建設業許可|業種の知識

水道施設工事業とは?必要な資格と許可要件|建設業許可

今回は、水道施設工事業について解説します。

この記事を読むことで、水道施設工事ってどんな工事?、水道施設工事業の許可を取るにはどんな資格や要件が必要?などの疑問を解消することができます。

また、資格や要件の証明に、どんな書類が必要かが分かります。

 

もし、間違った業種を選択してしまうと、手間と時間と費用が余分にかかることになります。

また、無許可営業で処分される可能性が高くなってしまいます。

ですから、業種の選択はとにかく慎重に行いましょう。

もし、不安があるようでしたら、信頼できる専門家に相談するのがよいでしょう。

 

水道施設工事業とは

建設業許可における「水道施設工事」は、

①上水道、工業用水道などのための取水、浄水、配水などの施設を築造する工事

または②公共下水道もしくは流域下水道の処理施設を設置する工事

をいいます。

 

「水道施設工事」という名前から、一般家庭やビル、工場内の水道・下水の配管工事をイメージしがちですが、これらは「管工事」となります。

「水道施設工事」は、①上水道の「取水設備」「浄水場」「配水場・配水管」などの施設を設置する工事と②「下水処理場」を設置する工事の2つ工事のことですね。

 

上水道は、河川や井戸などの水源から原水を引き込み(取水)、飲み水にできるようろ過・消毒などの処理を行い(浄水)、使われる水の量に応じて水を送る(配水)というプロセスで各家庭などに届けられます。

この取水・浄水・配水などを行う施設を築造、設置する工事は「水道施設工事」に該当します。

 

例示

具体的にはこんな工事が該当します。

  • 取水施設工事
  • 浄水施設工事
  • 配水施設工事
  • 塗膜防水工事
  • 下水処理設備工事

※配水施設工事・・・配水池、配水場などの設置工事とともに配水管を公道下等に埋設する工事も含まれます。

 

※軽微な工事以外の水道施設工事を請け負う場合、必ず水道施設工事業の許可が必要です。

軽微な工事はこちらで確認を

👉軽微な工事とは(許可が不要な工事)|建設業許可

 

業種区分を間違えやすい工事

※上水道の施設工事に関する業種区分の考え方

・公道下等の上水道である配水管埋設工事は「水道施設工事」となります。

・宅地内の給水引込管の配管工事は「管工事」です。

 

※下水道やし尿処理の施設工事に関する業種区分の考え方

・公共汚水ますから建物内への下水道配管工事は「管工事」です。

・下水道本管を公道下等に配管する工事は「土木一式工事」です。

・下水処理場などの下水管からの汚水を処理する施設を設置する工事が「水道施設工事」となります。

・「浄化槽」の設置は規模の大小に関係なく「管工事」に該当します。

・バキュームカーで汲み取ったし尿を処理する「し尿処理施設」の建設工事は「清掃施設工事」に該当します。

・農業用水道、かんがい用排水施設等の建設工事は「土木一式工事」となります。

 

水道施設工事業の許可を取るには

建設業の許可要件は、「経管(けいかん)」「誠実性」「欠格要件」「専任技術者」「財産的基礎」の5つです。

では、水道施設工事業の許可を取るために必要な5つの要件の攻略方法を確認しましょう。

 

経営業務の管理責任者(経管)

申請するのが法人であれば役員の1人が、個人であれば事業主本人か支配人が、次に該当することが要件です。

①水道施設工事業を営む会社の役員として5年以上の経営経験がある

②水道施設工事業を個人事業主(支配人)として5年以上経営した経験がある

 

③水道施設工事業以外の業種を営む会社の役員として6年以上の経営経験がある

④水道施設工事業以外の業種を個人事業主(支配人)として6年以上経営した経験がある

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可通知書のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「登記事項証明書(法人)」または「確定申告書のコピー(個人)」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉経営業務の管理責任者の要件|建設業許可で最大のヤマ

