建設業許可|取るための知識

3分理解)経営業務の管理責任者の確認資料|建設業許可

経営業務の管理責任者(経管)は、建設業許可で最も手ごわい要件だと言えます。

手ごわい理由は2つです。

・5年以上もの長い期間にわたる、建設業での経営経験がかならず必要なこと

・経験を証明する書類を集めることがとても難しいケースがあること

まずは要件をクリアすることが難しいことがあげられます。

経管の要件をくわしく知りたい方はこちらをご覧ください。

👉3分理解)経営業務の管理責任者の要件|建設業許可

👉経営業務の管理責任者要件|建設業許可で最大のヤマ

 

また、要件をクリアできたとしても、これを証明するための書類の収集がむずかしい場合があります。

この記事では、経管の要件をクリアするために必要な確認資料について3分で解説します。

ご自身の許可に必要となる書類は何かを知り、可能なかぎり準備しておくことをおすすめします。

 

建設業許可について、ほかにもくわしく解説しています。

ぜひご覧ください。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉建設業許可の29業種をわかりやすく解説

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

経管の許可要件

まずは、経管の要件をサクッと理解しておきましょう。

経管とは、常勤の役員や個人事業主などで、経営業務の管理責任者としての経験を有する人のことです。

許可業者には、経管が1名以上いなくてはいけません。

①経管になれる人(対象者)はだれか、②どんな経験が何年必要か、を確認します。

 

経管になれる人(対象者)

「常勤の役員や個人事業主など」には次の人たちが該当します。

法人・・・取締役、令3条の使用人、執行役員、経営業務を補佐した者(支店長/営業所長など)

個人・・・事業主本人、支配人、経営業務を補佐した者(家族従事者:配偶者や子)

 

どんな経験が何年必要か

経管としての経験とは、建設業の経営業務を総合的に管理した経験をいいます。

具体的には、工事ごとに行う資金調達や資材の購入、技術者や職人、下請の手配などの経験です。

この経験が次の期間分あれば、それぞれの要件がクリアできます。

ⅰ)1つの業種で5年間の経験があれば、その業種について経管の要件がクリアできます。

ⅱ)1つの業種で6年以上の経験があれば、すべての業種について経管の要件がクリアできます。

 

経管は確認資料で証明する

許可の申請先である役所は、基本的に書類で審査します。

ですから、経管の要件がクリアできていることを、確認資料で証明する必要があります。

確認資料は、原則として原本を提示することになります。

①現在の役員としての常勤性

②過去の経営経験

ア 経験した期間(5年または6年以上の期間)

イ 経験した業種

この3つを証明するための確認資料を提示することになります。

なお、それぞれに必要な書類は、申請先の役所によってかなり違ってきます。

必ず役所や行政書士に確認、相談するようにして下さい。

 

現在の役員としての常勤性

まずは、現在役員などとして常勤していることを証明します。

 

役員であること

ⅰ)登記事項証明書(履歴事項全部証明書)

今回申請する会社のものを提出します。

※個人事業主の場合は、必要な書類はありません。

 

常勤であること

一定の期間常勤していること、通勤が可能な場所に住所があることを証明します。

ⅱ)住民票

※マイナンバーの記載のない発行後3か月以内のもの。本籍地も不要。

現住所と住民票が異なるときには、現住所確認のため賃貸借契約書などが必要です。

都道府県によっては不要な場合があります。

 

ⅲ)健康保険被保険者証(国民健康保険証/後期高齢者医療被保険者証)

※賃金台帳などを確認される場合があります。

国民健康保険証で事業所名の印字がない場合は、次のどれかが必要です。

ア 被保険者標準報酬決定通知書または被保険者資格確認及び標準報酬決定通知書

イ 住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)

ウ 確定申告書(法人・・・別表一と役員報酬明細書※税務署の収受印があるもの)

確定申告書(個人・・・第一表と第二表※税務署の収受印があるもの)

エ その他常勤が確認できるもの(工事台帳や日報、賃金台帳など)

 

まとめますと、「役員として常勤していること」は、次の書類で確認が行われます。

ⅰ)登記事項証明書

ⅱ)住民票

ⅲ)健康保険被保険者証

 

