建設業許可|取った後の手続き

工事経歴書と配置技術者(決算変更届)|建設業許可

許可業者は、毎年、決算変更届(決算報告・事業年度終了報告)の提出を義務付けられています。

提出をしないと、罰則を受けたり処分の対象になることがあります。

また、許可の更新や業種の追加ができなくなったりもします。

さらには入札に参加できなくなることもあります。

決算変更届は忘れずに提出するようにしましょう。

決算変更届、罰則・処分をこちらでくわしく解説しています。

👉決算変更届(決算報告)とは|建設業許可

👉建設業法の処分・罰則を理解する完全ガイド

 

決算変更届に添付する書類の中に、工事経歴書があります。

とても大事な書類です。

この工事経歴書を記載するときに、特に注意したい2つのポイントがあります。

①業種の振り分けを正確に行うこと

②技術者の配置を適切に行うこと

業種の振り分けを正しくやらないと、施工したのにその業種の実績として認めてもらえません。

そのために経管や専技の要件がクリアできなくなったり、業種の追加ができなくなるのです。

ご注意ください。

業種の振り分けはこちらで解説しています。

👉工事経歴書と業種の振り分け(決算変更届)|建設業許可

 

技術者の配置についても、シビアにやらないと足元をすくわれます。

違反すれば罰則や処分の対象となることがあるのです。

決算変更届に添付された工事経歴書によって、技術者の配置違反が発覚するケースが増えているようです。

違反することがないように、しっかりと配置技術者について理解を深めましょう。

それでは解説いたします。

 

建設業許可についてくわしく解説しています。

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

👉建設業許可の29業種をわかりやすく解説

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

 

工事経歴書

工事経歴書には、1年間の工事の実績を、業種別に記載していきます。

こちらが工事経歴書の様式です。

国土交通省ホームページより引用

工事経歴書を作成する場合に特に重要なのが、冒頭で触れた2つのポイントです。

大事なことですのでもう一度おさらいします。

①業種の振り分けを正確に行うこと

②技術者の配置を適切に行うこと

 

業種の振り分けについてはこちらをご覧ください。

👉工事経歴書と業種の振り分け(決算変更届)|建設業許可

 

技術者の配置にはルールがあります。

まずはこのルールを守ること、その上で正しく工事経歴書に記載することが重要です。

では、どのようなルールが決められているのか確認していきましょう。

 

技術者を適切に配置する

建設業の許可業者は、工事現場に一定の資格や経験を持つ技術者を配置しなければなりません。

技術者の配置は義務ですので、違反すれば罰則や処分を受けることがあります。

技術者の配置は、建設工事を適正に施工するために必要とされています。

技術者は、工事現場において施工の状況を管理・監督することになります。

この現場に配置される技術者を配置技術者と呼びます。

配置技術者は、工事の業種や規模、元請であるかどうかにより主任技術者と監理技術者に区分されます。

工事経歴書には、配置技術者の氏名と技術者の区分を記載することになります。

もし技術者の配置に違反があるとすれば、工事経歴書の提出により発覚します。

岡山県では、決算変更届(事業年度終了報告)で、違反が発覚するケースが増えているようです。

工事経歴書の書き方も解説しています。

👉工事経歴書の書き方(決算変更届)|建設業許可

 

主任技術者

許可業者は、工事の施工にあたって技術上の管理を行う主任技術者を工事現場に配置しなければなりません。

主任技術者は、工事現場で工程管理や品質管理、作業者の指導監督を行います。

【ポイントその1】

許可業者は、元請はもちろん下請けであっても、工事金額の多少にかかわらず、現場への主任技術者の配置が必要です。

また、工事金額が500万円未満の軽微な工事であっても配置しなければなりません。

つまり、許可を受けた業種について、すべての工事に主任技術者の配置が必要です。

主任技術者になるには、一般建設業で専任技術者になれる資格や経験が必要です。

 

監理技術者

特定建設業者が元請として税込4,000万円(建築一式は6,000万円)以上の工事を下請けさせる場合には、監理技術者の配置が必要です。

この場合、元請からは監理技術者を配置しますが、下請もそれぞれ主任技術者を配置する必要があるのです。

監理技術者も、工事現場で工程管理や品質管理、現場の作業者の指導監督を行います。

【ポイントその2】

特定建設業者の許可が必要な工事の元請業者は、監理技術者の配置が必要です。

この場合、下請業者もそれぞれ主任技術者を配置する必要があります。

監理技術者になるには、特定建設業で専任技術者になれる資格や経験が必要となります。

専任技術者の要件をこちらでくわしく解説しています。

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

工事現場ごとに専任が必要な場合

工事現場ごとに技術者の専任が必要な工事は、次の工事です。

工事1件の工事金額が税込3,500万円(建築一式は7,000万円)以上の個人住宅以外の工事です。

このような工事では、主任技術者も監理技術者もその工事現場に専任でなければならないのです。

※専任とは・・・その現場の職務のみを常時継続的に行うことをいい、常勤を必要とするものではありません。(他の現場とかけ持ちができません)

