるのは、一定規模以上の建設工事を請け負う営業を行う場合です。

許可が必要な「一定規模以上の建設工事」とは、以下のものをいいます。

・建築一式工事・・・①税込1,500万円以上の工事、または②延べ面積150㎡以上の木造住宅工事

 

・その他の工事・・・税込500万円以上の工事

 

※500万円以上にならないように契約を2つに分けたり、材料代を別計算しても、合計金額で判断されます。

これに当てはまらない小規模な工事を「軽微な工事」といいますが、軽微な工事の受注には許可は要りません。

 

また、一見建設工事のように見えて、実は、建設工事に該当しないものがあります。

草刈りや樹木のせん定、機械設備の保守・点検・部品の交換、建売住宅の販売、警備などは建設工事ではないんですね。

軽微な工事や建設工事に該当しないものについて、こちらでくわしく解説しています。

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

建設業許可を取るメリットとは?

規模の大きな工事を受注する以外にも、許可を取得するメリットがいろいろあります。

ⅰ)社会的信用の向上

・・・「許可業者なら安心して任せられる」という信頼感

 

ⅱ)銀行からの信用度のアップ

・・・融資を受けやすくなる

 

ⅲ)元請業者との関係強化

・・・許可業者でないと下請けとして仕事がもらえない傾向にある

 

ⅳ)公共工事への参入

・・・入札に参加するには”経審(経営事項審査)”を受ける必要があり、許可業者しか経審を受けられない

対してデメリットとしては、許可取得に手間と費用がかかったり、許可取得後に種々の手続きが必要になることぐらいです。

大きなメリットに比べると、デメリットはそれほどでもないと言えますね。

👉まず最初に読みたい建設業許可のメリット・デメリット

 

許可取得に動き出す前に3つのことを決めましょう

許可取得に動き出す前に、

①大規模な工事の受注を目指しますか?

 

②複数の都道府県に営業拠点を持ちたいですか?

 

③許可を受ける業種はどれにしますか?

この3つをどうするのか決めておいた方がいいでしょう。

 

①大規模な工事の受注を目指しますか?

建設業許可では、「受注できる工事の規模」によって2種類の許可があります。

「一般建設業の許可」と「特定建設業の許可」の2つです。

工事の規模は、請負金額で決めるのではなく、元請業者として一工事に下請けに出す額の総額によって判断します。

・一般建設業・・・合計で4,000万円(建築一式工事は6,000万円)未満までしか下請けに出せません

 

・特定建設業・・・制限なし

つまり、大規模な工事の受注を目指すのであれば「特定建設業の許可」が必要となります。

新規に許可を取得されるほとんどの方が「一般建設業の許可」を取得します。

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

②複数の都道府県に営業拠点を持ちたいですか?

建設業を営む場合、「営業所」を置かなくてはなりません。

建設業許可の「営業所」とは、建設業を営む常設の事務所で、見積りや契約などの業務を常時行う場所のことです。

この営業所を1つの都道府県にのみ置くか、それとも複数の都道府県に置くかで、次の2つに分かれます。

・知事許可・・・同一の都道府県内にのみ営業所を置く場合

 

・大臣許可・・・複数の都道府県に営業所を置く場合

「岡山県知事許可」の業者であっても、全国各地で工事を施工することができます。

あくまでも、工事の契約などを岡山県内の営業所で行う必要があるということです。

※この場合、岡山県内にいくつ営業所があっても「岡山県知事許可」で営業できます。

 

こちらはほとんどの方が「知事許可」を選択します。

👉知事許可と大臣許可はどう違うのか|建設業許可

 

③許可を受ける業種はどれにしますか?

建設業の許可は、その業種ごとに取得することになっています。

つまり、業種ごとの許可要件を満たさなくてはなりません。

 

許可業種は、全部で29種類に分かれています。

2種類の「一式工事」と27種類の「専門工事」に分かれます。

【一式工事(2種類)】

土木工事業

(土木一式工事)

建築工事業

(建築一式工事)

 

【専門工事(27種類)】

大工工事業 左官工事業 とび・土工工事業
石工事業 屋根工事業 電気工事業
管工事業 タイル・れんが・ブロック工事業 鋼構造物工事業
鉄筋工事業 舗装工事業 しゅんせつ工事業
板金工事業 ガラス工事業 塗装工事業
防水工事業 内装仕上工事業 機械器具設置工事業
熱絶縁工事業 電気通信工事業 造園工事業
さく井工事業 建具工事業 水道施設工事業
消防施設工事業 清掃施設工事業 解体工事業

実際に手掛けている業種やこれからやってみたい業種、関連する業種など取れるものはすべて取る勢いでいきましょう。

もちろん、複数の許可業種を一度に取ることができます。

ただ注意したいのは、業種の選択を慎重に行い、ゼッタイに間違わないことです。

あなたがやりたい工事と取得した業種がミスマッチの場合、無許可営業で処分や罰則を受ける可能性があります。

くわしくはこちらで確認しましょう。

👉建設業許可の29業種をわかりやすく解説

👉許可業種を選ぶポイントは?|建設業許可

 