過去の経営経験

過去の経験は、次の2つで証明することになります。

ア 経験した期間の証明

イ 経験した業種の証明

必要な期間分の証明を行います。(5年以上の資料を準備することになります。)

 

集めるのが難しくなることがあるのは、イの経験した業種を証明する書類です。

では、それぞれ確認することにしましょう。

 

経験した期間の証明

まずは、必要な期間にわたって、経営を行う立場にいたことを証明します。

どんな立場での経験かによって書類が違ってきます。

※執行役員や法人の経営業務を補佐したことを証明する書類は、大企業救済のためのものですのでここでは割愛します。

 

①法人の取締役などの場合

・履歴事項全部証明書

・閉鎖登記簿謄本(閉鎖事項全部証明書)

履歴事項全部証明書では3年程度しかさかのぼれないため、閉鎖登記簿謄本なども必要となります。

 

②令3条の使用人(支店長、営業所長)

・建設業許可申請書の写し

・変更届出書の写し

申請書や届出書で令3条の使用人として登録されていることが必要です。

 

③個人事業主

・確定申告書の写し(税務署の収受印があるもの)

※もし手元にない場合には、税務署で開示請求することで7年程度取得できる場合があります。

 

④個人事業主の事業専従者(配偶者や子)

・戸籍謄本、住民票

・死亡した事業主の確定申告書(専従者給与の記載があるもの)

・賃金台帳、所得税徴収高計算書(納付書)など

 

経験した業種の証明

次に、どの業種における経験であるかを証明する書類を確認します。

こちらの書類も必要な期間分集めなければいけません。

許可業者での経験なのか、それとも許可のない業者での経験なのかによって、揃えるべき書類が違ってきます。

また、申請先の都道府県によっても必要となる書類が異なります。

 

許可業者での経験

許可業者での経験は、次のいずれかの書類で証明します。

・建設業許可通知書

・建設業許可申請書の写し

・決算変更届(事業年度終了報告)の写し

これらの書類は、比較的集めやすい書類といえます。

 

許可のない業者での軽微な工事の経験

許可のない業者での経験は、税込500万円以下の軽微な工事での経験になります。

軽微な工事をくわしく解説しています。

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

次のいずれかの書類で証明します。

・工事請負契約書(原本)

・注文書(原本)および工事請書(写し)

・請求書(写し)

※請求書や押印のない工事請書などには入金が確認できる書類が必要です。

入金が確認できる書類・・・通帳、金融機関発行の取引明細書、領収書控えなど

これらの書類は、古いものであるほど集めることが難しくなります。

税法で7年間(個人の契約書等は5年)の書類の保存が義務づけられているので、通常は残っているはずです。

※法人の場合、赤字の繰り越しがあれば9年とか10年保存義務があります。

しかし、保管場所の確保も大変ですし、けっこう残っていないことが多いのも事実です。

また、経営の経験が他社の場合、書類を借りられるかという問題もあります。

コンプライアンスの観点から書類の提供が拒否されることもあります。

これらの書類が集められないために、許可の申請を断念、延期することもあるのです。

また、都道府県によっては、許可業者での経験であっても、契約書などの提示を求めるところもあります。

必ず、申請先の窓口や行政書士に確認、相談するようにしてください。

 

証明者による証明

経営を行った経験については、事業者による証明が必要となります。

具体的には、法人の場合は代表者印が、個人の場合は実印が必要です。

さらに印鑑証明書も添付しなければなりません。

 

東京都:建設業許可申請の手引きより引用

 

まとめ

ご自身が許可を取る場合、経管をクリアするのに必要な書類がお分かりいただけたでしょうか。

①現在の常勤性

②過去の経験期間

③過去の経験業種

この3つを証明するということでした。

 

特に③の過去の経験業種の証明は、とても難しいケースがあります。

許可を持たない事業所での経験の場合です。

また、都道府県によっては、許可業者での経験でも難しくなるケースがあります。

 

経管の要件は、必ず5年以上の経験が必要とされます。

できるだけ早い準備と書類の保管が何より重要です。

ぜひ、経管の要件をクリアして、許可をゲットしてください。

 

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