建設業許可|取った後の手続き

役員を変更した場合の手続き|建設業許可

建設業許可を持つ建設業者は、5年ごとに許可の更新が必要となります。

しかし、決算変更届(事業年度終了報告)や変更届を提出していないと許可の更新ができません。

期限内に更新できないと、許可を失うことになってしまいます。

こちらで決算変更届をくわしく解説しています。

👉決算変更届(決算報告)とは|建設業許可

 

役員(取締役)の就任や退任があった場合、みなさんはおそらく登記手続きを行うはずです。

でも、その後の建設業に関する変更届は提出できているでしょうか?

提出しないでいると、許可の更新ができません。

 

このちょっと忘れてしまいがちな、役員の変更があった場合に必要となる変更届について解説します。

また、退任する役員が経管や専技も兼ねる場合、やり方によっては大きな問題が起きることがあります。

許可を失い事業の存続が難しくなったり、許可を取り直す必要が生じたりします。

これらについても、対策を含め確認していきます。

 

知っていれば対策することができますが、知らないと大変なことにもなりかねません。

ぜひ最後までお読みください。

 

こちらで建設業許可についてくわしく解説しています。

👉岡山県で建設業許可を取る人が読む開業完全ガイド

👉工事経歴書と業種の振り分け(決算変更届)|建設業許可

👉工事経歴書と配置技術者(決算変更届)|建設業許可

 

新たに役員が就任した場合

役員就任の登記

役員(取締役)が新たに就任した場合、就任承諾の日から2週間以内に登記が必要です。

まずは、法務局などで登記を済ませましょう。

申請後、1~2週間前後で登記が完了するので、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を取得します。

 

役員が就任した場合の変更届

許可業者が行う役員就任についての変更届は、就任の日から30日以内が期限となっています。

※この場合の”役員”には、監査役などは含まれません。

登記申請に1~2週間かかりますので、比較的タイトなスケジュールになります。

期限を過ぎてからの提出になると、始末書を書かなければなりません。

期限後の提出が度重なると、何らかの処分の対象となる可能性があります。

期限厳守です。

 

提出書類は次のとおりとなっています。

・変更届出書(役員等の一覧表を含む)

・誓約書

・就任した役員の住所・生年月日等に関する調書

・登記事項証明書

・登記されていないことの証明書

・身分証明書

※身分証明書の郵送請求は東京法務局に対して行いますが、時間がかかりますのでご注意ください。

「登記されていないことの証明書」です。

「身分証明書」です。

 

役員が退任した場合

役員は任期満了・辞任・解任・死亡・破産・欠格事由に該当したことなどによって退任します。

就任のときと同じで、まずは、退任の日から2週間以内に登記を行いましょう。

そして、登記事項証明書を取得しておきます。

 

建設業の変更届の期限も就任のときと同様で、退任の日から30日以内です。

こちらも期限厳守です。

提出が必要な書類はつぎのとおりです。

・変更届出書(役員等の一覧表を含む)

・履歴事項全部証明書

役員(取締役)の交代の場合は、就任と退任の両方の変更届出書を提出します。

では、次に退任する役員が経管や専技を兼ねている場合を確認しましょう。

 

退任した役員が経管・専技を兼務していた場合

役員が交代する場合

役員の交代の場合に、退任する役員が経管や専技を兼務しているときは、特に注意してください。

経管と専技は許可の要件ですので、1日でも不在となれば許可取消の対象となります、

経管も専技も常勤を必要とされています。

常勤とは、休みの日以外は出勤して、1日8時間程度は仕事をしている状態をいいます。

ですから、他の会社の役員を兼務していたり、個人事業を行っている場合、常勤とは認められません。

また、退任の場合だけでなく、非常勤の役員になる場合も常勤とはみてもらえません。

退任する役員と新任の役員は、常勤の状態で継続しなければなりません。

経管や専技の交代を行う場合は、1日も空白ができないように、万全の準備で臨んでください。

この点をしっかり理解しましょう。

なお、役員だけの変更であれば、就任や退任の日から30日以内に届出すれば大丈夫です。

ですが、経管や専技を兼ねる役員を変更するときは、提出期限が変わってきます。

提出期限が、就任や退任の日から2週間以内となってしまいます。

とてもタイトになります。

また、経管の経営経験や専技の実務経験を証明するために、ぼう大な資料が必要となることがあります。

これらの準備にも時間がかかります。

しっかりとした準備は欠かせません。

 

経管と専技の要件は、こちらでくわしく解説しています。

👉経営業務の管理責任者要件|建設業許可で最大のヤマ

👉専任技術者の要件|建設業許可のもう一つのヤマ

 

