建設業法の知識

建設業許可・経審のオンライン(電子)申請 22年度スタート

建設業許可や経営事項審査(経審)について、オンライン申請(電子申請)が開始します。

国土交通省は、2022年度(令和4年度)からスタートさせるべく準備を進めています。

 

そもそも、建設業許可/経審のオンライン化(電子化)は、建設業界の高齢化対策として、若者や女性の参入を促すために考えられました。

課題克服のため「働き方改革」「生産性の向上」「良質な建設サービスの提供」「地域力の強化」という4つの政策を推進することになったんですね。

この中の「生産性の向上」の一環として、「オンライン申請の推進」と「書類の簡素化」が掲げられました。

しかし、これに加えて、新型コロナ禍を受け、非対面の手続きにより企業と行政庁の双方の事務負担を軽減するとの観点からも、電子化システムの構築が急がれることとなっています。

 

この記事では、建設業許可/経審のオンライン申請と書類の簡素化について、最新情報をわかりやすく解説します。

ぜひご一読ください。

 

建設業許可/経審のオンライン申請

オンライン化されるとどうなるのか?

国土交通省は、電子申請システムについて、2020年度(令和2年度)から調査・検討を本格化しています。

2021年度(令和3年度)には、利便性向上のため「公的システムとの連携」と「民間システムとの連携」する仕組みの開発を行います。

そして、2022年度(令和4年度)の運用開始を目指しています。

 

では、具体的にどのように効率化、合理化されるのでしょうか?

①公的システムとの連携

許可/経審の申請時には、「納税証明書」や「登記簿謄本」、「健康保険標準報酬決定通知書」などの公的な書類を添付します。

 

これまでは、国税庁、法務省、厚生労働省や各自治体などから、申請者が自分で取得して提出していました。

 

そこで、許可/経審システムと国税・社会保険・法人登記などの各システムとの間で「バックヤード連携」を図ろうとしています。

これにより、審査側が直接申請者の情報を確認できるようになります。

申請者側では、公的書類の添付が必要なくなるということです。

 

また、許可/経審のデータ処理、管理を行っている「建設業情報管理システム(CIIS8)」に蓄積された情報ともアプリケーションを活用するなどして、手続きの合理化方法を検討するとのことです。

これが実現すれば、申請者にとってはかなりの負担軽減になりますね。

 

②民間システムとの連携

さらに、民間システムとの連携として、次のものが候補に挙がっています。

・技術検定などの合格証明書

※技術検定・・・国交省が建設業法に基づいて行っている検定制度。合格すると「土木施工管理技士」「建築施工管理技士」などの資格が得られます。

 

・登録基幹技能者修了証

 

・監理技術者講習修了書

 

・建設キャリアアップカードのレベル判定結果通知書

 

・工事請負契約書の写し

 

・注文書・請書

 

・経営状況分析結果通知書

 

・建退共加入・履行証明

 

・登録経理試験合格証(登録経理講習修了証) など

これらの書類も申請時などに添付する必要がなくなるわけです。

こちらも実現すれば、一定の負担軽減になります。

契約書、注文書、請書については、どのような運用になるのか今後に注目です。

 

2020年4月からの書類の簡素化

書類の簡素化

提出書類の簡素化は、2017年に策定された行政手続きコストを20%削減するための基本計画にさかのぼります。

その後、政府の規制改革推進会議の答申を経て、2020年(令和2年)4月から書類の簡素化が実施されています。

 

今回の改正は、「大臣許可」業者にとって大きなメリットがあるものとなりました。

サンプル調査において書類の削減により、提出書類の分量がほぼ半分にできるとのことです。

一方で、「知事許可」業者にとっては、少し手間が省けるくらいの改正といえるでしょうか。

 

提出が不要となる書類は、大きく4つに分かれます。

ⅰ)国家資格者等・監理技術者一覧表(様式十一号の二)

 

この書類は「大臣許可」・「知事許可」ともに不要となりました。

 

なお、以下の書類は「大臣許可」業者のみ提出が省略されています。

ⅱ)営業所に関する書類

・営業所の地図

・営業所の権限を証明するもの(不動産登記簿謄本や賃貸借契約書)

 

ⅲ)令3条の使用人(支配人や営業所長)の健康保険証カードの両面コピー

 

ⅳ)経管、専技、令3条の使用人の住民票、令3条の使用人の委任状

国土交通省:ホームページより出典

 

大臣許可の都道府県経由事務の廃止

以前は、大臣許可の申請は、都道府県を経由することになっていました。

これが2020年4月以降、主たる営業所を管轄する地方整備局に直接提出することになっています。

中国地方整備局:ホームページより出典

これにより大臣許可の標準的な処理期間は、90日程度に短縮されます。

今までは120日程度かかっていましたので、30日の短縮です。

ただ、地方整備局は地方に一つで都道府県ごとには設置されていません。

窓口が遠方となる事業者への対策として、申請書の郵送が認められています。

 

まとめ

ご覧のように、建設業許可/経審のオンライン申請は、若者や女性にも魅力ある建設業界にするための政策として導入が決定されました。

しかし、新型コロナの影響、政府のデジタル化推進の強化などに後押しされ、2022年度に向けスピード感が増しているように感じます。

 

許可だけに着目しても、新規申請から毎年の決算報告、許可更新や各種変更届の提出とさまざまな手続きが必要です。

その際、添付書類が省略でき、手続きが非対面で完了することになれば、申請者側も審査側も負担の軽減となります。

実現が待たれますね。

ひょっとしたら、オンライン化推進のための「インセンティブの付与」があったりするかもです。

 

このサイトでは、建設業許可/経審のオンライン申請に関してしっかりと情報発信していきます。

新たな動きがあれば、この記事に追記のカタチでお知らせいたします。

 

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