建設業許可|取るための知識

建設業者が無担保・無保証で創業融資を受ける方法

もしかするとあなたは、これから建設会社を設立しようと考えているのかもしれません。

まずは、会社を設立し、建設業許可を取る、それと並行して、営業所の準備をし、材料や機械設備・工具、車両を段取りする・・・

やはり、それなりの資金が必要になりますよね。

 

では、あなたはその資金をどうやって準備しますか?

「自己資金をコツコツ貯める」。これはぜひやっておいていただきたいことです。

その上で、「創業融資」を受けることを考えてみるのはいかかでしょうか。

「創業融資」を受けた事業者は、5年後にも存続している割合が、なんと、83%に達するという調査データもあります。

 

また、建設業許可を取得している場合には、日本政策金融公庫が行う創業融資の審査に通りやすくなります。

「許可を取得した」イコール、「建設業界での経営経験や技術力がある」「一定の財産的裏付けを持っている」と言えるからです。

つまり、建設業許可を持っているだけで、一定の信用力が備わっているわけです。

 

この記事では、これから建設業を始めるあなたが、無担保・無保証で融資を受けるための方法を解説します。

まずは最後までご一読ください。

 

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👉建設業許可とは?その全体像をすごくわかりやすく解説

👉会社を設立して建設業許可を取るときの注意点|建設業許可

 

創業融資を受ける前に知っておきたい知識

「創業融資」は、新たに事業を始める方と事業を開始して間がない方(2期以内)が受けられます。

まずは、融資の内容に入る前に、知っておきたい知識について触れておきます。

 

自己資金が貯まるまで開業を待つ?

新たに事業を始める方の資金調達の方法はさまざまです。

「自己資金」「家族・親族・知人からの出資や融資」「金融機関からの融資」が代表的です。

最近では、「クラウドファンディング」なんかも聞きますよね。

「自己資金が貯まったら開業しよう」という方もいますが、開業のタイミングを逃すことにもなりかねません。

そこで、あなたにおすすめするのは「融資を受ける」という方法です。

特に「公的融資」を活用して、盤石の体制で事業をスタートしましょう。

 

自己資金だけの開業が実はキケン

自己資金だけで開業することは、次の2つの理由からリスクが高いと考えられます。

 

①開業後は猛スピードで資金が減っていく

開業後、黒字化するまで一定の時間がかかるケースが多いです。

業績が順調でも、工事代金の入金には時間がかかり、材料代や経費が先に出ていき、猛スピードで資金が減ります。

ですから、開業時には十分な資金を確保することがとても重要なのです。

 

②開業する時が最も融資を受けやすい

「資金が足りんようになったら、融資を申し込んだらええじゃろ」・・・これはリスキーです。

一度開業してしまうと金融機関は業績を重視します。

赤字となっていたりキャッシュが極端に不足する状況では融資が難しくなります。

開業前なら収支予測をもとに判断されるので、開業後より融資が受けやすい事実があります。

 

創業融資を受けた事業は長く続く

日本政策金融公庫が2011年に融資先を調査しました。

これによると、創業融資を受けた企業の83%が、開業から5年後も存続していることが分かっています。

しかも、これらの企業の約4割が、開業当初は赤字だったそうです。

創業融資の資金を確保したことで、厳しい状況を何とかしのいだことが理由の1つでしょう。

さらに、創業融資の申請を通じて事業計画がブラッシュアップでき、経営者に必要な思考が身についたことも大きいのだと感じます。

 

無担保・無保証で資金を調達する

日本政策金融公庫

融資を行っている民間金融機関には、都市銀行、地方銀行、第二地銀、信用金庫、信組などいろいろありますよね。

これらの金融機関は、審査が厳しく金利も高止まりの傾向にあるなど、創業融資には消極的です。

これを補完するために政府系金融機関である「日本政策金融公庫」は、これから開業する人に積極的に融資を行っています。

「日本政策金融公庫」の創業融資には、次のような特徴があります。

①無担保・無保証人で利用できる

②固定金利で利率が比較的低い

③長期分割返済が可能

④申し込みから融資実行までの期間が比較的短い

⑤民間金融機関からの融資が受けやすくなる効果がある

日本政策金融公庫が手がける創業融資の代表的なものが「新創業融資」と呼ばれる制度なのです。

 

