建設業許可|取った後の手続き

許可の有効期限と更新申請について|建設業許可

建設業許可は、一度取ってしまえば後はほったらかしでいい、というものではありません。

定期的に更新の手続きをしないと、許可を維持することができません。

手続きをせず更新の期限を1日でも過ぎると、許可は失効します。

その後は無許可となりますので、税込500万円未満の軽微な工事しか受注できなくなります。

軽微な工事のくわしい解説はこちら

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

取引先や金融機関に対する影響は計り知れません。

許可の更新は、建設業の許可業者にとって、とても重要な手続きの1つであるといえます。

 

今回は、許可の更新について、申請書類を作成する前に知っておきたいポイントを確認します。

許可をなくさないために、まずは許可の有効期限の注意点をつかんでください。

そして、更新の申請を受け付けてもらうために、やっておくべき届出などをしっかり把握しましょう。

 

建設業の許可業者としては、許可がなければ始まりません。

大事な許可を確実に守るために、欠かせない必要な知識です。

では、気合いを入れて確認しましょう。

 

建設業許可について、ほかにもいろいろ解説しています。

ぜひ、合わせてご覧ください。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉建設業法の処分・罰則を理解する完全ガイド

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

建設業許可の有効期限と更新

建設業許可は、定期的にその更新をしなければ維持することができません。

更新せずに許可の有効期限が過ぎてしまうと、建設業許可は効力を失います。

そのようなことにならないように、許可の更新のしくみを確実に理解しておきましょう。

 

許可の有効期間

建設業許可の有効期間は、許可を取得した日から5年間です。

ですから建設業の許可業者は、5年ごとに更新を行わなければなりません。

たとえば、許可取得日が令和2年4月1日の場合、この日から令和7年3月31日までが有効期間となります。

注意したいのは、有効期間の末日が日曜や祝祭日などの場合です。

役所が休業の日であっても、その日をもって満了することになります。

 

更新申請の受付期間

では、建設業許可の更新申請は、いつからいつまで行うことができるのでしょうか。

知事許可は都道府県によって変わってきますが、おおむね次のとおり申請の受付期間が決められています。

知事許可(岡山県)・・・有効期限が満了する日の3か月前から30日前まで

大臣許可・・・有効期限が満了する日の3か月前から30日前まで

※東京都の場合は、2か月前にならないと受け付けてもらえません。

更新の案内のハガキが届きますので、早めに準備しておきましょう。

 

更新申請の期限30日前を過ぎたとき

上記のとおり、受付期間は有効期限の30日前までと決まっています。

ですが、許可満了日の30日前を過ぎてしまっても、有効期限までは更新申請を行うことができます。

ただし、受付期間を過ぎると、始末書の提出などが求められるなど、いいことは1つもありません。

受付期間内に更新申請書類の受付が終わるようにしましょう。

 

更新の審査中に有効期間が過ぎたとき

許可満了日の30日前を過ぎて更新申請をすると、審査中に有効期限を過ぎてしまいます。

この場合、審査が終了するまでは、従前の許可は有効とされます。

無許可にはなりません。

この間に、工事を受注した場合でも、問題なく工事を行うことができます。

そしてその後に更新が許可されたときは、前の許可の有効期限の翌日から5年間がつぎの有効期間となります。

 

更新せずに有効期限が過ぎたとき

更新申請をすることなく有効期限を過ぎると、建設業許可はただちに失効します。

理由はどうであれ、無許可業者となります。

その結果、税込500万円未満の軽微な工事しか受注できなくなります。

この場合、あらためて新規の手続きで建設業許可を再取得しなければならないということです。

そして、次のような問題が生じます。

・新規の許可申請において、財産的基礎(金銭的信用)の要件を新たにクリアする必要がある。

※一般建設業においては、更新時には自己資本が500万円以上でなくても大丈夫です。

くわしくはこちらをどうぞ

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

・申請手数料が、更新であれば5万円で済みますが新規ですと9万円必要で、また、行政書士に支払う報酬も新規の場合は高額となります。

 

・許可番号が変わるため、工事の発注者や金融機関などの取引先からの信用が低下する可能性があります。

許可を失った場合、営業活動に少なからず影響をおよぼすことになります。

スケジュール管理を徹底して、更新もれがないようにしてください。

 

建設業許可の更新ができないケース

許可の更新期限までの5年間に、次のようなことはなかったでしょうか?

・経営業務の管理責任者や専任技術者、支店長や営業所長に変更や異動があった

 

・本社や営業所を移動・新設・廃止した

 

・役員が死亡・退職した、または役員の変更を行った

 

・増資した(または減資した)

 

・株の持分に異動があった(株主の構成が変わった)

 

・決算変更届をいつまで出していたか思い出せない

この中でもし該当することがあれば、これらについては変更届の提出が必要となります。

であるにもかかわらず変更届の提出をしていなかった場合、許可の更新ができなくなります。

ここからは、更新に欠かせない特に注意していただきたい5つのポイントについて確認しましょう。

 