建設業許可の6つの要件

では、次に建設業許可を取得するためにクリアすべき6つの許可要件を確認します。

上で説明したとおり、新規で許可を取得される場合、ほとんどの方が「一般建設業」となります。

この記事では、「一般建設業」での許可要件を見ていくことにします。

①経営業務の管理責任者(経管:けいかん)

 

②社会保険への加入

 

③専任技術者(専技:せんぎ)

 

④財産的基礎(財産要件)

 

⑤誠実性の要件

 

⑥欠格要件

※特に①経管、③専技、④財産的基礎が重要です。

 

①経営業務の管理責任者(経営能力の要件)

「経営業務の管理責任者」と呼ばれる要件は、許可業者の中に”建設業についての経営のプロ”を置いてくださいという要件です。

つまり、建設業などでの十分な経営経験を持つ人しかなれません。

この要件はとても難易度が高く、多くの方が頭を悩ませていますね。

※この要件は、令和2年10月から法改正により内容が変更されています。

もちろん、変更後の要件をサクッと解説しています。

 

経営業務の管理責任者になるには、2つのパターンがあります。

【A 「常勤役員」のみ】

常勤役員のうち1人が、次のどれかに該当していること

・建設業での5年以上の経営経験を持っている

 

・建設業での経営業務の管理責任者に準じた地位での5年以上の経営経験を持っている

 

・建設業での6年以上の経営業務の管理責任者を補助した経験を持っている

※こちらは従前の要件に近いものとなっています。

従前との違いは、業種ごとの判断がなくなり、建設業での経営経験が5年以上あれば全業種で経管になれることです。

 

【B 「常勤役員」 + 「常勤役員を直接補佐する者」】

アの「常勤役員」とイの「常勤役員を直接補佐する者」とがセットで揃うと経管が認められます。

ア 「常勤役員」のうち1人が、以下のどちらかに該当していること

・建設業での2年以上の役員経験があって、かつ、5年以上役員や役員に次ぐ地位での経験を持っている

 

・建設業での2年以上の役員経験があり、かつ、5年以上の役員経験を持っている

つまり、建設業での役員経験が2年あれば、残りの3年は建設業以外の役員などの経験でOKということです。

イ 「常勤役員を直接補佐する者」として、次の者をそれぞれ置くこと

・財務管理の経験を持つ者

 

・労務管理の経験を持つ者

 

・運営業務の経験を持つ者

なお、これらの経験は、許可申請を行う建設業者における5年以上のそれぞれの経験をいいます。

※1人が複数の経験を兼ねることができます。

 

そして、A,Bどちらのパターンであっても、これを証明するための書類を年数分揃える必要があります。

(書類を揃えるのがたいへんなんです!)

くわしくはこちらで確認ください。

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

👉経営業務の管理責任者に必要な確認資料|建設業許可

 

②社会保険への加入

法改正により2020年(令和2年)10月から新たな要件として加わりました。

・健康保険

・厚生年金保険

・雇用保険

この3つの社会保険に加入していることが、建設業許可の要件となりました。

 

③専任技術者(技術力の要件)

許可業者には一定水準の建設技術が求められます。

これを支えるのが”技術のプロ”である、営業所ごとに置かれる専任技術者です。

専任技術者には、許可業種ごとに一定の資格や経験が必要です。

 

専任技術者になるには、ア~エのどれかをクリアする必要があります。

ア 国家資格等の取得

施工管理技士・建築士・技術士・1級電気工事士などは、資格さえあれば専任技術者になれます。

一方、技能士・2級電気工事士などでは、資格取得後に一定の実務経験が必要です。

安全衛生に関する技能講習などの資格は対象とされていません。

専任技術者になれる国家資格等はこちらを確認ください。

👉営業所専任技術者となり得る国家資格等一覧:国土交通省

 

イ その業種で10年以上の実務経験

国家資格などがなくても、許可を取りたい業種で10年以上の実務経験があれば専任技術者になれます。

 

ただし、実務経験を証明する契約書などと経験先の事業者の証明印が必要です。

(10年分の書類を集めるのはホントにたいへんです・・・)

 

ウ 高校や大学などの指定学科を卒業後、一定の実務経験を持つ

・高校の指定学科を卒業の場合、5年以上の実務経験が必要です

 

・大学の指定学科を卒業の場合、3年以上の実務経験が必要です

※指定学科はこちらで確認できます。

👉指定学科一覧:国土交通省

建設業に関連ある学科であれば対象となる可能性がありますので、「履修科目証明書」を役所に持参して確認しましょう。

 

