建設業許可|取るための知識

専任技術者に必要な確認資料|建設業許可

この記事は、こちらの続編です。まずはこちらを読んでみてくださいね。

👉専任技術者の要件|建設業許可

 

建設業許可を取るための最大の難関は「経営業務の管理責任者」ですが、「専任技術者」も難関といえます。

前編の『専任技術者の要件』でも説明しましたが、専任技術者にはいろいろな“なり方”があります。

  • 国家資格等を取得する
  • 高校や大学で指定学科(建設業に関係ある学科)を卒業して、一定の実務経験を積む
  • 10年以上の実務経験を積む
  • 国土交通大臣の認定を受けた

どの要件もクリアすることが簡単ではありません。

しかし、これらの要件をクリアするだけでは「専任技術者」になれず、許可も取れません。

「確認資料」といって、これらを証明する書類が必要となります。

 

専任技術者の場合、“なり方”によって、確認資料の難易度が天と地ほど違います。

証明書1枚で済むものもあれば、ダンボール数箱分の契約書等が必要となる場合もあります。

また、申請先の行政庁によって、必要となる書類が結構ちがっています。

これによっても難易度が相当変わってきます。

まさに「クセが強い!」状態です。

 

そこでこの記事では、岡山県の確認資料を中心として、他の自治体にも触れながら、「確認資料」をサクッとわかりやすく丁寧に解説していきます。

ぜひ、最後まで一読ください。

 

ほかにも建設業の許可要件を解説しています。

👉経営業務の管理責任者要件|建設業許可で最大のヤマ

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

専任技術者の確認資料

専任技術者の要件を確認するための資料には大きく2つのものがあります。

・現在の常勤性が確認できる資料

・技術者としての要件を確認できる資料

 

※岡山県では、原則としてこれらの「確認資料」の原本を、営業所調査と呼ばれる立会調査において確認します。

👉営業所調査と準備すべき確認資料|建設業許可

 

現在の常勤性が確認できる資料

専任技術者は、営業所ごとに専任の者を配置しなければなりません。

専任とは、その営業所に常勤してもっぱら職務に従事することをいいます。

まずは、この「常勤」が確認できる資料を準備しましょう。

 

健康保険被保険者証

岡山県の場合、「健康保険被保険者証」または次のいずれかの書類が必要です。

  • 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
  • 健康保険・厚生年金保険資格取得確認通知書
  • 雇用保険被保険者証
  • 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書

これらの書類以外に、賃金台帳や出勤簿なども確認されます。

※岡山県では、個人事業主本人の常勤性の資料は不要です。

 

※兵庫県や広島県、東京都では、この他に

  • 法人税申告書と役員報酬明細

(個人の場合、確定申告書の第一表と第二表など)

  • 住民税特別徴収税額通知書
  • 工事台帳や日報など毎日業務していることが分かるもの)

などの資料で代用できる場合があります。

 

※岡山、兵庫では添付しませんが、広島や東京では保険証のほか「住民票」の提出が求められます。

 

技術者の要件を確認する資料

①国家資格等

国家資格等の場合、「免状」や「合格証明書」の原本だけでOKです。

国家資格だけで専任技術者となれるものの場合、資格の取得は大変ですが、確認資料はとてもシンプルに紙1枚で済んでしまいます。

専任技術者になるには国家資格等が最強、と言われるのはこれが理由です。

※実務経験を必要とする資格については、⑤の「実務経験を証明する書類」が必要になります。

 

②指定学科を卒業

建設業に関係ある指定学科を卒業した場合は、「卒業証明書」の原本が必要です。

ただし、指定学科卒業の場合は、一定(3年または5年)の実務経験が必要です。

期間分の⑤の「実務経験を証明する書類」も集めなくてはなりません。

 

③監理技術者

監理技術者の方は、「監理技術者資格者証」の原本で証明することができます。

(一般財団法人建設業技術者センターホームページより引用)

 

④大臣認定

大臣認定とは、海外での実務経験や学歴、資格などを国土交通大臣に認定してもらう制度です。

大臣認定を受けた場合は、「認定証」の原本が必要です。

 

⑤実務経験を証明する書類


実務経験を証明する書類ですが、多くの申請希望者が頭を抱える書類でもあります。

10年以上の実務経験の場合はもちろんですが、一定の国家資格や指定学科の卒業の場合にも、この実務経験を証明する書類を集めなくてはいけません。

 

実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいうとされています。

具体的には、現場監督や建設機械のオペレーション、土工やその見習い、発注者側の設計などの経験をいいます。

くわしくはこちらをご覧ください。

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

 