 

誠実性

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)が対象となります。

請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが要件です。

くわしくはこちらをご覧ください

👉誠実性の要件について|建設業許可

 

欠格要件

法人の役員、個人事業主、支配人や令3条の使用人(支店長や営業所長)、さらに5%以上の持分をもつ株主なども対象となります。

これらに該当すると許可されません。

・成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者

・不正に許可を受けたこと、または営業停止処分に違反したことにより許可取消後5年を経過しない者

・禁錮以上の刑または建設業法等の法令違反で罰金刑以上に処せられて5年を経過しない者

・暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

 

くわしくはこちらをご覧ください

👉欠格要件の完全ガイド|建設業の許可・取消では要注意

 

専任技術者・財産的基礎

専任技術者と財産的基礎については、一般建設業と特定建設業のどちらを選ぶかによって要件が違ってきます。

一般建設業から確認しましょう。

なお、一般建設業と特定建設業の違いについてはこちらをご覧ください

👉一般建設業と特定建設業はどう違うのか|建設業許可

 

一般建設業の要件:水道施設工事業

専任技術者(一般建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①から④のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士法(技術士試験):上下水道・総合技術監理(上下水道)
  • 技術士法(技術士試験):上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)
  • 技術士法(技術士試験):衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)
  • 技術士法(技術士試験):衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②指定学科の卒業+水道施設工事業での実務経験

高校の指定学科を卒業したときは5年以上、大学・高専の指定学科を卒業したときは3年以上の実務経験が必要

※指定学科・・・土木工学、建築学、機械工学、都市工学及び衛生工学に関する学科

👉「卒業証明書」と実務経験の確認資料で証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

 

④水道施設工事業での実務経験が10年以上

水道施設工事業で10年以上の実務経験が必要です。

・在籍した企業が許可業者の場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「建設業許可申請書及び決算変更届のコピー」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

・許可業者ではない場合・・・

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉実務経験で専任技術者になる|建設業許可の要件

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(一般建設業)

次の①②のどちらかに該当することが要件です。

①自己資本(純資産合計)が500万円以上である

②500万円以上の資金調達能力がある

👉②は「500万円以上の金融機関の残高証明書」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可

 

特定建設業の要件:水道施設工事業

専任技術者(特定建設業)

役員や従業員(出向社員を含む)で次の①~③のいずれかに該当する人を営業所ごとに置くことが要件となっています。

①次の国家資格等を持っている

  • 1級土木施工管理技士
  • 技術士法(技術士試験):上下水道・総合技術監理(上下水道)
  • 技術士法(技術士試験):上下水道「上水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上水道及び工業用水道」)
  • 技術士法(技術士試験):衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)
  • 技術士法(技術士試験):衛生工学「廃棄物管理」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)

👉「合格証明書」や「免状」で証明します

 

②2年以上の指導監督的実務経験を持っている

一般建設業の専任技術者(大臣特認を除く)に該当する人で、4,500万円以上の元請工事に関して2年以上の指導監督的実務経験を持っていること。

👉ⅰ)必要な年数の「契約書、注文書・工事請書、請求書・通帳」及び「施工体系図」など指導監督的な地位にあったことがわかる確認資料と

👉ⅱ)必要な年数の「厚生年金被保険者記録照会回答票」などで証明します

 

③国土交通大臣の特別の認定を受けた場合

海外での実務経験や学歴などがあれば認定を受けられる場合があります。

👉「認定証」で証明します

くわしくはこちらをご覧ください

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

財産的基礎(特定建設業)

次のすべてに該当することが要件です。

①欠損の額が資本金の20%を超えないこと

②流動比率が75%以上であること

③資本金が2,000万円以上あること

④自己資本(純資産合計)が4,000万円以上あること

くわしくはこちらをご覧ください

👉財産的基礎要件(金銭的信用)について|建設業許可