建設業許可|取るための知識

令3条の使用人と経営業務の管理責任者|建設業許可

建設業者が複数の営業所を置いている場合、代表者の方がすべての営業所を統括することはできません。

このため、従たる営業所には、代表者から一定の権限を与えられた者を置くことになっています。

これを「令3条の使用人」と呼びます。

令3条の使用人の配置が必要となるのは、複数の都道府県に営業所をもつ「大臣許可」業者だけではありません。

「知事許可」業者であっても複数の営業所を置いていれば、令3条の使用人が必要となります。

 

今回は、「令3条の使用人」について解説します。

まずは、営業所と令3条の使用人の関係を確認しておきましょう。

 

建設業許可についていろいろ解説しています。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉主任技術者と監理技術者の違い|建設業法

👉許可の有効期限と更新申請について|建設業許可

👉決算変更届(決算報告)とは|建設業許可

 

営業所とは

建設業法上の営業所とは、本店又は支店もしくは常時工事の請負契約を締結する事務所をいいます。

請負契約の見積り、入札、請負契約の締結を実際に行う事務所のことです。

本店または支店が必ず営業所になるわけではありません。

なお、契約は行わなくても、他の営業所の契約に関して指導監督を行い実質的に関与すれば営業所となります。

 

主たる営業所と従たる営業所

複数の営業所を持つ場合には、「主たる事務所」を決める必要があります。

主たる営業所以外の営業所は、「従たる営業所」と呼ばれます。

知事許可であっても大臣許可であっても同じです。

知事許可・大臣許可についてはこちらでくわしく解説しています。

👉知事許可と大臣許可はどう違うのか|建設業許可

 

主たる営業所

主たる営業所は、必ず設置されなければなりません。

主たる営業所は、次の2つを満たす必要があります。

①経営業務の管理責任者が常勤していること

②営業所に専任技術者が専任していること

ただし、経管(けいかん)と専技(せんぎ)は、主たる営業所内で兼務できます。

 

従たる営業所

従たる営業所とは、主たる営業所以外の営業所をいいます。

従たる営業所は、次の2つを満たすことが必要です。

①営業所の代表者として令3条の使用人の1名が常勤していること

②営業所に専任技術者が専任していること

こちらも、同一営業所内であれば、令3条の使用人と専技(せんぎ)を兼務できます。

 

令3条の使用人は、従たる営業所を統括する代表者です。

では、もう少し深掘りしてみましょう。

 

令3条の使用人について

令3条の使用人とは

 

令3条の使用人とは、建設業法施行令3条に規定されている使用人のことです。

会社の代表権者から見積り、入札参加、契約締結などの委任を受け権限が与えられた従たる営業所の代表者です。

支店や営業所の長、いわゆる支店長や、支社長、営業所長などのことをいいます。

令3条の使用人になるのに特別な資格はありません。

代表権者からの委任があれば誰でもなれます。

もちろん、役員が兼任することもできます。

ただし、令3条の使用人として認められるためには、届出により登録されることが必要となります。

 

令3条の使用人の要件

令3条の使用人になるのに特別な資格は必要ありません。

ですが、次の3つの要件をクリアしなければなりません。

①一つの営業所に常勤していること

 

②建設工事の請負契約の締結やその履行についての権限を代表者から委任されていること

 

③欠格要件に該当しないこと

※営業所に常勤が必要ですので、経管や他の営業所の令3条の使用人を兼務することはできません。

また、現場代理人を兼任することもできません。

※②の確認資料として「委任状」の提示が必要です。

※欠格要件に該当していた場合、虚偽申請となり許可取消などの監督処分を受ける可能性があります。

 

経営業務の管理責任者になれます

建設業許可の要件に、経営業務の管理責任者があります。

基準や審査が厳しいため、クリアするためにとても苦労する要件です。

通常、法人であれば取締役としての、また、個人であれば個人事業主としての経験が必要です。

しかし、取締役などの経験がなくても、この令3条の使用人としての経験があれば経営業務の管理責任者になることができます。

令3条の使用人としての経験年数によって、クリアできる業種が違ってきます。

①令3条の使用人として、許可を受けようとする業種の経営経験が5年以上・・・その業種のみ

②令3条の使用人として、6年以上の経営経験・・・29業種すべてについて

 

ですから、大手や中堅の建設会社で、取締役ではなかったけれども支店長や営業所長を歴任された方は可能性があります。

その会社で令3条の使用人として登録されているかどうかが重要です。

登録されていたことが証明できれば、経営業務の管理責任者の要件をクリアすることができます。

これを証明するためには、建設業許可申請書や変更届、工事請負契約書などの確認資料が期間分必要となります。

まずは、在籍していた会社にご確認ください。

 

経営業務の管理責任者をくわしく解説しています。

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

👉経営業務の管理責任者に必要な確認資料|建設業許可

 

注意点

令3条の使用人を転勤などで変更した場合は、2週間以内に変更届の提出が必要となります。

ご注意ください。

 

まとめ

複数の営業所を持つ場合には、従たる営業所に令3条の使用人を必ず設置する必要があります。

営業所への常勤と権限の委任が必要ですのでご注意ください。

特に、支店長や営業所長に転勤等による変更がある場合、大きな組織ですと変更届を忘れがちです。

建設業許可を考慮した人事をおこなうことが大事になります。

 

一方、この令3条の使用人を上手く活用すれば、経営業務の管理責任者の要件クリアが比較的楽にできることになります。

確認資料が建設業許可申請書や変更届で済む場合もあります。

ぜひ、ご検討ください。

 

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