エ 国土交通大臣の認定

海外での学歴、資格、実務経験がある場合に、国土交通大臣の認定を受けることができます。

くわしくはこちらで確認できます。

👉建設業に関する外国での経験等を有する者の認定について(大臣認定):国土交通省

 

④財産的基礎(財産要件)

工事を施工し建設会社を維持するためには、多額の資金が必要です。

一般建設業では500万円以上の工事が扱えるので、500万円以上の財産的な裏付けが求められます。

以下のどちらかを満たせば、財産的基礎または金銭的信用を有していると認められます。

ア 500万円以上の自己資本があること

※自己資本 = 貸借対照表の純資産の額

 

イ 500万円以上の資金調達能力があること

※預金残高が500万円以上あればOKです(銀行の残高証明書が必要)

👉建設業許可の財産的基礎(財産要件)とは|建設業許可

 

⑤誠実性の要件

誠実性の要件は、不正または不誠実な行為を行う者を建設業者から排除するための仕組みです。

会社の役員や営業所長、個人事業主などが対象となります。

暴力団の構成員である場合や、建設工事の請負契約で不正または不誠実な行為をするおそれがある場合は許可されません。

・不正な行為・・・詐欺や脅迫、横領などの法律に違反する行為

 

・不誠実な行為・・・工事内容や工期などについて請負契約に違反する行為

👉誠実性の要件について|建設業許可

 

⑥欠格要件

法人の役員や個人事業主、営業所長や支店長などが以下に該当する場合は、許可を受けることができません。

・申請書にウソを記載したり、重要な事実を隠したとき

・破産手続中のとき(破産手続が完了し復権を得た場合を除く)

・精神の障害により建設業を適正に営業できない者

 

・不正な手段により許可を受けた者

 

・禁固以上の刑を受けた者

 

・建設業法違反や刑法(傷害、暴行、脅迫、背任など)などの罪で罰金刑を受けた者

 

・暴力団員 など

※ブラックリストに載っていても破産手続きが完了し免責を受けていれば、許可を受けることができます。

執行猶予中は、許可を受けることができません。

 

許可を取った後はどうなる?

許可は取ってしまえばおしまい、というわけにはいかないんです。

様々な手続きや守るべき義務があって、違反すると最悪は許可を失うことになります。

 

許可取得後に必要な手続き

許可の更新

建設業許可の有効期間は、許可日から5年間です。

5年ごとに更新の申請手続きを行いましょう。

 

決算変更届(事業年度終了報告)

毎年、決算日から4か月以内に「決算変更届」(岡山県では「事業年度終了報告」と呼びます)を提出します。

決算変更届が提出されていないと、上記の「許可の更新」が受けられないので要注意です。

 

その他の変更届

商号、資本金、役員、営業所の所在地、経管、専技などに変更があるときは、期限内に「変更届」を提出します。

これらの変更届も未提出の場合は、「許可の更新」が受けられません。

「経管」や「専技」の変更は、変更後2週間以内の提出が求められるため、特に注意が必要です。

 

許可業者の義務

許可が取れたら、まずは営業所に「標識を掲示」する義務があります。

そのほか、「技術者の配置義務」「一括下請負(丸投げ)の禁止」などがあり、違反すると監督処分や罰則を受けることがあります。

👉建設業許可票(標識)の掲示は義務?|建設業許可

👉主任技術者と監理技術者の違い|建設業法

👉その工事、丸投げ(一括下請負)になってませんか?|建設業法

 

許可取消には要注意

「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」は、許可の要件でしたよね。

つまり、これらの人を1日でも欠くことになると、即、許可を失うことになります。

退職や死亡の場合はもちろんですが、病気や事故で長期入院となる場合も「欠く」状態とみなされます。

経管や専技の要件を複数の役員などがクリアできている状態を理想としてください。

 

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

あなたが現状で許可取得できるかどうかわかりましたか?

「自信を持って判断できた」という方のほうが少ないのではないでしょうか。

それほど「建設業許可」は、わかりにくく複雑な許認可です。

 

さらに、実際に許可申請を行う段階では、要件がクリアできていることを各種の書類で証明することになります。

また、たくさんの申請書類を作成することにもなります。

膨大な書類の準備が必要です。

 

「これなら許可の可能性はあるじゃろう」という手ごたえを感じられた方もそうでない方も、

十分な時間がある場合を除いて、ぜひ一度、専門家である行政書士に相談することをおすすめします。

自分でやろうとすると、余計な時間がどうしても掛かってしまいます。

貴重な時間は、もっと大事なところ、つまり、建設業を成功させるための準備にぜひ使ってください。

 

建設業許可を取ることを決意したあなたが、できる限り早く確実に許可を手にされることを願っています。

 

建設業許可の申請方法についてくわしく知りたい方は、こちらを参考にしてください。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉広島県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉兵庫県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド