建設業許可|取るための知識

実務経験で専任技術者になる|建設業許可

ひょっとするとあなたは、「専任技術者の実務経験」で悩んでいるのではないでしょうか。

あなたと同じように、多くのかたが「専技の実務経験の要件」で頭を悩ませています。

一定の国家資格があれば、専任技術者になるのはそれほど難しいことではないですよね。

しかし、実務経験がからんでくると、とたんに難易度が上がってしまいます。

 

この記事では、専任技術者の実務経験の内容、実務経験が必要なケース、経験年数の計算方法などをわかりやすく丁寧に説明しています。

専任技術者の「実務経験」の全体像をつかむことができます。

ぜひ最後まで一読してみてください。

 

こちらで専任技術者のくわしい解説をしています。

👉専任技術者の要件|建設業許可

👉専任技術者に必要な確認資料|建設業許可の要件

 

専任技術者の実務経験とは

実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいいます。

具体的には次のような経験をいいます。

ⅰ)建設業者での工事の施工を指揮・監督した経験

→請負業者側での現場監督や現場主任として作業の指揮監督をした経験です。

 

ⅱ)建設機械の操作などで工事の施工を行った経験

→現場でユンボやバックホーなどを操作したオペレーションの経験ですね。

 

ⅲ)土工やその見習い、現場監督や建機のオペの見習い中の経験も含む

 

ⅳ)工事の注文者側で設計をした経験や工事現場主任、工事現場監督などでの経験

単なる雑務や事務系の仕事に関する経験は含みません。

営業所で各現場の進行状況などを指導監督した経験も実務経験とはならないので要注意です。

 

どうして実務経験だと難易度が急上昇するのか?

理由は2つです。

ⅰ)上記のような「実務経験」が最長で10年必要であるため

ⅱ)「実務経験」を書類で証明しなければならないため

ひとくちに10年といいますが、よく考えると相当長い期間です。

また、国家資格や指定学科の卒業などで期間が短縮される場合でも、3年とか5年(中には1年もあります)の経験は必要とされるわけです。

このように一定の期間経験を積むことそのものが大変だということです。

これが第一の関門です。

 

そして、「実務経験」を書類で証明することが、とてもハードルの高い第二の関門になります。

岡山県では、「実務経験の証明書類=契約書や注文書、請求書等」ですが、古くなるほど残っていないことが多いです。

特に、実務経験のみの場合10年の「実務経験」が必要ですが、他社での経験も含む場合は書類探しが“超”がつくほどの難易度となってしまいます。

くわしくはこちらで確認してみてください。

👉専任技術者に必要な確認資料|建設業許可

では、専任技術者のそれぞれの要件と実務経験との関係について確認します。

 

国家資格と実務経験

国家資格のうち次のものは、資格のみで専任技術者になることができます。

「実務経験」は不要なので、合格証や免状だけで専任技術者になれます。

  • 建設機械施工技士
  • 土木、建築、電気工事、管工事、電気通信工事、造園の各施工管理技士
  • 建築士
  • 技術士
  • 技能検定1級
  • 1種電気工事士
  • 消防設備士

 

これに対して、次の国家資格では実務経験が必要とされます。

  • 第2種電気工事士・・・3年の実務経験
  • 電気主任技術者・・・5年の実務経験
  • 電気通信主任技術者・・・5年の実務経験
  • 給水装置工事主任技術者・・・1年の実務経験
  • 地すべり防止工事士・・・1年の実務経験
  • 建築設備士・・・1年の実務経験
  • 1級計装士・・・1年の実務経験
  • 技能検定2級・・・3年の実務経験

できれば、国家資格だけで専任技術者になれるものを、もしくは実務経験が短縮される国家資格を目指したいですね。

専技(せんぎ)をクリアするには国家資格が最強です。

 

指定学科と実務経験

高校や大学の指定学科を卒業した方も「実務経験」が短縮されます。

ア 高校・専修学校・中等教育学校の指定学科を卒業後、5年以上の実務経験

イ 大学・短大・高専・専門学校(高度専門士課程等)の指定学科を卒業後、3年以上の実務経験

これらに該当すれば、高校などの卒業生は5年、大学などの卒業生は7年実務経験期間を短縮できます。

難易度が相当下がりますね。

 

※【注意点】

学校によってさまざまな学科名が付けられますので、学校から「履修科目証明書」などを取り寄せ、実際に要件を満たす学科かどうか、申請先の窓口などで必ず確認しましょう。

 