実務経験を認めてもらうためには、つぎの2つのことを証明する必要があります。

a)実務経験期間の常勤性

b)実務経験の内容

 

a)実務経験期間の常勤性

実務経験の期間中に常勤していたかが確認されます。

実務経験の全期間について常勤だったことを証明することになります。

通常はこちらの書類を準備することになります。

  • 厚生年金被保険者記録照会回答票(事業所名が必要)


※産経ニュースより引用

 

なければ、次のような書類で代用することができます。

  • ねんきん特別便(本人に届くもの)
  • 厚生年金加入期間証明書
  • 住民税特別徴収税額通知書
  • 法人税確定申告書(別表一と役員報酬内訳書)・・・法人の場合
  • 所得税確定申告書(第一表と第二表)・・・個人の場合
  • 出向先での資料(出向契約書や保険証など)・・・在籍出向者の場合

※行政庁によって取扱いがちがいます。必ず確認しましょう。

 

b)実務経験の内容

実務経験の証明は、

ⅰ)書類を集めること、

ⅱ)当時の使用者に証明(押印)をしてもらうこと、

の2つが必要です。

 

ⅰ)書類を集めること

岡山県の場合、実務経験を証明する確認資料は、原則として「契約書等」だけです。

在籍した企業が許可業者かどうかに関係なくです。

なぜかというと

「許可を持っているだけで工事の実績がほとんどない」

「建材の販売会社で取付け実績が年に数件」

という場合があり、実績の確認が必要とのことです。

①工事請負契約書(原本)」

 

②「注文書(原本)」+「請書(写し)」

※注文書には発注者の押印、請書には押印と印紙+消印が必要です。

 

③「請求書(控え)」+「通帳」

>請求書や押印・印紙のない請書などには、第三者である金融機関が発行した「通帳」「取引明細書」などの入金が確認できる書類が必要です。

実務経験のみの場合、10年以上の工期の契約書等を集めなくてはなりません。

※前の工事と次の工事の間の空白が3か月以内であれば期間が継続しているとみなされます。

空白が4か月以上あると、その期間は実務経験の期間とは見てもらえません。

また、岡山県の場合は、廃業した業者での経験でも「契約書等」が集められないと専任技術者にはなれません。

 

【契約書等がないと無理?】

もし、在籍した業者が「経審」を受けていたのであれば、経審の申請書類の控えをそろえることで、岡山県から専任技術者が認められる可能性は”大”です。

ぜひ、確認してみてください。

 

ⅱ)当時の使用者の証明

許可申請書類の中に「実務経験証明書:様式第九号」という書類があります。

この書類に、当時の使用者から証明(押印)を受ける必要があります。

※すでに廃業した業者の場合、その当時から営業している同業他者に証明(押印)を受ける方法があります。

個人事業主として自営していた経験の証明にも同じように、同業他社の証明が必要です。

東京など他の自治体では、許可業者での経験の確認資料として次のようなものが認められることがあります。

  • 建設業許可申請書・決算変更届(東京都)
  • 契約書等の提出ができない場合は、所定様式の発注証明書(広島県)

 

指導監督的実務経験を証明する書類

指定建設業を除く特定建設業では、2年以上の指導監督的な実務経験があれば専任技術者となることができます。

書類的には実務経験に必要な「契約書等」を集めるのですが、指導監督的な地位にあったことを証明しなければならないですよね。

ですから、「契約書等」にプラスして「施工体系図」などが確認資料として必要とされます。

 

まとめ

最後まで読んでくださりありがとうございます。

そんなあなたには、できれば国家資格で専任技術者を目指してほしいと思います。

技術面での知識などが確実に身につきますし、なにせ確認資料で悩むことがないからです。

やはり専任技術者をクリアするには、国家資格等は“最強”です!

 

大臣認定を除き、他の場合には「実務経験」の証明が必要となります。

経営者の方はよくご存じですが、請求書等の書類が10年以上も残っているケースはかなり少ないのが実情だと思われます。

7年もビミョーで、5年残っていれば御の字というところでしょうか。

それほど書類は残っていないものなので、自社での経験の書類は頑張って残す、他社の場合、できるだけ残してもらうようお願いする、ことも必要かと思います。

 

もし、「読んでみたけど書類を集めるのは難しそうだな」となった場合でもあきらめないでください。

たとえば「Aの書類は集まらないけど、代わりにA’やBの書類で認めてもらえた」などということはいくらでもあります。

自分の判断だけで許可取得を断念しないでください。

あきらめる前に一度だけでも、専門家である行政書士や行政庁に相談することをおすすめします。

そして、ぜひ、念願の建設業許可を手にしてください。

 

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