新創業融資制度とは

では、「新創業融資」制度の概要を見てみましょう。

 

利用できる方

次のア~ウのすべてを満たす方です。

ア 新たに事業を始める方/事業開始後に確定申告を2期分終えていない方

 

イ 次のいずれかに該当(雇用創出の要件)

ⅰ)雇用の創出を伴う事業を始める方

ⅱ)技術やサービスなどに工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める方

ⅲ)現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当

  • 現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
  • 現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方

ⅳ)大学等で習得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方

・・・などなど

※くわしくはこちら(「雇用創出等の要件」:日本政策金融公庫)をご覧ください。

 

ウ 自己資金要件

創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用する予定の資金)を確認できる方

【「自己資金」の注意点】

ⅰ)10分の1の自己資金の意味

開業に必要な資金の10分の1以上の自己資金ですから、融資希望額が1,000万円なら、自己資金は最低100万円以上必要ということですね。

しかし、100万円の自己資金で1.000万円の融資を受けるのは至難の業です。

通常は、自己資金のおおよそ2倍程度の融資が受けられると考えておいてください。

新創業融資で1,000万円調達したい場合、自己資金は最低でも300万円以上は必要です。

※ただし、ビジネスプランがしっかり練り上げられるなど他に優れた要素があれば、少ない自己資金でも認められることがあります。

 

ⅱ)自己資金は通帳にコツコツ貯めること

あなた名義の通帳にコツコツ貯めたお金じゃないと、自己資金と見なしてくれません。

「タンス預金」や「友人・知人からの借入」は認められないのです。

特に”見せ金”は通用しないので注意してください。

ただし、親など身内からの出資金は自己資金と見てくれることがあります。

 

資金の使いみち

事業を始めるため、または事業開始後の事業資金(設備資金/運転資金)

※設備資金で借りたお金を運転資金に流用したことがバレると全額一括返済を請求されます。

もちろん、事業以外への流用はご法度ですよ。

 

融資限度額

3,000万円(うち運転資金1,500万円)

※新創業融資では、1,000万円程度借りられたら大成功だと考えましょう。

特別な”何か”がなければ3,000万円は夢の世界です。

 

返済期間

通常、設備資金は7年以内、運転資金は5年以内です。

返済の据え置き期間を設けることができます。

 

利率

無担保・無保証での基準利率は、2.41%~2.80%(令和2年10月現在)です。

例えば、女性の方や35歳未満、55歳以上の方などは、低利な特別利率が適用される場合があります。

 

融資を受けるための手続きと流れ

では、新創業融資を受けるための手続きと流れを見ておきましょう。

 

日本政策金融公庫の融資手続きの流れ

1.融資相談

融資の申し込みに必要な書類や「創業計画書」の書き方など相談してもよいでしょう。

面談に備えて雰囲気を知っておくためにも一度足を運んでおきましょう。

※書類をもらうだけでもいいかもしれません。

 

2.融資申し込み

「借入申込書」「創業計画書」「設備資金の見積書」などを提出する。

 

3.審査の面談

事前に日程の連絡があり、当日、日本政策金融公庫での面談が行われます。

融資担当者から事業計画の内容などについてヒアリングを受けます。

 

しっかりと受け答えするために、事業計画の内容を頭に叩き込んでのぞみましょう。

面談が融資の実行を決めるために最も重要なプレゼンの場だからです。

 

4.融資の決定、実行

融資がOKの場合は、「金銭消費貸借契約書」に記入して提出し、その後、融資金が振り込まれます。

 

5.返済の開始

毎月約定日に、指定の口座から「元金+利息」が引落しされます。

 

まとめ

建設会社を新たに立ち上げ、軌道に乗せるために活用してほしい「新創業融資」を紹介しました。

創業融資を利用した企業の存続率は驚くほどの高さでした。

自己資金だけで無理をして開業せず、公的融資で安定した経営をぜひ目指してください。

 

創業融資をより確実にするためには、「創業計画書の書き方」と「面談の受け方」がとても重要です。

 

創業計画書の作成を専門家に依頼することも1つの方法ですが、丸投げは感心しません。

あなたの創業計画をよりブラッシュアップするためにも、また、開業に対する決意を新たにする意味でも、大事なところはご自身で取り組んでみてください。

今後の経営に必ず生きてくるはずです。

あなたの事業の成功を心から願っています。

 

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