指定学科の一覧はこちらをどうぞ。

岡山県:建設業許可の手引より引用

指定学科をくわしく知りたい方はこちらを確認ください。

専任技術者の要件|建設業許可

 

実務経験だけで専任技術者になる場合

 

実務経験だけで専任技術者になるには、10年以上の実務経験が必要です。

ただし、この要件で専任技術者になる方は次の点に注意しましょう。

この10年の実務経験は、1業種について10年が必要です。

たとえば、電気工事とエアコン工事(管工事)とを同じ現場にて同時並行で施工した場合です。

このとき、どちらかの業種でしか実務経験をカウントできません。

電気工事の経験とするか、管工事の経験とするか、どちらかです。

ですから実務経験で2業種を取ろうとすれば、重ならない期間についてそれぞれで10年、合計20年以上の実務経験が必要となります。

※ただし、一定の場合には、実務経験の必要年数が緩和されます。

「実務経験の緩和」をこちらでくわしく解説しています。確認してみてください。

👉専任技術者の実務経験の緩和ってなに?|建設業許可

 

※解体工事については、例外的な取り扱いが認められます。

【H28年5月31日までの解体工事の経験は、とび・土工と解体の両方の実務経験にできる】

とび・土工工事にも解体工事にも実務経験としてダブルカウントできます。

その当時には「解体工事業」という業種はなく、解体工事は「とび・土工工事業」の許可で行っていました。

このようなことから二重計算が認められています。

とび・土工工事業での解体工事の経験がある方は要チェックです。

 

※許可が不要な軽微な工事であっても、次のように「資格」や「業者登録」が必要な工事があります。

資格などを持たずに行った場合、罰則を受ける可能性がありますし、もちろん実務経験として認められませんので注意しましょう。

【電気工事、消防施設工事は国家資格をもつ期間のみ認められる】

電気工事を施工するには、原則として電気工事士の資格が必要です。

ですから電気工事業の実務経験では電気工事士の資格の有無が確認され、資格をもたずに行った工事は経験にカウントされません。

同じように消防施設工事の場合も、消防設備士の資格が必要です。

 

【500万円未満の解体工事でも解体工事業登録が必要】

建設リサイクル法により、500万円未満の解体工事を受注するには「解体工事業者登録」が必要です。

「解体工事業者登録」をせず受注した工事は、実務経験にカウントされません。

👉「解体工事業登録」手続き完全ガイド(建設業許可との違い)

 

実務経験の期間の計算方法

実務経験年数の計算方法は、申請先の行政庁によって違ってきますので確認してくださいね。

今回は、岡山県の場合で説明します。

岡山県:建設業許可の手引より引用

申請書には経験した工事の内容とその現場の期間を記入します。

岡山県の場合、実際に経験した工事をすべて記入します。

そして、すべての工期を合計した年数を「実務経験」としてカウントします。

工期と工期の間の空白ですが、3か月以内の場合は“工期がつながっている”と判断され、実務経験の年数にカウントされます。

しかし、空白が4か月以上になると、その期間はカウントされません。

なお、実務経験として記載した工事すべてについて「証明のための書類=契約書等」が必要となります。

 

まとめ

専任技術者の要件を「10年以上の実務経験のみ」で攻略しようとすると、難易度が急激に上がってしまいます。

そもそも10年という期間が長いことと、その期間分の証明書類を揃えることがとても難しいということで、多くの方が頭を悩ませています。

 

ですから、可能であればまずは国家資格で専任技術者になる方法を検討されることをおすすめします。

また、社内に建設業に関係する指定学科を卒業した方がいないかどうか確認してみましょう。

実務経験が不要とすることができ、または実務経験期間を短縮できますので、難易度を下げることができます。

 

なお、実務経験だけで専技を狙う方も、場合によっては緩和措置によって短縮できます。

業種が限られていますが、該当するかどうか確認してみてください。

👉専任技術者の実務経験の緩和ってなに?|建設業許可

 

専任技術者の要件の取扱いや必要な証明書類は、申請先の行政庁によってかなり違っています。

不安があるようでしたら、窓口である行政庁や専門家である行政書士に相談されることをおすすめします。

ぜひ、専任技術者を攻略して、建設業許可の取得を成功させてください。

 

建設業許可の要件をこちらで解説しています。

👉経営業務の管理責任者要件|建設業許可で最大のヤマ

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👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意