決算変更届は毎年提出しているか

許可業者は、毎年、事業年度終了後4か月以内に、決算変更届(事業年度終了報告)を提出する必要があります。

もし1年でも提出していなければ、許可の更新は受け付けてもらえません。

また、期限後に提出した場合、始末書の提出や期限後に提出した履歴が残り、度重なると監督処分を受けることになります。

そして、決算変更届に未提出がある場合、更新の前にそのすべてを提出しなければなりません。

更新期限が迫っているさなかに未提出が発覚しても、手遅れになる可能性があります。

必ず毎年提出するようにしましょう。

決算変更届についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ

👉決算変更届(決算報告)とは|建設業許可

 

経管・専技の常勤性について

建設業許可の要件に、経営業務の管理責任者(経管)と専任技術者(専技)があります。

それぞれこちらでくわしく解説しています。ぜひご覧ください。

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

経管には本社等での常勤が、専任技術者には営業所での専任が求められています。

許可の有効期間のあいだ、常勤や専任の状態であったかどうかを、更新申請のときにチェックされます。

チェックのため具体的には、健康保険証などの原本提示が求められます。

経管と専技の存在は許可の重要な要件であって、交代などにより1日でも空白ができると許可が失効します。

経管と専技が不在とならないようにすることがとても重要です。

そして、そのことが証明できる資料を準備しておく必要があります。

経管と専技の交代時の手続きについて解説していますので、あわせてご覧ください。

👉経営業務の管理責任者を変更する手続き|建設業許可

👉専任技術者を変更する手続き|建設業許可

 

くれぐれも経管や専技が不在となったのに届出をせず、更新の時までに後釜を用意して更新申請するようなことはやめておきましょう。

悪質だと判断されると、最悪の場合、許可取消のうえ会社と全役員が5年間許可取得できなくなることがあります。

やむなく不在となった場合は、いったん廃業したうえで許可の再取得をするようにしましょう。

 

社会保険への加入状況

法人や個人で5人以上の常用労働者を雇う建設業者は、社会保険や労働保険に加入しなければなりません。

しかし、社会保険への加入は、建設業許可の要件ではありません。

社会保険に未加入であったとしても、建設業の許可や更新を受けることはできます。

しかし、新規や更新の申請時に未加入であれば、きびしい指導を受けることになります。

未加入のままだと、国や都道府県から監督処分を受けることがあります。

また、社会保険の関係部局に通報され、強制的な加入措置を受けることにつながります。

国土交通省は、少し前から建設業の許可業者に対し、必死になって社会保険に加入させようとしています。

建設業に若い人が集まらない原因の1つが、社会保険への未加入問題であると考えています。

許可業者にとって社会保険への加入は避けられないものになってきています。

※2020年秋の改正で、社会保険への加入が許可の要件になることが閣議決定されています。

 

営業所の移転・新設・廃止

営業所の場所を移転していたり、名称の変更や業種の廃止などがあった場合、変更届が提出されていないと許可の更新ができません。

また、営業所の新設や廃止の場合も同じです。

本店を移転したときは、登記が必要となるので変更届も忘れることは少ないと思います。

ですから、本店以外の営業所に何か動きがあったときは要注意です。

かならず変更届を提出しておきましょう。

これらの変更届は、変更後30日以内に提出する必要があります。

忘れやすい変更届ですので気を付けましょう。

 

会社の登記事項の変更

法人の場合、登記事項に変更があったときに変更届を提出しておかなければ、やはり許可の更新はできません。

つぎの3つの登記事項に変更があったときは、変更届を忘れずに提出しましょう。

・商号の変更

・資本金の変更(増資や減資をしたとき)

・役員の変更や役員の氏名の変更、役員の就任や退任

こちらも変更後30日以内に変更届を提出します。

 

取締役の重任登記をお忘れなく

株式会社の場合、役員には任期があります。

取締役は、原則2年ですが、定款で最長10年にすることができます。

任期満了にともない取締役が再任されたときは、重任登記というものが必要です。

任期が長いとうっかりして忘れやすい会社登記です。

建設業許可の更新を受けるときにこの重任登記が済んでいないと、申請を受け付けてもらえません。

重任登記がされているかどうかは、登記事項証明書を確認すればすぐにわかります。

更新前に慌てることがないように、しっかりと確認し、重任登記を完了させておきましょう。

参考に、履歴事項全部証明書を貼っておきます。

 

まとめ

繰り返しますが、建設業許可における更新の手続きは非常に重要なものです。

厳しい要件をクリアし、やっとの思いで手にした建設業許可です。

この許可が失われることのないように、しっかりと準備し更新を受けたいところです。

そのためにも、次の3つのことを必ず実践しましょう。

①許可の有効期間と更新の受付期間を十分に理解し、計画的に更新の手続きを進めてください。

②許可の要件のうち、次の4つをクリアし続けてください。

ア 経営業務の管理責任者

イ 営業所の専任技術者

ウ 誠実性

エ 欠格要件に該当しないこと

③毎年の決算変更届、その他の変更届を期限内に手続きすること

 

少し不安があるようでしたら、役所や行政書士に必ず相談するようにしましょう。

手続きには正確な知識が必要です。

また、それぞれ期限が決められていて、1日でも過ぎると救済されないこともあります。

十分にご注意ください。

 

建設業許可について、ほかにもいろいろくわしい解説をしています。

ぜひ、目を通してみてください。

👉兵庫県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

👉誠実性の要件について|建設業許可

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意