建設業許可|取った後の手続き

専任技術者を変更する手続き|建設業許可

今回は、専任技術者が交代するときにおこなう、変更届の手続きについて確認しましょう。

 

専任技術者(専技といいます)を変更するときには、次のことに注意してください。

専技が1日でも不在になると、その営業所の許可が失効してしまいます。

許可が飛んでしまうのです。

ですから、間違ったやり方で失敗しないように、専技の要件、手続きをよく理解しておきましょう。

 

経営業務の管理責任者(経管といいます)についても同じことが言えます。

経管の変更手続きについてはこちらをご覧ください。

👉経営業務の管理責任者を変更する手続き|建設業許可

 

特に代表者だけが経管と専技を兼務する場合に、代表者の交代を行うときは要注意です。

代表者交代時の注意点はこちらで解説しています。

👉建設業者の代表者の変更|建設業許可

 

できれば、普段から専任技術者の交代を見据えた対策をしておきたいものです。

この記事の後半で対策にも触れています。

ぜひ最後までご覧ください。

 

ほかにも建設業許可について解説してますので、ぜひ合わせてお読みください。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉役員を変更した場合の手続き|建設業許可

👉決算変更届(決算報告)とは|建設業許可

👉工事経歴書の書き方(決算変更届)|建設業許可

 

専任技術者の要件

専任技術者は、営業所ごとに配置しなければなりません。

営業所の数だけ専技が必要ということです。

また、専技は許可を受けようとする業種ごとに要件をクリアすることが求められます。

まずはこの2つを理解しておいてください。

そして、一般建設業と特定建設業では必要な要件が違ってきます。

それぞれ確認しましょう。

 

一般建設業の場合

一般建設業における専技の要件は、次の5つに分かれます。

・国家資格者

・大学の指定学科卒業+実務経験3年以上

※大学には、短大、高等専門学校が含まれます

・高校、中等教育学校、専修学校の指定学科卒業+実務経験5年以上

・10年以上の実務経験

後ほど解説しますが、実務経験の証明はハードルが高い場合があります。

できれば国家資格だけで要件をクリアすることをおすすめします。

 

特定建設業の場合

特定建設業における専技の要件は、次の3つに分けることができます。

・一定の国家資格者

※1級施工管理技士と技術士が該当します。

・2年以上の指導監督的実務経験を持つ者

※元請として4,500万円以上の工事での現場主任や現場監督での経験

・大臣特認(海外での学齢、実務経験)

なお、指定建設業については、一定の国家資格者のみが専技となれます。

※指定建設業・・・土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の各工事業

一般建設業と特定建設業をこちらで解説しています。

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

専任技術者の変更手続きに必要な書類

専任技術者の証明に必要な書類は、2つに分かれます。

ア 法定書類

・・・申請書類と添付書類のことです。

イ 確認資料

・・・専技の要件をクリアすることを証明する資料のことです。

 

法定書類

専技に変更があった日から2週間以内に変更届を提出します。

非常にタイトなスケジュールとなってますので、しっかりとした準備が欠かせません。

提出する書類は次のとおりです。

①変更届出書(様式22号の2)

②専任技術者一覧表(別紙四)

③専任技術者証明書(様式8号)

④新たな技術者の要件を証明する書類(原本提示が必要)

・資格証明書(免状、合格証明書など)

・卒業証明書

・実務経験証明書(様式9号)

・大臣の認定証

・指導監督的実務経験証明書(様式10号)

・監理技術者資格者証

※クリアした要件によって提出書類が異なります。

たとえば、大学の指定学科を卒業の場合、卒用証明書と実務経験証明書を提出します。

③専任技術者証明書(様式8号)はこちらの書類になります。

また、実務経験証明書はこちらの書類です。

岡山県:建設業許可の手引より引用

 

確認資料

上の法定書類を提出するときに、確認資料の提示が求められます。

変更届出書などの内容が正しいことを証明するための書類です。

つぎの2つに分けられます。

①現在の常勤性

②技術者としての要件を確認するもの

※必要となる書類については、都道府県によってルールが違っています。

かならず申請先の窓口や行政書士に確認するようにしてください。

 

現在の常勤性

専任技術者は、専任といって営業所に常勤して自分の職務に専念しなければなりません。

常勤とは、休日を除き、毎日所定の時間仕事をしている状態をいいます。

現在常勤していることを証明しなければなりません。

 

現在の常勤性を証明する書類は、次の2つです。

①住民票

※マイナンバーの記載のない発行後3か月以内のもの。

②健康保険被保険者証(国民健康保険証・後期高齢者医療被保険者証)

※国民健康保険証などで事業所名の印字がない場合は、次のいずれかの書類も必要です。

・被保険者標準報酬決定通知書または被保険者資格取得確認及び標準報酬決定通知書

・住民税特別徴収税額通知書

・確定申告書(法人:別表一と役員報酬明細、個人:第一表と第二表)