ですから、研修、講習、試験などへの参加や、休暇の取得など合理的な理由で現場を離れることは問題ありません。

 

【ポイントその3】※重要

税込3,500万円(建築一式は7,000万円)以上の個人住宅以外の工事では、技術者は専任が必要です。

他の工事現場とのかけ持ちはできません。

個人住宅以外の工事とは、公共性のある工事のことをいいます。

一定規模以上の公共性のある工事に、技術者の専任性が求められています。

不特定多数が利用する施設などの建設を、技術レベルが高い技術者によって管理させるためです。

※公共性のある工事とは・・・多数の人が利用する施設などで、個人住宅以外の工事のほとんどが該当します。

・国、地方公共団体が発注する施設や工作物

・鉄道、ロープウェイ、道路、上下水道など

・電気事業用施設、ガス事業用施設

・学校、図書館、寺院、工場。病院、デパート、事務所、ホテル、アパートなど

(岡山県:建設業許可の手引を参照)

 

専任技術者の配置

専任技術者の現場への配置禁止

専任技術者とは、営業所において適切な営業や契約ができるよう、技術面の統括責任者としての役割を持っています。

専任技術者には、営業所の中にいて仕事をすることが求められます。

一方、主任技術者や監理技術者は、工事現場にいて仕事をしなければなりません。

ですから、営業所の専任技術者を工事現場の技術者として配置することは、原則として禁止されています。

【ポイントその4】

専任技術者は、原則として現場の主任技術者や監理技術者を兼務することができません。

 

例外として配置できる場合

ただし、例外的に専任技術者を工事現場に配置できる場合があります。

次の3つのすべてをクリアする必要があります。

ア 契約を締結した営業所の専任技術者であること

イ 営業所と工事現場が近接していて、常時連絡を取り得る体制にあること

ウ 専任が必要とされる工事ではないこと

※工事金額が3,500万円(建築一式は7,000万円)未満の個人住宅工事

イの「営業所と工事現場が近接」ではどのくらいの距離なら許されるのかが問題とされます。

一律に決められておらず個別に判断がなされますが、限定的に解釈すべきとされています。

くれぐれも拡大解釈で、違反とされないようご注意ください。

 

また、専任技術者を現場に配置できる場合でも、専任が必要とされる工事には配置することはできません。

監督処分の対象となりますので、十分ご注意ください。

【ポイントその5】

専任が必要とされる工事に、専任技術者を配置することはできません。

※工事金額が3,500万円(建築一式は7,000万円)以上の個人住宅以外の工事

 

配置技術者の工期途中での交代

配置技術者の工期の途中での交代は、必要最小限にすることとなっています。

これは、工事の適正な施工を確保することが難しくなるためだと考えられています。

ですから、工期途中での配置技術者の交代は、次の場合に認められます。

・配置技術者の死亡

・配置技術者の病気やケガ

・配置技術者の退職など

交代の場合、工事経歴書には技術者名を2段書きにし、変更年月日を記入します。

 

まとめ

技術者の配置義務について確認いたしました。

5つのポイントをおさらいしておきましょう。

①許可を受けた業種については、すべての工事に主任技術者が必要

②特定建設業者の許可が必要な工事の元請業者は、監理技術者の配置が必要

この場合、下請業者もそれぞれ主任技術者を配置する必要があります。

③税込3,500万円(建築一式は7,000万円)以上の個人住宅以外の工事では、技術者は専任が必要

技術者は他の工事現場とのかけ持ちはできません。

④専任技術者は、原則として現場の主任技術者や監理技術者を兼務することができない

⑤専任が必要とされる工事に、専任技術者を配置することはできない

※工事金額が3,500万円(建築一式は7,000万円)以上の個人住宅以外の工事

これらのルールを守って、工事現場に技術者を配置するようにしてください。

 

専任が必要とされる工事には特に注意が必要です。

専任の場合、かけ持ちはできません。

工事経歴書に工期がかぶっている技術者がいないかよく確認してください。

また、日報や工事台帳なども確認される場合があります。

つじつまが合うように、正確に記入しておきましょう。

もし不安があるのであれば、行政書士に相談することをおすすめします。

 

建設業許可についていろいろ解説しています。

ぜひ合わせてお読みください。

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