経管の交代時に提出する書類

経営業務の管理責任者の交代時に提出する書類は、次のとおりです。

・変更届出書

・誓約書

・経営業務の管理責任者証明書

・経営業務の管理責任者の略歴書

 

専技の交代時に提出する書類

営業所の専任技術者の交代時に提出する書類は、次のとおりです。

・変更届出書

・専任技術者一覧表

・専任技術者証明書(実務経験証明書/指導監督的実務経験証明書)

 

役員が突然の事故や病気で亡くなった場合

経管や専技を兼ねる役員が、不慮の事故や病気で突然亡くなってしまうとどうなるでしょう。

 

経管や専技の要件をクリアする役員などがいる場合は大丈夫です。

2週間以内に変更届を提出することで、従前と同じ体制で事業を継続できます。

 

しかし、役員に要件をクリアする者がいない場合、経管であれば次の3つを検討することになります。

①社内に経管に準ずる地位(工事部長や個人事業主の専従者など)で経営業務を補佐した経験を持つ者がいないか

②社内に執行役員などで経営管理の経験を持つ者がいないか

※①と②のどちらも行政庁の承認が必要です。(ハードルはかなり高いと考えておいて下さい)

③外部から要件をクリアする者を招き入れる。

それでも該当者がいない場合は、30日以内に廃業届を提出して許可を返上することになります。

再び経管と専技の要件がクリアできるまではガマンを強いられます。

無許可となるので軽微な工事(税込500万円未満)しか請け負うことができなくなるのです。

 

できるだけ早く対策を考えておく

ですから、普段から経管や専技の要件をクリアできる候補者を、どう育てるかがとても重要です。

特に経管の候補者は、企業を任せられる後継者候補でもあります。

キーパーソンとなるべき人ですから、誰でも良いというわけにはいきません。

企業の存続とのバランスを考えて人選する必要があります。

 

そして、候補者が決まったら、できるだけ早く対策を実施することが大事です。

経管の要件をクリアするには、最低でも5年の経営経験が必要です。

とにかく早くやることをおすすめします。

また、専技の要件は、国家資格でもクリアできます。

受験準備を早めに始めましょう。

 

法人と個人で対策の取り方は違ってきます。

(法人の場合)

できるだけ常勤の取締役を複数名にして、経営業務に従事させておく

※法人の場合はこれしかありません。

 

(個人の場合)

ア 家族従事者(子供や奥さん)に事業専従者として給与を支給しておく

※税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出し、毎年の青色申告決算書に計上しておきます。

イ 後継者を支配人として登記しておく

※事業主と同じ権限を持つので、よほど信頼できる者でなければリスクは高いです。

実際にはあまり利用されていません。

ウ 法人成りを検討する

個人から会社組織に変更して、家族従事者や右腕となる人を取締役にするのが現実的だと思います。

※2020年秋に、個人事業主の死亡後30日以内の相続の認可申請で、相続人が許可を承継することができるようになる予定

 

役員重任登記に注意

株式会社で建設業を営業する場合、注意していただきたいことがあります。

株式会社の場合、取締役の任期が原則2年となっています。

しかし、定款で最長10年まで延長することができます。

みなさんの会社の任期は何年でしょうか。

たとえば、任期が2年の場合、取締役に変更がなくても2年ごとに重任登記が必要になります。

要するに、また同じメンバーで続けます、という登記が必要であるということです。

役員の変更があった場合にはほとんどの方が、きちんと役員変更の登記をしていると思います。

しかし、重任登記はちゃんとできているでしょうか。

この重任登記がちゃんとできていないと、やはり許可の更新などができなくなります。

重任登記も忘れずにしっかりとやっておきましょう。

 

まとめ

今回は、建設業許可後の変更届、なかでも役員にフォーカスして確認しました。

建設業許可の変更届は、提出していないといいことは1つもありません。

許可の更新などができませんし、度重なると監督処分などのペナルティを受けることになります。

十分ご注意ください。

 

役員を交代するとき、辞める方が経管や専技を兼ねている場合は特に要注意です。

どちらも1日でも不在の状態ができると、許可取消の対象となります。

また、経管と専技の変更届は、提出期限が2週間以内ととても短くなっています。

いろいろな落とし穴があります。

こちらも十分にご注意ください。

 

許可を維持するためにも、経管と専技の要件はとても重要です。

万が一にも、経管が不在となった場合に変更届を提出せず、放置するようなことはないようにして下さい。

最悪の場合、虚偽申請などで5年間は許可の再取得ができなくなり、廃業せざるを得なくなります。

また、名義を借りてつじつまを合わせるようなやり方も、絶対にご法度です。

 

こんなことにならないよう、日頃から対策を考え、できるだけ早く手を打ってください。

私は、事業を存続させることが一番大事なことであると考えます。

 

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