・その他、常勤が確認できるもの(工事台帳や日報など)

 

技術者の要件を確認する資料

ここでは専任技術者としての資格や経験があることを証明します。

それぞれ次のものになります。

なお、確認資料は原本提示が必要です。

①国家資格者・・・合格証明証、免許証

②監理技術者・・・監理技術者資格者証

③指定学科の卒業・・・卒業証明書

④大臣認定・・・認定証

⑤実務経験・・・次の2つが必要です。

ⅰ)実務経験の内容の証明

ⅱ)実務経験期間の常勤の証明

⑤ⅰ)の実務経験の内容を証明する書類は、集めるのが難しい場合があります。

 

実務経験の内容の証明

実務経験の内容を証明する書類の確認をしましょう。

確認資料は証明する期間分のものが必要です。

実務経験をつんだ企業が、許可業者かどうかで必要な書類がおおきく違ってきます。

 

ア 許可業者での経験

・建設業許可申請書

・決算変更届

 

イ 許可のない業者での経験

・工事請負契約書

・注文書および工事請書

・請求書

※請求書、押印のない工事請書、FAXされた注文書などには入金が確認できる資料が必要です。

入金が確認できる資料・・・通帳、金融機関の取引明細書、領収書控えなど

 

アの許可業者での経験に必要な書類は、集めやすい書類だと思います。

一方で、イの許可のない業者での、経験を証明する書類がとてもやっかいです。

 

大抵の場合、税理士さんに「7年間(または10年間)保管すれば、その後は書類を廃棄してかまわない」と言われるからです。

法人税法などで、そのように決められています。

 

ですから、自社のものでも古い資料は残っていないことが多いのです。

 

また、他社での経験の場合、協力してもらえるかどうかがカギを握ります。

 

このような原因で書類集めに苦労することになるのです。

建設業者であれば、少なくとも自社の書類の保管には関心をもつ必要があります。

 

申請先の都道府県によっては、許可業者であっても請求書などが必要なケースもあります。

申請先の窓口や行政書士に確認をお願いします。

 

実務経験期間の常勤性

実務経験をつんだ期間が常勤であったことを証明するため、次のいずれかが必要です。

・健康保険被保険者証

・厚生年金被保険者記録照会回答票

・住民税特別徴収税額通知書

・確定申告書(法人:別表一と役員報酬明細、個人:第一表と第二表)

・在籍出向者で出向先での実務経験・・・出向に関する疎明書類

この中では「厚生年金被保険者記録回答票」がわかりやすいと思います。

年金事務所で取得できます。

 

 

こちらで専任技術者をくわしく解説しています。

あわせてご覧ください。

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

👉専任技術者に必要な確認資料|建設業許可の要件

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

 

専技候補者を増やすための対策

営業所の専任技術者が1日でも不在になると、許可が失効してしまいます。

そうならないためにも、専技を変更するときには十分にご注意ください。

しかし、そもそも専技候補者の数が多いほど選択肢が増えますし、許可失効のリスクを減らすことができます。

また、専技候補者を増やすことで、現場に配置すべき主任技術者不足の対策にもなるわけです。

 

ここで、専技候補者を増やすための対策を考えてみましょう。

・資格取得を奨励する

・指定学科卒業者を採用する

・自社で10年以上の実務経験を積ませる

・他社から専任技術者をヘッドハントする

やはり生え抜きの従業員に国家資格者になってもらうのが一番だと思います。

国家資格の取得を、会社としてバックアップしてはいかがでしょうか。

人材の採用を考えているのであれば、短い実務経験で専技になれる、指定学科卒業者の採用が考えられます。

10年の実務経験は、時間がかかりますが有効な方法です。

他社からのヘッドハントもアリだと思いますが、社内の人間関係に影響しますので注意が必要です。

ぜひ、検討してみてください。

 

まとめ

専任技術者を変更する場合の手続きについて確認しました。

専技の変更手続きは、変更した日から2週間以内に行う必要があります。

後任者が実務経験で要件をクリアする場合は、期間分の契約書などが必要なケースもあります。

慌てることのないように、しっかり準備をしておいてください。

 

専技は、経管とともに建設業許可を取得、維持するために重要な基準です。

1日でも空白ができると、許可が失効しますのでご注意ください。

特に、代表者だけしか専技の要件をクリアできない場合は要注意です。

代表者に何かあればどうすることもできません。

不測の事態にそなえ、専任技術者の要件を備えた候補者を増やすことをおすすめします。

万全の対策で、盤石の体制をぜひ構築してください。

 

建設業許可について、ほかにも徹底解説しています。

ぜひご覧ください。

👉建設業法の処分・罰則を理解する完全ガイド

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

👉知事許可と大臣許可はどう違うのか|建設業許可

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可